猫じじいのブログ

若者にやさしい社会をねがうジジイのブログ!

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NHK大河ドラマ『花燃ゆ』がついに視聴率が1ケタを記録したという。私は319日の朝日新聞オピニオン、小島毅の『松蔭の「行動」への賛美 実は危うい』を私は読んでいたので、これで良いと思った。私も吉田寅次郎こと吉田松陰を「英雄」視するのは良くないと思う。
小島毅は朝日新聞オピニオンで吉田松陰の思想の「行動」への偏重を批判していた。本人の寄稿でなくインタビュー記事だったので、小島毅の批判する「行動」とは何であるかハッキリしないが、暗殺や内戦に至る暴力的「行動」を批判していると私は解釈してる。暴力的でない「行動」は必要な場合があると私は思う。困っている人をかわいそうだと思うだけでなく、手を差し伸べるほうが良いと思う。
私は、「行動」への偏重だけでなく、吉田松陰の「尊皇攘夷」の思想をも批判すべきと思う。「尊皇攘夷」の思想が、明治維新後も権力の中枢で生き残り、韓国、中国への侵略、太平洋戦争に至ったと思う。
「尊皇攘夷」とは「王を尊び、夷を攘う(はらう)」の意味である。
ここで注意したいのは、あくまで「尊」であって、権力の象徴に天皇をすえるが、実権は側近が握っても良いとしていることである。「尊皇」とは、国家儀礼による国家統治を主張する幕末期の儒学のスローガンである。島薗進の『国家神道と日本人』(岩波新書)は、明治政府の儒学者たちが、いかに皇室祭祀を国家儀礼とし天皇を神格化したかを、実証的に記述している。
また、「攘夷」の本質的問題は、「開国」か否かではなく、日本国が邪悪な「列強」に囲まれているという危機意識、すなわち、被害妄想にある。19世紀末には、すでに、欧米には「個人」や「人権」という概念があった。ところが、暴力で権力を握った明治政府にとって、欧米の人権思想は困るもので、「和魂洋才」をスローガンとし、人権や社会主義を唱える活動家を弾圧した。そして、被害妄想にもとづき、「この道しかない」と「富国強兵」の道をばく進した。
「尊皇攘夷」は形を変えて、現在も生き残っている。
現在の天皇や皇太子は健全な教養人なので、権力者にとって儀礼による統治に利用できない。その代りに、国旗掲揚、国歌斉唱という形で、国家儀礼を個人に押し付けている。小学校、中学校、高校だけでなく、大学までそれを強要し始めている。1891年(明治24年)、内村鑑三は、第一高等中学校の講堂での教育勅語奉読式において「最敬礼」をおこなわなかったと、とがめられ、教師の職を失った。教育勅語に対する頭の下げ方が足りないというものである。現在でも、国旗掲揚、国歌斉唱で職員の起立が求められ、それに従わない職員が処分されるのは、異常なことである。
「攘夷」も日本で生き残っている。「国際競争」に勝つことが働く人の人権よりも優先されている。さらに、韓国や中国の「脅威」を誇張し、自衛隊の「軍隊」への昇格、憲法9条の改正を唱える者が、日本で政権を握っている。
私は、儀礼による統治を主張する孔子より、個人が自由に生きることの素晴らしさを語る荘子が好きだ。私は、早く、「尊皇攘夷」の亡霊を歴史の舞台から追い出したい。

[参考図書]
島薗進:「国家神道と日本人」  岩波新書、岩波書店 2010.7  ISBN:978-4-00-431259-8

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はじめまして、SPIRIT(スピリット)です。

吉田松陰については、同じ『激情家』と呼ばれている人間としては興味深いのですが。(一番好きな歴史上の人物は土方歳三なんです)
ただ、『尊皇攘夷』の思想が間違っているからと言って『佐幕開国』の思想が正しいとはとても思えないんです。それを進めた井伊直弼が暗殺された結果、幕府は公武合体という妥協案に行かざるを得なくなったわけだし、あの松下村塾から明治維新の重鎮が輩出されたわけだしね。

どんな思想も使い方次第で善にも悪にもなるというのが僕の持論ですが、僕は性悪説をとっているから、悪の方に走りやすいと踏んでいるのですが。 削除

2015/5/11(月) 午前 8:48 [ SPIRIT(スピリット) ] 返信する

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