|
全摘のメリットは再発率の低下を期待できることにありますが、生涯にわたって、甲状腺ホルモンを薬として服用しなければならないことがデメリットです。
また甲状腺の機能が低下すると、カルシウムとビタミンD3もとりつづけなければなりません。副甲状腺を三個以上摘出すると機能低下がおこるでしょう。
温存治療のメリットは甲状腺ホルモンを服用する必要がないことで、少し再発率が高くなることがデメリットとされますが、再発率はわずかの一・四%、肺などへの遠隔転移は一・二%程度しかありません。
甲状腺ガンの手術では、ほかの手術にない合併症の可能性があります。それはすぐそばにある「反回神経」とることから生じる反回神経麻痺で、このばあいは声のかすれと、水分をとったときにむせる症状がおこります。
危険性の低い乳頭ガンでも、七〜八%の確率でリンパ節転移がおこりますが心配するほどのことはなく、一センチ程度なら経過観察をすることが少なくありません。
三センチ以上になるか数がふえれば、用心のために再手術を考えたほうがいいかもしれません。甲状腺ガンには、未分化ガンにたいする「シスプラチン」と「ドキソルビシン」以外、いまだに有力な薬剤がありません。
これはとりもなおさず甲状腺ガンの多くが、生命にかかわらない病気だということのようです。甲状腺ガンの治療では東京・有明の癌研病院と、大阪府立成人病センターが知られています。
|