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書庫モーツァルトのヴァイオリン・ソナ

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先日はワルター・クリーンによるモーツァルトのピアノ・ソナタを取り上げましたが再びクリーンのモーツァルトを。
ただし、今回はピアノ・ソナタではなくてヴァイオリン・ソナタ。
ピアノはもちろんワルター・クリーンでヴァイオリンはアルテュール・グリュミオーです
この演奏は以前にも記事にしていたことを後で気づきましたが、せっかくなのでボツにしませんでした。
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グリュミオーのモーツァルトというとハスキルとも演奏が有名ですがクリーンとは1981〜1982年に録音されたもので演奏もさることながら音質が実に見事です
このセットは4枚組ですが今日取り上げるト長調K379が収められたものは特に素晴らしいものです。
モーツァルト ピアノとヴァイオリンの為のソナタト長調K379

このソナタは二つの楽章から出来ています。
第1楽章は序奏と主部 第2楽章はアンダンテ・カンタービレの主題と変奏
第1楽章は長い序奏の後にト短調の主部に移ります。
この序奏と主部を二つの楽章とする説もあるようです。また主部がト短調なのでト長調ではなくてト短調のソナタでもいいのでは、そんな見方もあるようです。それはどうでもいいことで、この第1楽章がとても好きなのです。特に瞑想的というか荘重な感じのする序奏は何度聴いてもその音楽に引き込まれてしまいます。
そしてこの序奏のところが録音の良さと相まって実に聴き応えがあり、ここだけをオーディオチェックを含めて何度聴いたことか!?
中央にヴァイオリン、そのやや右後方にピアノが定位
ピアノはスケール感豊かで、これぞスタンウェイのコンサート・グランドという響き。ヴァイオリンの息遣い、呼吸をぐっと吸ってから弾きだす感じが聴き取れて臨場感抜群。なかなかこの様なリアルな録音はあまりないのではないか?それくらいの優秀さです。


ところが人間とは勝手なもので、この眼前の演奏を彷彿とさせるようなCDを聴いていると音も演奏もストレート過ぎるのか?疲れのようなものを感じてしまうのです
そこで取り出したのがオイストラフのヴァイオリン。
ピアノがパウル・バドゥラ・スコダの演奏です。
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こちらは音的にもずっと控えめ、距離感があり三階席で聴くようでグリュミオーの後で聴くとホッとさせられるものがあります。
グリュミオーのが太陽が燦々と差すようなモーツァルトならこちらは陽射しもあれば日陰もある、そんなモーツァルトかな?
他に表現がないからこう書いてしまいますが、グリュミオーに比べると人間味というか含蓄のようなものを感じさせます。
このオイストラ盤はレコ芸で故大木正興さんが絶賛していたのを覚えています。これはCD化されてから購入したのですが、聴いてみてどこがいいのか分からなかった一枚。今回聴いてみて、どこが良いのかは分かりませんが心の琴線に触れる演奏ではありました。歳をとるとはこういことか。。。




しばらくご無沙汰だったモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ
今回は古めの音源を取り出してみました。

モーツァルト ヴァイオリン・ソナタヘ長調K376
ウィリー・ボスコフスキー(ヴァイオリン)
リリ・クラウス(ピアノ)

1954年頃の録音のようです
イメージ 1

K376,K377,K378,K379と370番台には魅力的なソナタが並んでいますが、このK376はいかにもモーツァルトらしい快活で明るい聴けば誰でも好きになってしまう、そんなヴァイオリン・ソナタです。
ヴァイオリン・ソナタといっても実際はヴァイオリンのオブリガート付きのピアノ・ソナタといわれるくらいピアノ主導の曲であることは聴いてみればわかります。
まぁそんな理屈っぽいことはどうでもいいことで、まずはボスコフスキーのヴァイオリン。なんてチャーミングな音色なことよ!!
たぶんモーツァルトが作曲した頃ののウィーンのヴァイオリンってこんなだったんだろうと思わせるに十分な粋で気品のある音楽に聴き惚れてしまいました。
スケール豊かな大ホール向きの現代のヴァイオリニストとはまったく違う
古き佳き時代の、良い意味でのサロン向きの音楽がここで聴けた思いでした。
録音は古いのですがヴァイオリンは鮮明に録られていて十分美しい
ただクラウスのピアノがソロの時とは違って少し控えめで、音色的にも鮮明さをやや欠くのが惜しいと思いましたがヴァイオリンの魅力の前にはまったく問題にならない。ボスコフスキーの前にはグリュミオーやパールマンなどの美音系の演奏も色褪せた感がありました。


前回紹介したクラウスのBOXの中にモーツァルトのヴァイオリンとピアノによる小品が入っています。アンダンテとアレグレットの二つの部分の曲からなっていますが、ほんの前半が約2分、後半のアレグレットが1分半分くらいの短い曲です。ケッヘル番号でいうと404です
この曲は初めて聴いたのですが、アンダンテもアレグレットも聴いたことのあるメロディでした。
こんな曲です。

