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2007年8月15日
主にある兄弟姉妹の皆さん
日本聖公会首座主教 ナタナエル 植松 誠
正義と平和委員会 委員長 ダビデ 谷 昌二
8・15 平和メッセージ
平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。 マタイ 5の9
主の平和が、皆さんとともにありますように。
今年も、日本が自ら起こした侵略戦争に敗れた日、8月15日を迎えます。敗戦とは言え、人権を蹂躙
し、人命を屑のようにして世界を巻き込んだ戦争が終わったことに、どれほど多くの人々が、深く安堵の
胸をなでおろしたことでしょう。「戦争はもう嫌だ!」「二度と戦争はしたくない!」 殺すことも、殺さ
れることも、もう止めよう。この強い決意のもとに、私たちの「憲法」が施行されました。
一人一人の命が尊ばれ、その権利は誰からも侵されてはならない。特に、国家は、この人権を守るもの
であって、権力によって人権は侵されてはならないことを明記し、これを基礎に、国民を巻き込むいかな
る戦争も放棄し、軍備を持たない国になることを誓い、世界の国々がこの精神を生かすことを呼びかけた
のです。
戦後62年、私たちの国は、今、大きな曲がり角を迎えています。「平和憲法」のもとにあるにもかかわ
らず、自衛隊は世界でも屈指の軍備を有し、冷戦終結後の米軍世界戦略にわが国を巻き込む「米軍再編特
別措置法」が制定され、日本各地で自衛隊と連動させながら米軍基地の再編・強化が始まっています。更
に、教育現場では日の丸、君が代の強制が私立学校にまで及ぼされようとしています。また、憲法の精神
を教育の柱にするべく制定された「教育基本法」の改定も強行採決され、最後の砦となる「憲法」を変え
るための「国民投票法」が強行採決、制定されました。国益を人権の上に置き、国家権力で人権を縛って
国民・財産を戦争の道具とし、自衛隊を自衛軍に格上げして、正々堂々と戦争ができる国へとあと一歩の
ところまで追い込まれています。
私たち主イエスを信じ、主イエスの十字架によって罪が赦され、ご復活の主イエスの新しい命に生かさ
れている者として、何もしないでこの時を過ごすことができるでしょうか? 「目を覚ましていなさい。」
マタイ24:42他 わが国のことばかりでなく、今、世界で何が行われているか、しっかりと目を覚ま
して見つめましょう。戦争・軍隊によっては平和が構築できないことが、各地で明らかにされています。
世界の貧困、飢餓、病気、人権の蹂躙などの解決を目指す「人間の安全保障」こそが、平和への道です。
私たちは、聖餐式で主イエスの肉と血にあずかった後、感謝して祈ります。
「・・・主はこれによって、わたしたちがみ子のからだのえだであり、み国の世継ぎであることをいよい
よ明らかにしてくださいました。天の父よ、わたしたちはみ子によって、心もからだも生きた供え物とし
てささげます。どうか聖霊によってわたしたちをこの世に遣わし、み旨を行う者とならせてください。・・・」
私たちは、み子のからだに結ばれて、神の国が成就することを目指して歩んでいます。一人一人の命が
神によって無限に愛され、大事にされる国です。その喜びがあって、神にすべてを捧げ、委ねることがで
きるのです。現実はいかに厳しいものであっても、神の国は始まっています。聖霊の力によって、わたし
たちをこの世に遣わし、み旨を行わせてください、平和がこの地に実現しますようにと、真剣に祈り求め
ていきましょう。
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