All Summer Long!

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Elton John "Elton John"

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胸に熱く重い衝撃が走るのと同時に、暗闇が辺りを包み、視界が急速に狭まってくる。
両手両足は冷たく、痺れ、もはや自分のものとは思えない。喘ぐような息遣いをしているのはわかるが、それも長くは続かないだろう。
俺を見下ろしている男の姿がぼんやりと見える。手にはまだ硝煙が立ち上るベレッタM9が握られている。…糞忌々しい、俺の命を奪いつつある死の鎌だ。
「タ…」声を出そうとするが、代わりに吐き出されたのは大量の血の塊だった。おそらく弟は先程の銃撃で殺されたのだろう、倉庫の中にはふたりの男の気配しかない。そしてそのうちのひとりの鼓動は、間もなく絶たれようとしている。
奴はじっと私の顔を見つめている。が、薄暗い照明の陰になり、奴がどんな顔をしているのか見ることはできない。
――さぞかしいい気分だろう! 遂に女房と子どもの敵が討てたのだからな!!
声は出ない。ただ顔のない奴の虚像を凝視するだけだ。奴の影はぼんやりと輪郭を失い、これではどちらが死者なのかわからない。
と嘯く間もなく、一瞬全てが闇となる。


まだこの国にやってくる前、俺には素敵な恋人がいた。
天使のように無邪気で、妖精の羽根を持つ奇跡の存在。俺達は若く、夢があった。
夜になると、俺は彼女の為にピアノを弾いてやった。


これは君の為の歌 みんなに言いふらしたっていい
シンプルな歌だけど ようやく出来たんだ
ちゃんと言葉にして伝えたいんだ いいかな?
君がいる世界が 何て素晴らしいのかということを


しかし俺は彼女よりも自らの野望を選んだ。その先には名声と、金と、権力が満ち溢れていたのだ。
俺は境界を越えた。振り返ることなく。

――闇が晴れた。
俺は16の野心に動かされた若造ではなく、冷えたコンクリートの床で死につつある王に戻っていた。
まっすぐ、銃口が俺の額に向けられている。
ふと、あのメロディが頭を過ぎった。そして微かに火花が飛んだ刹那、完全な闇が舞い降りた。


How wonderful life is while you're in the world…

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'Your song'の印象があまりにも強かったので勘違いしていましたが、このアルバムはセルフ・タイトルなんですね! 恥ずかしい。訂正しておきます。

2005/11/24(木) 午前 3:36 あっしー

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