ワンの物語 『How Could You...』 by Jim Wills, 2001 この物語は、ジム・ウィルスという方が書いたエッセイです。
原文TUNAMARA KENNELSさんより 訳 by あーにゃママ 非営利目的であればどなたでも転載可。 |
心に沁みる物語
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この物語は「虹の橋と雨降り地区」から始まりました。
いつかあなたの物語も聞かせてくださいね。
いつかあなたの物語も聞かせてくださいね。
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ピノキオはイタリアのコロディが原作者。でもたいていの方は、ディズニーのアニメで知っていることでしょう。
原作では大きな魚に飲まれるものが、アニメでは鯨に飲まれるなど、原作とは異なるものになっています。そこで、原作にこだわらないピノキオを創ってみました。 * ある村に、ゼペットという腕のいい木彫りの職人が住んでいました。 奥さんも子供も病気で亡くして、一人でさみしく暮らしていました。 そこでゼペットは、亡くなった子供に似せて、木の人形を作りました。 「お前の名前はピノキオじゃ」 ゼペットはそのできばえに満足しながら、ぐっすりと眠りました。 すると真夜中に、ゼペットの家に一筋の明かりが飛び込んできました。 それは神様の使いの天使ファータでした。 「神様はねえ、正直な人に一つずつプレゼントをするんですよ。 ゼペットさん、あなたへのプレゼントはこれです」 そう言うと、木の人形ピノキオが、静かに動き出しました。 そうです。ピノキオは生きた人形になったのです。 「ここはどこ?ねえあんたは誰?」 朝日が差し込む部屋で、ゼペットはその声で起きました。 眠い目をこするとびっくり。ピノキオが動いているではありませんか。 「わしはゼペット。お前はピノキオじゃよ。わしの息子として作った木の人形じゃよ」 そう言ってピノキオを抱きしめようとすると、ピノキオをその手を払いのけました。 「あんたみたいな年寄りが父さんだなんて、いやだよ。 この家も小さいから嫌いだ。僕は出ていくからね。じゃあね」 というとピノキオは、ゼペットの家を飛び出しました。 ピノキオが歩いていくと、道で会った子供達が言いました。 「あれ、木の人形が歩いているぜ。へんなの」 ピノキオは言い返しました。 「僕は木の人形じゃない!人間さ!」 その瞬間、ピノキオの鼻が、ぐんと伸びました。 そう、ピノキオはうそをつくと、鼻が伸びるのでした。 道で会う人ごとに木の人形と言われ、人間だとうそをつく度に、 ピノキオの鼻はぐんぐん伸びていきました。 それから1か月。ピノキオの鼻は1メートルになっていました。 * 「僕なんか生きている意味がないんだ…」 切り立った崖を歩いていてそう思った瞬間、 ピノキオの体は海の中に落ちていきました。 でも木の人形ですから、沈みません。 ぷかぷかと浮いていると、大きな鯨がピノキオを呑み込みました。 鯨の大きな胃袋の中は真っ暗ですが、小さな明かりが一つありました。 近寄ってみるとそれはゼペットがともすろうそくでした。 「ピノキオ、やっと会えた!お前を探しにきて、間違って鯨に飲まれてしまったのじゃよ。 でもこのろうそくが消えれば、お前もわしももう終わりじゃなあ…」 「そんなことないよ!」 そういうと、ピノキオは1メートルに伸びた自分の鼻をぽきりとへし折りました。 それから左手と左足を思い切って抜き取りました。 「これを燃やせば、鯨はきっと僕らを吐き出してくれるさ」 小さなろうそくの炎を鼻と左手、左足だった木に移して燃やすと、 それを思いっきり鯨の胃袋に押しつけました。 ブッハー!という大風とともに、 ゼペットとピノキオは鯨のおなかから外に飛び出しました。 目の前に大地があったのが見えて、ピノキオはそのまま気を失ってしまいました。 * 「ピノキオ!ピノキオ!」 というゼペットの声でピノキオは目がさめました。 そこは、ゼペットの家でした。 ピノキオは、自分の左手と左足が、元通り木の腕、木の足に戻っているのに気づきました。 気を失っている間に、ゼペットが治してくれたのでしょう。 でも、ちょっと待ってください。 ということは、 ピノキオは木の人形のままなのです。 ピノキオは人間になれなかったのでしょうか。 このままずっと木の人形のままなのでしょうか? −ピノキオ(後編)へ− |
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虹の橋 翻訳者 いっけ様
天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。 この地上にいる誰かと愛しあっていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。 そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。 食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、 みんな暖かくて幸せなのです。 病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、 傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、 元のからだを取り戻すのです。 …まるで過ぎた日の夢のように。 みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。 それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが ここにいない寂しさのこと…。 動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。 でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。 その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。 突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。 速く、それは速く、飛ぶように。 あなたを見つけたのです。 あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。 そしてもう二度と離れたりはしないのです。 幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、 あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。 そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。 あなたの人生から長い間失われていたけれど、 その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。 それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです…。 けれど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。 打ちのめされ、飢え、苦しみ、 誰にも愛されることのなかった子たちです。 仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、 橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。 この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。 地上にある間、そんな人は現れなかったのです。 でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、 誰かが立っているのに気づきます。 その人は、そこに繰り広げられる再会を、 うらやましげに眺めているのです。 生きている間、彼は動物と暮したことがありませんでした。 そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、 誰にも愛されなかったのです。 ぽつんとたたずむ彼に、愛されたことのない動物が近づいていきます。 どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。 そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、 そこに奇跡が生まれるのです。 そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。 地上では巡りあうことができなかった、 特別な誰かさんと、その愛する友として。 今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、 苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。 彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。 虹の橋の「雨降り地区」 作 芝山弓子様 こんな風に幸せと愛の奇跡に満ちている「虹の橋」の入り口に、 「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。 そこではいつもシトシトと冷たい雨が降り、 動物達は寒さに震え、悲しみに打ちひしがれています。 そう、ここに降る雨は、残して来てしまった誰かさん、 特別な誰かさんの流す涙なのです。 大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して、 仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らす事ができます。 ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも…。 でも、1年経っても2年経っても、 ずっと「雨降り地区」から、出て行かない子達もいるのです。 地上に残して来てしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので、 とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。 地上に残して来た誰かさんと同じ辛い想いをして、 同じ悲しみに凍えているのです。 死は全てを奪い去ってしまうものではありません。 同じ時を過ごし、同じ楽しみを分かち合い、 愛し合った記憶は、あなたの心から、永遠に消え去る事はないのです。 地上にいる特別な誰かさん達の、幸せと愛に満ちた想い出こそが、 「虹の橋」を創りあげているです。 ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。 彼らはあなたを幸せにする為に、神様からつかわされたのです。 そして、何よりも大事な事を、伝えにやって来たのです。 命の儚さと愛しさを。 束の間の温もりに感じる、慈悲の心の尊さを。 その短い生涯の全てを以って、教えてくれるのです。 癒える事のない悲しみだけを、残しに来るのではありません。 思い出してください。 動物達が残して行ってくれた、形にも、言葉にもできない、様々な宝物を。 それでも悲しくなったら、目を閉じてみてください。 「虹の橋」にいる、彼らの姿が見えるはずです。 信じる心のその中に、必ずその場所はあるのですから…。 虹の橋と雨降り地区 |



