久しぶりに録音の比較をやってみました
曲目はブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」
以前はブルックナーをよく聴いていたのですが60を過ぎてからは根気がなくなりあまり聴かなくなってしまいました
今回「ロマンティック」にしたのは好きな曲というわけではなくて、なんとなくです
なお当然ながらこんな長い曲を全部聴く、それも三つもなんてとても出来ませんから3楽章のスケルツォをメインのちょい聴きです
録音の傾向はほんの少し聴けばだいたい掴めるものです
CDの場合は掛け替える必要があるのでリモコンで各演奏を簡単に素早く呼び出せるファイル再生で聴くことにしました。
パソコンに保存してあるそれぞれのファイルをUSBのコピーしてハードディスクプレーヤーの端子に差し込むだけ。これで簡単に聴き比べが出来ます。
まず
リッカルド・ムーティ指揮
ベルリン・フィルハーモニー,1985年の録音
これはもう随分前、激安ボックスが出始めた頃でしょうか、ブルックナーの交響曲のセットで値段の安さにつられて買ったものです
他には
マゼール/ベルリン・フィルハーモニーで交響曲第7番と8番
テイト/ロッテルダム・フィルハーモニーで交響曲第3番がはいっています
これは特に欲しくて買ったものではないのでちょい聴きして放りっぱなしだったものです
多分音が良ければそんなことはなかったとおもうのですが(^^ゞ
で、ムーティの「ロマンティック」ですが
酷い録音です。とても1985年の録音とは思えないお粗末さ
広がりや奥行きもなく中央に固まった音塊はまるでモノラル録音のようで全奏でエコーがワァーと広がるくらい
これで音の鮮度などが良ければ救われるのですが霞がかったようなモヤモヤで潤いがなくてパサパサ。いくらブルックナーとはいえ音まで原始林のなかで聴くようで好みにはほど遠いもので二度と取り出すことはないでしょう
お次は同じEMIのヨッフムのBOXから
オイゲン・ヨッフム指揮
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、1975年の録音
ヨッフムのブルックナーは定評のあるものだしドレスデンの響きが美しいとの評も目にしていたので購入したのですが・・・
これもムーティと同じEMIサウンド。傾向はムーティ盤とほぼ同じですが弦の滑らかさは多少はましで広がりや奥行きが出るのがせめてもの慰め
ただホルンが奥行きを伴っていい感じに鳴ると思うとトランペットは一番前にせり出してくる不自然さがなんともでこれもこれもお蔵入りに決定
最後もEMI
オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団
これはEMIとは思えない見事な
1965年の録音
弦は厚みがあってしなやか。奥行きも十分だし左右はスピーカーの外まで広がる素晴らしいもの
高さも出て長岡鉄男氏流でいうと三次元的定位。
これを聴いてると後に録音されたムーティやヨッフムはいったいなんなんだ、と。
音の鮮度も高く、音楽が生きていて聞き惚れてしまいました
という訳で簡単な聴き比べをしてみたのです図らずも10年おきの録音の比較にもなってしまいました。
そして古いものほど音質が良いという皮肉な結果になりました。
機材や方式ではなくて録音技師のセンス次第のようです
当記事はパスピエのオーディオ環境によるパスピエの主観によりもので
環境や嗜好が違えばまったく別の結果になることをお断りしておきます