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後藤ひろひと OFFICAL SITE ひろぐ

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昨晩は伊丹AI HALLに
「スイス銀行」の旗揚げ作品
『地球のみなさん、悪く思わないでください』
を観に行った!
女優の島田「しまぴょん」典子と会うのも
とんでもなく久しぶりならば
元MOTHERの久野麻子が
女優として舞台で演技する姿を見るのも
なぜかとんでもなく久しぶりだった!
作品の演出をつとめた上で
途中に「もそーっ」と登場する蟷螂襲氏も
会うのは実に久々だった!
客席には桂九雀氏や鍋島浩氏など
私がまだ関西の演劇界でぺーぺーだった頃に
ずいぶんとお世話になった人達!
そしてなによりもAI HALLという劇場自体が
私には懐かしかった!
たまたま後ろの席に座っていた
未来探偵社の隈本晃俊氏と
「そうそう!
 遊気舎で一緒に『ダブリンの鐘つきカビ人間』を上演したのも
 この劇場でしたねぇ!」
と13年前を懐かしんだ!
あの作品の「市長」は池田成志の怪演でも有名だが
そもそもは隈本氏のために書いた脚本だったのだ!

20年以上も大阪を離れずに暮らしているはずなのに
大阪の演劇関係者からはよく
「えーっ?
 後藤さんって大阪に住んでるんですか?」
と驚かれる!
私は大阪に住み劇作家業を営みながらも
よほど関西演劇界に深入りせずに暮らしていたのだなぁ
と感じた!

その代わりなのかどうかはわからないが
私には福岡にも広島にも
名古屋にも仙台にも
舞台俳優である友人が多い!
もちろん実家である山形にも俳優仲間がいる!
そんな一人が昨日の『ひろぐ』でも紹介した
劇団「楽天夢座」の「浅倉かおり」嬢だ!

女優として生計の立てにくい山形という土地で
彼女はコピーライターや広告デザイナーとしても活躍している!
そして更にはラジオのDJをもこなし
昨年に映画館「山形ソラリス」で開催された
私のトークショーwith『パコと魔法の絵本』上映会では
司会者として私のトーク相手になってくれた!
まさに「才女」なイメージを持つ
なんともかわいらしい女性だ!

「今、山形新幹線で何の用事もなく山形に向かってます!」

というメールを彼女に送ると

「んじゃ明日のお昼に私のラジオに出て!」

と返事が返って来た!
どのみち山形滞在中には彼女と会って
あれこれおしゃべりして遊ぶつもりだったので
その場所が飲み屋になろうがスタジオになろうが
私にはまったく問題はなかった!
しかもスタジオの場所は
実家から自転車で5分ほどの位置にある!
私はのんびりと自転車にまたがり
山形バイパスをのらりくらりと南下して
「青春通り」なる正式名称を持つ
なんとも照れくさい坂道を昇って
vigo FMまでたどり着いたのだった!

知り合ってしばらくしてから知ったのだが
浅倉かおり嬢は実を言うと
私の兄「よっと」の同級生だった!
私の作品『みんな昔はリーだった』
ネプチューンのホリケンが演じた「よっと」は
兄「よっと」の実像に限りなく迫ったものだった!

「よっと君はとっても優しかったですよ!」

と語る浅倉かおり嬢!
なにぃ?
「よっと」は私に優しくしてくれた事など一度もない!
ジャッキー・チェン世代の私が酔拳で挑んでいるのに
ブルース・リーが発案した実戦格闘技「ジー・クン・ドー」の
しかもグーによる正拳突きで
がっこんがっこんに殴って来たのが「よっと」だ!
私の足にダーツの矢を立てたのも「よっと」なら
ジャイアント・スイングで茶の間のテーブルの脚に私の頭を打ち付け
流血による無効試合を行わせた対戦相手も「よっと」だった!
なるほど!
「よっと」は女の子にだけは優しかったようだ!

