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後藤ひろひと OFFICAL SITE ひろぐ

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「UFC」とは
「Ultimate Fighting Championship(究極格闘技選手権)」の略である!
かの柔術一家「グレイシー一族」によって生み出された格闘技形式で
八角形の金網で囲ったリングの中で闘われる大会だ!
殴る蹴るはもちろん
首を締める
寝ている相手の顔に肘を落とすなども反則ではない!
月に一度アメリカで行われるこの大会は
常にチケットを完売する!
日本でもその人気は高く
格闘技ファンでこの「UFC」を知らない人はいない!
かく言う私も「UFC」の大ファンである!
そんなわけで数年前に「カミさん」「ハワイ」に行った際
いわゆる「帽子」屋さんに入店し
私は「UFC」のキャップを購入した!
そのキャップは私のお気に入りの物であり
これまで『ひろぐ』に掲載した写真の多くに
私はそれをかぶって写っている!
「上野」「ボート」を漕ぐ時も
「宝塚歌劇」を観劇する時も
「城崎温泉」で文豪を気取る時も
「柳家小菊」姉さんに恋をした時も
いつだって「UFC」キャップをかぶっていた!
昨日の『ひろぐ』記事でも
私はそのキャップをかぶって
「広島」をひろいでいるのがおわかりいただけよう!

イメージ 1

いよいよ最後の上演となる
「広島」での『ニッポン無責任新世代』
「楽屋」で私と並んで座っていたのは
「すすむちゃん」こと「黒部進」氏であった!
名残を惜しみつつ
最後の舞台を大切にしようと
私がいつになく静かにたたずんでいると
「すすむちゃん」が私に声をかけて来た!

「大王のその帽子はいいですねぇ!」

意外な一言だった!
私はこれまで何度もその「UFC」キャップをかぶって
「稽古場」にも通ったし
本番中の劇場にも通った!
最後の最後になって「楽屋」で「帽子」を褒められた事に対し
私は多分に躊躇した!
しかしここは素直にお礼を言うべきだ!

「ありがとうございます!
 何年も前にハワイで買ったんですよ!
 格闘技の大会のキャップなんです!」

すると「すすむちゃん」は
”そりゃ洒落てるわけだ”
というようなあまり根拠のない感想を語った!
そして再開した!

「いいですねぇ!
 その帽子はいいですねぇ!」

なんだか「すすむちゃん」の様子がおかしい!

「うん!
 いいですよその帽子は!
 その帽子はいいですよ!」

どうしたのだ?
単語がひっくり返ったり助詞が若干変わるだけで
話している内容はまったく変わらない!

「いいなぁその帽子!
 それはいい帽子です!」

やがてそんな中に時々違う文が挟まり始めた!

「今日でお別れかぁ!」

そしてまた始まる!

「いい帽子だなぁ!
 いい帽子ですよそれは!
 あぁお別れだなぁ!
 その帽子いいなぁ!」

え?
なに?
欲しいの?

「いやいや!
 それだけいい帽子なら大切な物でしょう!
 けどお別れだもんなぁ!」

素敵な人だ!
ほれぼれしてしまう!
71歳になってこういう物の言い方ができるというのは
素敵な人である証だ!
確かに「UFC」キャップは私が大切にしていた物である!
しかし!
私に「流星マーク」をプレゼントしてくれた「ハヤタ隊員」
ここまでねじくれたおねだりをしていると言うのならば
私はそれに応えないわけにはいかない!

「わかりました!
 今日までのお礼に差し上げます!」

私は大笑いしながら「UFC」キャップを進呈した!
惜しいなどとは決して思わなかった!
むしろ嬉しかった!
なにしろ「すすむちゃん」は
大喜びでキャップを受け取り
すぐにかぶっては鏡を覗き
角度などを変えてかぶり方の研究を始めたのだ!
ただ単に最終公演だからという勢いで言い出した事ではなく
本当に私の「UFC」キャップを気に入っての事だったのだ!

前日「あたるちゃん」こと「中村中」ちゃんの
行きつけの「お好み焼き」屋さんで全員がもらった
お店のスタッフTシャツを
おそろいで着ている私と「すすむちゃん」!
その二人の姿はなんだか
現在はトレーナーを務める往年の名選手と
40歳を越えてカムバックを狙う
かつての暴れん坊選手のようではないか!

イメージ 2

かくして一同は最終公演に臨んだ!
「広島」のお客さんは熱かった!
見て欲しい全ての部分に反応してくれた!
そして私が込めた沢山の想いを
全て受け止めてくれたように感じた!
私は今回のこの作品を
間違っても傑作とは思っていない!
だが言葉を選び
展開のパズルに頭を揺らし
書き換えで何度も行きつ戻りつしながら
今の日本に語りかけたい心を全て埋め込んだ作品だった!
「がんばれ」とかいう不気味な言葉を決して使わず
何をどうして行く事が
今のこの国にいち早く幸せをもたらせるのかを
私なりの順序で脚本にしてみた!
そこにスタッフとキャストが
多くの力を貸してくれたからこそ完成した作品だった!
これまで書いたどの作品も大切ではあるが
この作品は「私が今やるべき事」を
私自身に教えてくれた
特別大切な作品となったのだ!

