
☆時間の経過に伴い、忘れてしまうので勝手な感想を書いております^m^
『 月への梯子 』 樋口 有介
| ボクさんの知能は小学中程度で止まったまま。 本名は福田幸男、40歳。 今だに“ボク、ボク”というので、周囲から ボクさんと呼ばれている。 父親が亡くなった後、母がボクさんがひとり残された時の ことを考え、立ち居振る舞いや身だしなみ。 他人との接し方を異常なくらい厳しくしつけた。 おかげでみんなに親切にされ、愛されている。 金銭的な点でも、全6室のアパートと借地を 残してくれたので、その収入が十分あった。 管理人として雑用は得意のボクさんはある日 ペンキ塗りの最中、店子の蓉子が死体を カーテンの隙間から見て、梯子から落下し 4日目にやっと意識を取り戻した。 蓉子は他殺だったが、直後、残りの店子も全員 なぜか行方不明になっていた。 退院したボクさんは、今まで眠っていた脳が 急激な勢いで動きだしたのを実感。 蓉子の殺人に対して調査を始める。 調査していくうちに発覚する店子たちの衝撃の事実! えっ!っと思わせる展開に一気に読んでしまいました。 推理あり、ハードボイルドなのに、ボクさんのノンビリ感が 伝わってきて、どこか和ませる文章です。 もちろんどんでん返しのラストに、さすが〜〜! |
★今回の舞台はジャズスナックと珈琲店。そこに集う人間模様の話です★
『 ピース 』 樋口 有介
| 四方を山に囲まれた田舎町にある古いジャズスナック。 今では骨董品扱いのジュークボックスが 立派に存在感を誇示している。 そして客の一人が殺人事件の被害者となった。 平和だった田舎町でつぎつぎと起こる猟奇的殺人。 両手両足頭部がバラバラにされる残虐な手口は同じで 遺体の1部が持ち去られている。 退職を前にこの捜査に携わった老刑事は ジャズスナックで元同僚だったマスターと会う。 そしてプロとしても通用するほどの腕を持ちながら こんな店でピアノを弾く成子。 まだ20歳そこそこと思われるのに、人生を捨て 存在を消しているようなバーテン。 地元新聞社の婦人記者でスクープを狙う麻美。 捜査をしていくうちに明かされる意外な事実。 真の犯人は誰なのか?快楽殺人か怨恨か? 淡々と捜査を続ける老刑事がコロンボのような 雰囲気でおどろおどろした感じはなく 本音かウソかわからないその会話が粋です。 |
雨の匂い 樋口 有介 ☆=3.9
| 柊一は大学生。 父親は末期癌で入院。死を待つばかり。 塗装屋だった祖父は口は達者だが、ほぼ寝たきり。 母親は小学生の時に離婚してそれ以来あってない。 一人で父親を見舞い、家では祖父の食事の支度から 話し相手、身の回りの世話もきちんとしている、 いまどき珍しい好青年。 小学生の時、祖父についてペンキ塗りをしていた という理由で近所のリフォームした板塀の黒塗りの アルバイトを一人で頼まれることになった。 丁寧にモクモクと仕事をこなしながら、このまま 塗装屋になるのもいいかもと思う日々。 だが、反面、邪魔なものを排除したいのか 静かに犯罪を犯したりする。 ジメジメした梅雨の季節が感じられるが あまりに淡々とした行動と描写に恐怖はない。 |
|