緑フォーラム

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2014年9月緑フォーラム

日本を戦争に巻き込む

「集団的自衛権」
      
       
講師; 弁護士 古川 健三 さん

 

1950年から53年の間に戦われた朝鮮戦争に約1200人の旧日本海軍軍人が召集され、米軍のために機雷除去(掃海)に従事していたという事実は、衝撃的なことであった。米軍は朝鮮半島への上陸のために、自分達の安全を確保するために日本人を盾に使ったのである。米軍から機雷除去のための参戦を要請された海上保安庁長官は、すでに新憲法のもとにあるなかで、非軍事組織の海上保安庁が職員を戦場に送ることは困難と考え、吉田茂首相に上申したのだが、吉田首相は米軍の希望通りに参戦させたのである。機雷除去に従事する隊員には、通常の2倍の給与が支給されたという。金でつって参戦させたのである。米軍が上陸した元山(ウォンサン)沖では、機雷で掃海艇が沈没し日本人が1人死亡、8人が負傷したという。

先日までアジア大会が行われていた仁川(インチョン)にも米軍が上陸し、この作戦に日本人沖仲士(おきなかし)だけで3936人が参加したという「。特殊港湾荷役者・特殊船員」と呼ばれ、「特殊輸送業務」についていた。ここでも傷ついた人達がいて、死傷者は381人にのぼるという。

 また、日本人労働者は、海上だけではなく陸上での兵器の整備・修理・通信業務や鉄道のために朝鮮半島に送られ、戦争に協力させられた。記録(占領軍調達史)によれば、調達関係の労働者だけで、わずか半年で52名の戦死者があったというが、これらの労働者の数や戦死・戦傷者の詳細は不明のままである。

さらに、日赤病院で働く看護婦までもが、「国連軍看護婦」として召集されていたというのである。昭和26年の国会で島津社長は、「日赤看護婦の派遣要求があったので本社は全面的に協力し、九州地方の各支部から第154人、第225人、第317人、現在63人が国連軍病院に勤務いたしております」と答弁している。

 総勢約8000人の日本人が派遣されたという朝鮮戦争の実態は、明らかにされていなく、日本人にも全く知らされていない。

ベトナム戦争でも、米軍は日本人を雇い、佐世保や横須賀から軍艦に乗せ戦地に派遣した。その総数も明らかにされていないが1000人を超すのではないかと指摘されている。通常の2倍の高給・危険手当でつったのである。ここでも死傷者の実態は明らかにされていない。

 

古川弁護士は、朝鮮戦争・ベトナム戦争に日本が関わってきた歴史を指摘し、憲法9条のもとで、日本が戦後、戦争と無関係であったと言われているが、それは事実ではないと話した。


  今年71日に集団的自衛権の行使の閣議決定がなされた。その名も「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」である。古川さんは、アメリカ政府のホームページに掲載されている集団的自衛権の項目を示しながら、米軍が救助するのは「イギリス人・カナダ人・オーストラリア人・ニュージーランド人」のみとはっきり書いていると指摘した。安倍首相が米軍の艦船で日本人が救助されて乗船していても、日本の自衛隊はその米軍艦船を守ることができないから集団的自衛権が必要だと力説していたが、米軍に日本人を救助する義務は全くない。米軍が日本人を救助するなどという話は全く幻想で安倍首相の作り話であり、自衛隊が米軍を救助するのが、安倍首相の集団的自衛権なのである。

「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」は、国家安全保障会議で決定され、閣議で了承されたものである。


1.    これまで自衛隊は「専守防衛」とされていたが、「武力攻撃に至らない侵害」つまり、実際に戦闘が起きていない場合でも、相手国に対し、「対処」できるようにした。「武力攻撃に至らない侵害への対処」とは先制攻撃ができるようにしたのである。
2.    「武力の行使」ではないという詭弁で、「武器の使用」を可能にした。
3.    「非戦闘地域」に限定されていた自衛隊の派遣を「現に戦闘を行っている地域」ではない場所と言い換え、先方支援・後方支援をおおっぴらに可能にした。


 わかりにくい官僚言葉で長々と書き連ねた文章であるが、憲法9条の規定を葬り去り、正式に改憲しなくても日本が参戦する(人を殺し、殺される)時代がやって来たのである。

自民党政府は、解釈改憲で満足しているのではない。国民投票あるいは国会での議決による憲法改憲を「悲願」として活動してきた。現在の憲法はアメリカに押し付けられたものであるから、「自主憲法」を制定し、天皇を再び元首にするというものだ。改造安倍政権の18人の大臣のうち実に15人が「日本会議」という日本最大の右翼団体の所属であるという。第2次世界大戦の悲劇を再び起こさせないために、これからも連帯していきましょう。








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