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<声明> 旧教育基本法を取り戻したい
この3月28日、新しい学習指導要領が発表されました。改められたところには心配な点がいくつかありますが、中でも小学校音楽で『「君が代」はいずれの学年においても歌えるように指導する』としていることには特に不安を感じます。
もともと学習指導要領は強制力を伴わないゆるやかなものでした。ところが今では先生たちを服従させるような強い力を持つものになっています。今回の改訂点を見ると、2006年に改められた今の教育基本法のねらいがはっきり反映されています。学習指導要領によって学校教育に枠をはめ、それからはみ出るような先生たちの自由な教育活動をゆるさず、また子どもたちを一つの型に閉じこめようとしています。
たとえば東京都などでは、今まで卒業式の内容を卒業する子どもたちや先生たちが相談して作り上げる習わしがありました。これを禁止しました。それに代わって、かならず「日の丸・君が代」を行うように決められた式に統一し、起立・斉唱を義務づけたのです。良心に照らして、「強制するのは変だ」として従わなかった数百人の先生が停職・減給などの重い処罰を受けることになりました。これは自由を尊ぶ日本国憲法に反しています。
以前、「国旗、国歌法」審議の国会で、当時の小渕首相は「義務づけを行うことは考えておらず」と発言していることはよく知られています。にもかかわらず「国旗、国歌法」は踏絵となって学校の先生や外国人を含む子どもたちの心を傷つけています。のびのびとしたところであってほしい学校でこんなことが進んでいるとは、間違っていませんか。
今回の学習指導要領の改訂は、2006年12月に制定された新教育基本法に添った改訂です。私たちはこの法律がよくない結果をもたらすことを大変心配し、その年の11月の教区会で次のように決議しました。「国家による教育支配は、かけがえのない人間一人ひとりの尊厳を破壊する結果しか生まないことを歴史の中に学びました。神の愛の働きに立つ教会は、差別され、虐げられる子どもたちを生み出すような教育に至る道を断じて容認するわけにはいきません。」
私たちは、キリスト教の精神に立つ者です。この立場からも、日本国憲法に反していると言わざるをえない今の教育基本法は改め、旧教育基本法を復活すべきと考えます。
2008年4月2日
日本聖公会中部教区
宣教部長 司祭下原太介
憲法プロジェクト代表 清 公一
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