「カーテンコール」で私は
「たいぞう君」こと「原田泰造」君と握手を交わし
そして彼を抱きしめた!
そして彼に言った!

「ありがとう!」

彼は”ありがとうございます!”と私の耳元でささやいた!
抱擁を解くと
彼の目は涙ぐんでいた!
だめだめ!
「コメディアン」「泣いてはいけない」のだ!

やがて一同は「楽屋」の荷物をまとめ
指示された打ち上げ会場へと向かった!
セットの解体作業も早々に終わったらしく
スタッフメンバーもたいそう早くに到着した!
するとそこは総勢50人程の
大変な騒ぎとなった!

ふと見ればそんな打ち上げ会場の中でも
「すすむちゃん」はしっかりと
「UFC」キャップをかぶってくれていた!
誰かに尋ねられるたびに
”大王からもらった!”
と自慢してくれていた!
嬉しかった!

しかし!

私は翌日を過ごす事を思い出した!
みんなは早朝の飛行機で「東京」に帰るのだが
私はそうではない!
そう!
またしても自腹でホテルを予約し
「広島」にもう一泊してひろぐのだ!
炎天下の中をもっともっとひろぐのだ!
なのに「帽子」を失ったのだ!
私は目の前に座る「帽子」をかぶった人物に言った!

「たいぞう君!」

「はいなんすか?」

「今君がかぶってるその帽子を俺におくれ!」

私の突然の願いに
もっと躊躇するかと思ったのだが
意外にも「たいぞう君」は即答した!

「いいっすよ!」

「たいぞう君」はかぶっていた黒いキャップを脱いで
私に差し出した!
私はそれを受け取りかぶった!
そして頂戴してから理由を話した!

「ああ!
 そういう事っすか!」

「たいぞう君」は
演じた主人公「百均(くだら・ひとし)」のように
豪快に笑った!
私はそんな「たいぞう君」に言葉を付け加えた!

「たいぞう君も誰かから帽子をもらうといいよ!
 今日はそれを断っちゃいけない日みたいだから!」

「たいぞう君」は周囲を見渡した!
そして「あたるちゃん」に言った!

「あたるちゃんその帽子ちょうだいよ!」

それはつばの短い麦わら帽子だった!
なんだか楽しくなって来たのか
「あたるちゃん」もすぐにその所有権を譲渡した!
女の子用のかわいらしい麦わら帽子だったのだが
「たいぞう君」がつばを軽く折り返すと
格好のいいパナマ帽のようになった!

「そんじゃあたしにそれちょうだい!」

「あたるちゃん」が目をつけたのは
「チャイナマン」こと「伊藤正之」氏の
あの「ハンチング帽」だった!
めがねとセットで「チャイナマン」のトレードマークだった
あの「ハンチング帽」!
「チャイナマン」は”汚いから!”という理由でずいぶん拒否したのだが
甘え上手な「あたるちゃん」にはかなわない!
結局「あたるちゃん」は「チャイナマン」の「ハンチング帽」を
見事手にしたのであった!

そこから先がどうなったのか
私はよく知らない!
なんだか「帽子」を交換するゲームのような世界だった!
「ルイス・キャロル」が生んだ
「いかれ帽子屋」が催す宴会のようだった!
このゲームは禁断の遊戯だ!
冷静に考えれば
人数よりも「帽子」が1つ少ないのだから
無限に続く構造となっているのだ!

翌朝目覚めてみると
私の手元にあったのは
「たいぞう君」からもらった「帽子」のままだった!
どうやら2周目は無かったようである!
ホテルのベッドに埋め込まれた時計を見て
私はなんだかしょんぼりした!
もうみんな「東京」へ向けて
ホテルを出発している時間だったからだ!
今もまだホテルにいるのは
どうやら私一人だけだった!

2ヶ月以上続いた「パーティ」が終わった!
最高に楽しい時間だった!
関わってくれたキャストとスタッフ!
そして見に来てくれたお客さんに
心からありがとうと言いたい!
私はベッドの上で携帯電話を操作した!
日頃連絡を取る回数が多かったため
アドレス帳の中に
『ニッポン無責任新世代』
というグループを作成していた!
私はごろごろしながら
そのグループの削除作業を行った!

「削除しますか?
 はい
 いいえ」

私は「はい」というボタンを押した!
これがいつもの私の公演終了の合図なのである!

さーて!
私は次の作品に向けて
またじっくりとひろごうと思う!
そりゃそうだ!
なにしろ一人取り残された「広島」で
「たいぞう君」からもらった「帽子」をかぶり
もう一泊遊ぶのだから!

イメージ 3

『ニッポン無責任新世代』の感想は
Piperホームページ内の掲示板(BBS)に設置された
「『ニッポン無責任新世代』ネタバレボード」にて
まだまだ募集しています!
「ネタバレボード」とは言いながら
上演は終了し
テレビ放映やDVD発売もないこの公演なので
私はここにすさまじい「ネタバレ」を行います!
見に来た「カミさん」が唯一褒めた
「バレー部員」
と呼ばれるシーンに登場する
「先輩」の勇姿です!
「自分で書いて自分で演出する舞台に
 この格好で出演しようとする人は
 重い変態です!」
という観劇者からの評判に酔っています!

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