実に楽しくラジオの生放送を終えると
浅倉かおり嬢は
「西蔵王でおそばでも食べませんか?」
と聞いてくれた!
あまりに素敵なお誘いだったので
私はvigo FMの駐車場に自転車を置いて
彼女の所有するかわいらしい軽自動車に乗り込んだ!
「『三百坊』ってお店が絶対おすすめなんです!」
ただでさえソバ好きの私だ!
ソバどころ山形のおすすめのソバ屋となれば
さぞやおいしい事だろう!
何百坊でも構わない!
私の心のソバの鐘は高鳴った!

vigo FMから15分も車で走れば
「西蔵王公園」に到着する!
広々とした山上の公園で
多くの家族が快晴の下
お弁当などを食べる素敵な光景を見た!
しかしそんな公園を外れたところで
浅倉かおり嬢は車を止めた!
何も言わずなにやら悩み始めた!
そしてあろう事かこう言った!

「ここどこでしょう?」

知るもんか!
久しぶりに帰郷し
運転免許も持たない私には
「西蔵王公園」などという公園すら
見た事もない場所なのだ!

浅倉かおり嬢はネットで打ち出した地図を広げ
「ちょっと戻りますね・・・。」
と言って車の向きを変えた!

戻ること数分!

「ん?
 こんなとこ通りました?」

なぜ私に聞く?
ハンドルを握る片手に地図を持っているのはあんたじゃないか!

「間違えました!
 戻りますね!」

またしても車の向きを変えて戻ろうとする彼女だったが
いかに免許を持たない私でも
「一方通行」の標識はわかる!
細い細い道をかまわず進むと
正面から「西蔵王公園」のパトロール車が現れ
我々を押し戻した!
警察車両ではないので罰金を取られる事はないのだが
それでも同乗した私はちょいと反省した!
なのにだ!
浅倉かおり嬢はこう言ったのだ!

「助かった!」

なんと彼女は逆走を注意するパトロール車の運転手に対し
「『三百坊』はどこにある?」
といった質問を始めたのだ!

丁寧に『三百坊』への道を説明してくれる彼に
浅倉かおり嬢は
「うん!うん!あーなるほど!」
などと理解の早いうなづきを見せ
やがて再出発!
「あー!この道曲がったのかいけなかったんだ!」
などと軽い反省を語りながら走り続ける事15分!

「んで?『三百坊』はどこって言ってましたっけ?」

知らーん!
説明を聞いたのはあんたじゃないか!
私はこの辺りから心の中で彼女を
「浅倉」か「かおり」か「こいつ」と呼び始めていた!

「ねぇねぇ大王!
 この『大山桜』ってお店もおいしいんですよ!」

もういい!
わかった!
どこでもいいから何か食べさせてくれ!
朝から何も食べてないのだよ私は!

そんなわけで『大山桜』というお店でソバをいただく!
いやいや!
これはまた絶品なソバだった!
2枚盛りを頼んだのに
更に2枚を追加注文してしまった!

「世界中の人間がおなかいっぱいだとしたら
 戦争など決して起こらない!」

これは私の哲学「ひろソフィー」の一節である!
絶品なソバでおなかがいっぱいになったら
私の彼女に対する信頼は
「かおりちゃん」と呼ぶほどまで回復していた!

「今の看板見ました?
 『ふれ愛の森ロッキー』ですって!
 行ってみません?」

ひょっとしたら老人ホームかもしれないネーミングだったが
何なのか確認したくなるのは私の性分だ!
さっそく我々は『ふれ愛の森ロッキー』へ向かった!
到着してみるとそこは
あまりにも寂しい山中だった!
売店はおろか自動販売機もない!
埋もれるように建てられた丸木の看板の地図には
「ロッキーのいる森」
などと描かれている!
なんだロッキー?
普通そんな場所のそんな看板ならば
「ロッキー」のイラストが描かれ
吹き出しの中には
「ボクに会いにおいでよ!」
などと書かれているものである!
しかし!
何のヒントもない!
「樹齢150年の木」とか
「見晴らし台」といった
行けばわかるような物ばかりが
むやみにリアルなタッチのイラストで描かれ
「ロッキー」が何だかに関してはノー・ヒントだ!
「ロッキー」が動物なのか?
はたまたスタローンなのか木之元亮なのか?
まるでわからない!
私達が取るべき道は一つ!
「ロッキーのいる森」と書かれた山道を歩く事だった!