ブロ友のyoshitakaさんにリリー・クラウスの31枚からなるセット物を教えていただきました。
31枚という枚数、そしてピアノ・ソナタがダブルということもあって躊躇したのですが、価格が5000円ということで思っていたより安価だったこと、手持ちになく、いつか聴きたいと思っていたゴールドベルクとボスコフスキーによるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタが収められていることもあって購入しました。発売元が海賊盤でなくワーナーであったので安心感もありました。
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その中から聴きたかったゴールドベルクによるヴァイオリン・ソナタを一つ
モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調K481
シモン・ゴールドベルク(ヴァイオリン)
リリー・クラウス(ピアノ)


一番好きなK526があれば良かったのですが、ないものは仕方ありません

「ひとつのヴァイオリンの伴奏を持ったひとつのピアノ・ソナタ」
モーツァルト自身によってこう書き込まれているそうです
特に第1楽章は、ピアノが主でヴァイオリンはオブリガート、ということが顕著のようです。ピアノのリリー・クラウスが弾きすぎている感もありますが。。。
第1楽章 モルト・アレグロ
第2楽章 アダージョ
第3楽章 アレグレット 主題と変奏

モーツァルトに限らず、例えば3楽章構成の曲の場合、全楽章が同じレベルの出来、ということはなかなかないと思っていますが、このソナタの場合は第2楽章が、とわけ優れていると聴く度に思ってしまいます。
ピアノとヴァイオリンのかけあい、そしてヴァイオリンの歌、美しさが発揮されていて聴くたびに良い曲だな、と思ってしまいます
もちろん他の二つの楽章もモーツァルトらしい美しい曲です

初めて聴いたゴールドベルクのヴァイオリンは、音価というのでしょうか、今のバイオリニストに比べると音を伸ばすことなく簡潔、端正な表現。それがかえって新鮮に聞こえました。
時間の関係で第2楽章をアップしました。


ところで、これはSPからの復刻されたCDです
このセットではなく以前に発売されたものと思うのですが
「輸入盤の多くは音がなまっていてお勧めできない」と中野雄氏
「CD復刻盤は幻滅以外の何ものでもなかった」とは宇野功芳氏
駄耳の私にはSPから復刻とは思えない良い音で十分楽しめる音でした。。。


拙ブログの「モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ」の書庫を見たらK379のソナタを取り上げていなかったのに気がつきました。すっかり取り上げていたものyと思っていました。

モーツァルト ヴァイオリン・ソナタト長調K379

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタには2楽章構成のものが結構多いのですが、K379のこの曲も2楽章構成で、とても印象的な一曲です。第1楽章はその半分近くを占める長さの、6分以上ある長い序奏で始まります。この序奏、とっても気品があって広びろとした包容力のある音楽で序奏というよりも一つの楽章といいたくなる規模であり内容です。続いて主部になりますが、ここでモーツァルト宿命の調であるト短調に変わり、劇的で切迫した音楽に変化していきます。K310のイ短調のピアノ・ソナタを思わせます。主部がト短調なのだからト長調ではなくてト短調のソナタといってもいい、そんな意見もあります(石井宏) 余談ですがこの曲の調性がト短調だったらもっと人気が出たかもしれません??第二楽章はアンダンテカンタービレの変奏曲で主題と五つの変奏曲。内省的な曲調でしみじみと歌われ余韻を残して印象深く終わります。とても好きな曲です。

聴いたはグリュミオーのヴァイオリン、ワルター・クリーンのピアノのCDです
これは最初に買ったモーツァルトのヴァイオリンソナタのCD、しかも全集です
当時はまだハスキルとの名盤はCD化されていなかったのでこの全集を買ってしまいました。
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この全集は録音が優秀なのですが、とりわけこのト長調K379は素晴らしくて、よくオーディオチェック用にも使っていました。
特に最初の序奏のところ。中央やや右奥に定位するピアノから始まるのですが、中低域が厚く、スケール感がよくでて、いかにもコンサートグランドという響き。中央にヴァイオリンが定位。奏者の息づかい、最初の音を弾くときに息を吸い込む音までリアルに再生。演奏に伴う衣服の摩擦音まで聞こえるリアルさに一人悦に入っていたものでした。
演奏は録音のせいもあってかメリハリの付いた生き生きとした面と叙情的な面がはっきりしたグリュミオーらしい快活で明るいモーツァルトでした。

お気に入りの曲なので別の演奏でもい聴いてみました
ウェルナー・ヒンク(Vn)
遠山慶子(Pf)
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こちらは録音も含めて優しいモーツァルトです
グリュミオーのが直線的なら、こちらは曲線的で温かみを感じます
ヒンクのヴァイオリンもグリュミオーに比べると控えめでヴァイオリンのオブリガート付きのピアノソナタという感じが出ています
しかしこれは悪い意味ではなくて良い意味。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタにはこちらのほうが合っているような気がしますピアノがベーゼンドルファーということもあってか全篇に上品な会話のようなアットホーム的な親しみ易さを感じます
これに比べるとグリュミオーは元気がありすぎ、かな?
まぁこういうものは嗜好の問題だし、その時の気分次第で変わるもの
どらがいい?なんてことは野暮なことですが、現在はヒンクのほうが好みに合っているようです

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