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内閣総理大臣 福田康夫 殿
法務大臣 鳩山邦夫 殿
日本入国審査における個人識別情報採取による入国審査実施に反対します。
私たち日本キリスト教協議会は、「人をその出自、民族、宗教、国籍、性別等の違いによって差別しない」ことを信仰の証として生きることを活動の中心においています。よって今日にいたるまで、日本に暮らす外国人を、犯罪を冒す危険性のある存在として、16歳時には「指紋を強制採取」し、「外国人登録法」によって、常に管理、監視の対象として扱う政府の動きを即刻中止するよう、活動を続けてまいりました。
1999年、政府は、日本で暮らす外国人については、「外国人登録法」から、指紋押捺義務は取り除きました。しかし外国人登録証の常時携帯義務は継続させるに至りました。今回の「改定入管法」では、政府が、16歳未満の外国人、在日コリアンなどの特別永住者、外交官等を除く「全ての来日・在日外国人」を対象者とし、特別な機器を用いて顔写真を撮影し、指紋を採取することを強制します。その対象者数は、約700万人に上ります。
今回の新入国審査は、2001年9月11日発生した「ニューヨーク同時多発テロ事件」以降、世界中で「テロ」が多発していることを理由に、「テロ防止」を主目的に実施されます。政府は、その生体情報を「要注意人物」と照合することを目的に、2006年5月の国会で、「改定入管法」に盛り込みました。私たちは、この「テロ防止」対策に反対し、また強制的に採取された生体情報が、政府によって長期間保管、活用され続けることを危惧します。
2005年の「改定入管法」成立後の、来日・在日外国人の出入国審査を見る限り、入国者が母語で入国審査を受ける状況にはなく、審査官にコミュニケーション不足を理由に逮捕、拘束されることや、ミドルネームを理由に、パスポート偽造罪で逮捕拘束されるケースが増加しています。米国で実施されている、「US―VISIT」が、「テロ対象者」の摘発に何ら効果を示していないにも拘わらず、日本でも実施されていくことは、政府の「外国人差別」政策の強化を明らかに意味します。ゆえに私たちは、今回の個人識別情報採取が、一日もはやく中止されることを心から願い、廃止を要請いたします。
2007年11月20日
日本キリスト教協議会 議 長 輿石 勇
総幹事 山本俊正
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