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後藤ひろひと OFFICAL SITE ひろぐ

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♪お〜らが〜ふ〜るさ〜と山形の〜 

私の生まれ故郷である山形で
故・伴淳三郎氏が歌うこのアジャパー歌を知らない人はいない!
これは「おしどりミルクケーキ」のCMソングだ!
山形ではたいていの家庭のお菓子鉢に入っている!
私も子供の頃にはよくバリバリ食べたものである!

そんな私のあたたかいふるさと想い出話に
「なに?バリバリ食べただと?」
とけちをつける人も多いかもしれない!
山形以外の人がこの「おしどりミルクケーキ」を見た時
必ず言う言葉がある!
「ケーキじゃないじゃん!」
その通り!
世間一般がケーキと呼んでいる食べ物とは
明らかに違う!
「おしどりミルクケーキ」は板状のお菓子で
縦でスナップをきかせておでこを打たれたら
かなりダメージを食らうほどカチカチの物である!
ぺろぺろなめるか
バリバリ噛むかの
実にハードなお菓子だ!

しかし別に私は構わない!
山形以外の人達が「ケーキじゃない!」と言い張っても
「おしどりミルクケーキ」は山形の永遠のお菓子だ!
気に入らないならばさっさとケーキ屋に行くがいい!
なんでも好きなやわいのを買って食べるがいい!
「ガチガチでもケーキ」という広い心を持った山形県民は
そんな他府県の意見には決して動じる事はないのだ!

フィル・タッカー監督による1953年の作品
『ロボット・モンスター』は
正常な感性の持ち主であれば
まず納得がいかない映画である!

洞窟で水鉄砲遊びをしている少年少女から話は始まるのだが
気がつけば人類は全滅!
いきなり全滅である!
残されたのは少年の家族だけという事には
何の説明もない!
地球人を全滅させたのは宇宙からの侵略者!
さてその侵略者が問題だ!

「Ro-Man」と名乗るその侵略者は
ゴリラの着ぐるみに潜水ヘルメットをかぶった物!
どうしよう?
どうやらこれを『ロボット・モンスター』として見続けなければいけない!
観客はいきなりとんでもない気まずさに突き落とされる!
ロボットらしさもモンスターらしさも
どこにも無い!
しかし『ロボット・モンスター』は
日本の映画配給会社が勝手に名付けた邦題ではない!
原題が『Robot Monster』なのだ!

そうして始まるあちゃらか茶番!
意味不明な台詞と展開!
「Ro-Man」と宇宙船にいるそのボスとが
たびたび交わす無線連絡を聞く限りは
どう計算しても生き残った地球人の数が合わない!
まさに「数のマジック」!
クライマックス・シーンは全部よその映画!
突然始まるよその映画の恐竜格闘シーンに
観客は思わず顔を赤らめる!
遂に迎える衝撃のラストシーンは
脚本家に5円玉を渡す価値もない!

完璧だ!
隅から隅までがゴミだ!
どこをどうスライスしても
なんらかの神経症を患った人が作った物としか思えない!
もしくはショッカーに家族を誘拐され
「世間からものすごく見下げられろ!」
と脅迫されて作った物にも見える!
しかしここまでマイナス点を加算されると
それはそれで「偉業」だ!
「偉業」に反意語などないが
もしも「愚業」という言葉があるのならば
この作品は「歴史的愚業」と言えるだろう!
「ガチガチでもケーキ」な広い心の私にとっては
潜水ゴリラが「ロボット・モンスター」であっても
なんの憤りも感じない!
むしろ心地いいぐらいだ!

面白い脚本を書こうと考えて日々を生きるその反動なのか
私は年に2回ほどこの映画をひろぎたくなる!
このおたんちんな作品を見ると
実に心が安まるり
「せめて私は面白い物を作るべきだ!」
という活力が養われるのだ!

「世界最低映画賞」と呼ばれる
「ゴールデン・ターキー賞」において
"Most Ridiculous Movie Monster"
つまりは
「最バカ映画怪獣」部門を受賞した『ロボット・モンスター』!
これまで日本でソフト化され販売された事実は
ビデオ時代までさかのぼってもない!
当然だ!
こんな物を売ろうと思うのは
新世界ジャンジャン横丁のガード下にいる露天商ぐらいだ!
ところが!
この『ロボット・モンスター』を日本でDVD化したバカがいる!
私が株を買い占めたいぐらい大好きなDVDレーベル
WHD」はどこまでも大バカな会社だ!
商売人としてはジャンジャン横丁の露天商以下だ!
そんなバカ会社を私がほったらかすわけにはいかない!
このほどWHDの『ロボット・モンスター』が
急遽、私の解説文付で再発される運びとなったのだ!

嫌いな奴がいたら誕生日プレゼントに贈ろう!
きっとそいつもあなたを嫌いになるはずだ!
別れたい彼がいたら「私の好きな映画」として紹介しよう!
間違いなくあなたから離れて行くだろう!
そしてなによりも
昨年この『ひろぐ』を始めてから
常にファン・メールで話題の中心となっている
「ひろぐ」という言葉の意味が
この映画には散りばめられている!
私はこの映画を見るたびに
いつも8回〜12回ひろぐのだよ!

昨年のPiper作品
『ベントラー・ベントラー・ベントラー』において
私が衣装としてかぶったヘルメットは
実は『ロボット・モンスター』に主演する
「Ro-Man」のレプリカである!
一本作品を上演するたびに
毎回なにか一つの小道具を記念に持ち帰る私は
迷う事なくこの「Ro-Manヘルメット」を頂戴した!
春が来たら花粉のひどい日にかぶろうと思う!
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