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大腸菌による食中毒のニュースとちょっと難しい菌の話し

今、問題になっている大腸菌食中毒について触れておきます。
食中毒に関する情報.厚生労働省HP

焼き肉チェーン店で集団食中毒・ユッケが原因か!

焼き肉チェーン『焼肉酒家(ざかや)えびす』で集団食中毒が発生。
富山県は4月29日、同県砺波市の砺波店で食事した10歳未満の男児が死亡したと発表した。
男児から腸管出血性大腸菌O111が検出された。
他にも同じ店で食事した5人が重症でいずれもユッケが原因とみられる。

男児は21日夜に父親と食事をしたが、24日から嘔吐などの症状が現れ、29日、入院先の病院で死亡。
同店で21〜23日、食事をした計24人が嘔吐などの症状を訴え、県は3日間の営業停止処分にしていた。
同県高岡市の系列店でも、ユッケを食べた男性2人が重症になっているという。

横浜市は、横浜上白根店で食事後、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して入院している市内の女性(19歳)の血液から、腸管出血性大腸菌O(オー)111の抗体が検出されたと発表した。
横浜市によると、女性は4月19日に横浜上白根店でユッケなどを食べ、同25日に入院し、HUSと診断された。
市が国立感染症研究所に依頼していた血液検査の結果、O111の抗体が検出された。
女性は依然として意識がはっきりしない状態で重症。富山、福井の両県で検出されているO111と遺伝子型が一致するか、同市衛生研究所で引き続き調査している。

また、藤沢湘南台店(神奈川県藤沢市)で4月25日に食事をした横浜市内の10代の男性が下痢の症状を訴えていたことが、横浜市の調査で新たに判明した。男性は軽症。
これまでに、横浜上白根店と藤沢湘南台店を利用した客で腹痛や下痢などの症状を訴えているのは、重症1人を含む7人となった。

北陸3県と神奈川県の20店舗のうち、3日までに合わせて6店の利用客が食中毒症状を訴えている。

(↓ユッケは好物だけに心が痛い・・・・)
イメージ 5


腸内細菌と大腸菌

大腸菌(E.coli=通称イーコリ)は人の腸管に生息する『常在菌』、腸内細菌の一種です。
この腸内細菌(科)には、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、肺炎桿菌、シトロバクター、セラチア、ペスト菌、プロテウス、なとが分類されています。

この中で食べる(経口感染)ことにより人に食中毒を起こすものと、そうでないものがあります。
サルモネラ菌や一部の大腸菌が有名ですが、赤痢菌(シゲラ)、セラチア(冷蔵庫の中でも生息できる)、ペスト菌(病原性が強いが現在は無い)、が揚げられます。

今回問題となっている大腸菌は常在菌として日頃から生息しそのほとんどが無害ですが、食中毒を起こすような菌は、とくに『病原性大腸菌』と呼ばれています。

(↓写真はグラム染色で赤く染まった腸内細菌群.×1000倍)
イメージ 1


病原性大腸菌とは?

大腸菌は鞭毛をもつグラム陰性の桿菌(グラム染色すると赤く染まる細長い菌)で、O抗原(細胞壁由来)と、H抗原(鞭毛由来)があります。
このうち、O抗原は200種類ほどが発見されており、例えば157番目の抗血清に凝集するのは、O−157(オーイチゴーナナ)という。
問題となることが多いのは、O−1.6.18.25.111.157。

(↓写真は培養で発育した大腸菌。専用培地上で大腸菌は赤いコロニーを示す)
イメージ 2


病原性大腸菌は4つに分類されます

病院や保健所で便の培養検査を行うのが通例ですが、更に大腸菌菌の血清学的検査により以下の4パターンに分かれます(以下引用)。

…牡表亰貔大腸菌(EHEC, enterohemorrhagic E. coli)
腹痛、下痢、血便、ベロ(Vero)毒素産生により小児などは二次的に溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす。
O−157など。

腸管病原性大腸菌(EPEC, enteropathogenic E. coli)
小腸に感染して下痢、腹痛等急性胃腸炎をおこす。

D牡豹入性大腸菌(EIEC, enteroinvasive E. coli)
大腸に感染して赤痢様の症状をおこす。

て覗埜鏡大腸菌(ETEC, enterotoxigenic E. coli)
小腸に感染し下痢をおこす。増殖の際、毒素を産生する。

(↓写真はベロ毒素検査で陽性になったО−157の例。毒素があるとTのところにライン線が出現・・・)
イメージ 4


原因について

当然ながら『生肉』の表面についていた大腸菌を摂取したことが原因です。
菌は加熱することで容易に死滅(75度なら1分とされる)します。
多くの薬剤に感受性ですが、被験者が小児や体力の無い場合は薬を飲んでも症状が緩和しないケースもあります。
また、日本は『衛生的になりすぎている』ことが原因の1つともいえます。
何でも消毒して清潔にしすぎるので、菌に対する抵抗力や免疫が無い人が増えています。

(↓写真はグラム染色で赤く染まった大腸菌の顕微鏡写真.×1000倍)
イメージ 3


予 防

現在は病気はなってから治療するのではなく、『予防する時代』です(予防医学)。

\呼を普段から避ける。動物の腸管や内臓は汚染されていることがあります。
肉はよく加熱したものを食べる。ユッケ、レバ刺し、鶏刺し、などはとくに注意。
生肉は実績ある専門店で食べるようにする。
せ匐,紡膺佑汎韻舷事をさせない(親にも責任があります)。
グ食店は生肉を扱う専用の包丁とまな板を用意し、消毒をこまめにする。
Π造づ垢任琉食を控える。安心安全は決して安くない。安いにはカラクリがある。

同じように刺身を食べた場合は腸炎ビブリオ菌に、鶏刺しはキャンピロバクター菌に感染する可能性があります!何を選択するか消費者側にも責任があります。


【追記】 飲食店従業員の検便検査について


食品従業者について月1回の定期検査の実施が求められています。

検査項目は、
大腸菌 (O-26.O-111.O-128.O-157.など)
赤痢菌、サルモネラ菌
腸炎ビブリオ菌
キャンピロバクター菌
ノロウイルス (冬季のみ推奨されるようになった)

目的は二次感染と提供する食品への病原微生物の汚染を防止するためです。
調理に携わる者(シェフや調理師)が陽性になった場合は出勤停止して治療し、陰性化するまで復帰できません。

検査は社費(経営者サイド)で行い、治療(通院)は個人が負担するのが通例のようです。
これを怠って食中毒を発生させたら即刻、営業停となります。

残念なことに、この検査を怠っている飲食店が多数あります。検査費をケチって安全管理をおろそかにしている店は見つけ次第通報いたします!

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閉じる コメント(4)

私は生ものが苦手なのでユッケとかレバ刺しは頼みませんが、このような事件は外食好きとして心配です。高いお店=安全とは限らないけどあんまり安いのは逆に気持ち悪いですね。

2011/5/6(金) 午前 6:24 [ yuk**2252*00200* ] 返信する

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三毛猫 さん
私は食材はナマが1番おいしいと思ってます。
おっしゃるとおりで消費者は店を信用するしかありません。

2011/5/6(金) 午前 8:09 グルメファイター 返信する

アバター

ぉはよぉございます♪

残念です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2011/5/7(土) 午前 11:51 奈々 返信する

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奈々 さん
日本には、多くの食ブロガーや評論家とやらがいますが、
食中毒までフォローできるのは私くらいじゃないでしょうか。
フードアナリストなんて持ってても何の役にも立ちません。

2011/5/7(土) 午後 9:44 グルメファイター 返信する

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