(明治・大正期に日銀本店本館や東京駅の赤れんが駅舎を設計した辰野金吾は、耐震建築の草分けでもあった。地震の多いイタリアの視察もしている。没後100年を記念して都内の日銀貨幣博物館が開いている特別展からは、彼が現地で詳細な調査をした様子がわかる。
(訪れたのはナポリ湾に浮かぶ火山島、イスキア島だ。各種の石造の建物や、部材をボルトで結合した構造などを図解しながら記録した。だが、辰野の評価は高くなかったという。地震に十分耐えられるか、疑問に思ったのだろう。1896年(明治29年)に竣工した日銀本館の設計は、こうした地道な研究がベースにある。(一部 春秋)