つらかった!
上へ登るほど大木は生い茂り
辺りは薄暗くなっていった!
私は時々周囲に向かって「ロッキー」を呼んでみた!
木が密集しているため
こだまも返って来なかった!
「ロッキーのいる森」は
間違いなく「ロッキーなどいない森」だった!
ひょっとしてこれは浅倉かおり嬢が私を山中に誘い込み
殺そうと企てたのではないかという不信感が生まれ
私の心はまたしても彼女を「こいつ」と呼び始めた!

「もうやだ!」

立ち上がる事を覚えてすぐに言えるようになった
このシンプルな日本語で「ロッキー探査」は終了した!
ついぞ「ロッキー」の正体がわからなかった上に
なににも「ふれ愛」する事ができなかった謎の森!
大自然の中の悶々とした空気を吸い込み
我々は『ふれ愛の森ロッキー』を後にした!
なんだか「こいつ」じゃない人が恋しくなったので
私は帰る事を主張した!
「こいつ」は『ふれ愛の森ロッキー』の感想を語りながら
来た道とは違う景色のいい道路を
人里に向けて車を走らせた!
なのにだ!!
ずいぶんと走った後にだ!

「あれ?
 ここって来た道じゃないと思いません?」

知ってたよ!
わかってたよ!
わざとだと思ってたよ!
私は彼女を面と向かって「テメエ」と呼び始めていた!

「テメエの土地勘は観光客以下だよ!」

我々は山の合間に街が見える方向に
とにかく進んだ!
私は次第に見えて来る街の景色の中に
青葉城や「がっかり中山観音像」が見えて来ない事を祈った!
もし見えたらそこは宮城県だ!

「よかったー!
 これ山形ですよね!
 芸工大(東北芸術工科大学)見ます?」

私が大阪に来てから出来た芸工大は
出発地点のvigo FMから歩いても10分かからない場所だ!
私は苦難の旅が終わるのを予感し
安堵しながら芸工大に行く事を承諾した!
窓の外は住宅地!
無駄な登山で疲れ果てた私は
少々まどろみ始めた!
しかし「このバカ」は私に睡眠など許しはしない!

「えーっと・・・これは?
 どこですか?」

もしも乗っている車が
ジェームズ・ボンド仕様のアストンマーチンだったら
私は自分でボタンを押して
椅子ごと天井を突き破って飛んでいただろう!
「このスカポンタン」はなんと
職場から歩いて10分の場所にたどり着けなくなっていたのだ!

もう降りる!
歩いて帰る!
いや!
帰れなくてもいいから
なにしろあんたの車に乗っていたくない!
私がゴネ始めたそんな時!

「あーっ!
 見て見て!
 芸工大だーっ!」

なぜだ?
あんたは毎日見てる場所だろ?
見て驚くのは22年大阪に住んでいる私の方だろ!
なぜにあんたがそんなに喜べるんだ?

かくしてvigo FMから自転車にまたがり
道に迷う事なく実家に帰った私!
「ラジオ聞いてたよ!
 おもしろかったよ!」
とほめてくれるママにも
うまく返事ができず
ひたすらため息をついているうちに
茶の間で気絶するように眠っていた!
当然あまりいい夢は見なかったが
浅倉かおりと車に乗っていた現実よりは
よっぽどマシだった!

彼女のブログを読んで欲しい!
全く同じ時間を表現しているのだが
ずいぶんとととらえ方が違う!
常人の理解を越えた人を
「おめでたい奴」
と呼ぶ理由が
彼女を見ているとよくわかる!

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