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4月緑フォーラム報告
憲法9条と集団的自衛権
講 師 岡田 尚 弁護士
4月19日、「海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺訴訟をたたかう弁護士岡田 尚先生をお迎えして、「憲法9条と集団的自衛権」についてお話を伺いました。
集団的自衛権とは、自国が直接攻撃を受けていないにもかかわらず、友好・同盟関係にある国(今の日本においてはアメリカ)が、他国から攻撃を受けた時、参戦するということ。これは明らかに憲法第9条に違反しています。
憲法9条は 「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定しています。
このように、国際紛争を武力で解決することは永久に放棄する、と決めたのだから、集団的自衛権は明らかに憲法違反なのです。
平成24年度の防衛白書に次のように書いてあります。
「わが国は、主権国家である以上、国際法上、当然に集団的自衛権を有しているが、これを行使して、 わが国が直接攻撃されていないにもかかわらず他国に加えられた武力攻撃を実力で阻止することは、 憲法第9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されないと考えている。」
この考え方は、歴代の自民党内閣が踏襲してきたものです。ところが、安倍首相は、「美しい国へ」(文芸春秋2006年)の中で、「自然権としての集団的自衛権」と書いています。自然権とは、全ての人に生まれながらに備わっている基本的人権のことです。憲法があるから人権があるのではなく、生まれながらにして持っているものです。集団的自衛権のような自然権はありません。集団的自衛権を国家が持つ自然権であると強弁して行使する、これが安倍首相の考えなのです。
安倍政権の改憲戦略
安倍政権は、3つの方向で改憲を狙っています。 2. 解釈改憲(政府見解の変更)
3. 立法改憲(下剋上改憲)
1の明文改憲は、正面突破の改憲であり、これまでの自民党のやり方です。国会議員の3分の2以上の賛成で、さらに国民投票で改憲を狙うもの。しかし、かなりハードルが高いため、安倍政権は、96条を書き変えて、国会議員の2分の1以上の賛成でいいように改悪しようとしています。
ところが、この姑息なやり方にも非常に批判が強かったため、現在は、2の解釈改憲に方針を変更しています。「私が最高責任者」と開き直って、国会も通さないで改憲しようというのです。3の下剋上改憲というのは私が作った言葉です。
最高法規である憲法を、下位の法律で無意味化してしまうやり方です。このような複合同時作戦で、なんとしても改憲してしまおうと企んでいるのです。
安保法制懇という首相の私的諮問機関があります。その座長代理が北岡伸一という東大卒で国際大学学長です。自民党政権の外交に関して中心的な役割を担っており、集団的自衛権行使を推し進めています。その立場は、自衛隊は、「論理的には地球の裏側まで、極論すれば、どこだろうが行く」というもので大変危険なものです。
憲法は生きている
憲法をめぐり、いろいろな問題が起きていますが、それでも私達は憲法をよりどころにたたかっているのです。憲法は暮らしの中に生きているのです。憲法は国家、政権が勝手なことができないように、国家と政権をしばるものです。自衛隊が合憲とされ、9条が形骸化された中でも、現実の世界の中で活かされて来ました。「テロ特措法」でも「イラク特措法」でも、少なくとも建前では「戦闘行為」はできないし、自衛隊員は「戦闘地域」へ行くことを拒否できるのです。
「砂川事件」「恵庭事件」「長沼事件」「百里事件」「イラク派兵差し止め訴訟」とたたかわれて来ました。「イラク派兵差し止め訴訟」では、「(自衛隊が米兵を運んでいた)イラク空輸は憲法9条違反である」と明確に指摘しました。もちろん、戦争推進派はすなおに従おうとはしません。あの田母神は「そんなの関係ねえ」と公言してはばかりません。
戦後、67年間余り、東アジアで戦争がなかった、その大きな理由のひとつが9条の存在だったのです。私達は改憲を阻止し、憲法を守らなければなりません。(文責 編集部)
お忙しい中、懇親会まで参加して下さった岡田先生には、心より感謝申し上げます。
追伸:4月23日、岡田先生が担当されていました、海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺訴訟は、自衛隊の完敗に終わりました。自衛隊は、アンケートを隠し、あくまでも証拠を隠ぺいしようとしていましたが、お母さんと弁護団の努力に、良心的な現職自衛官が決定的な情報をもたらしてくれ、勝訴することができました。しかし、裁判で勝っても息子さんは帰って来ません。この悲しい現実を、どんな裁判結果も癒してくれません。今も年間100人が自殺するという自衛隊。「軍隊は国民を守らない」は、沖縄戦を経験した、沖縄の人たちの教訓です。
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5月緑フォーラム開催案内
朝鮮高校にも『高校無償化』の適用を! 講師:「高校無償化」からの朝鮮学校排除に
反対する連絡会 事務局長 長谷川 和男 さん
2010年4月に始まった「高校無償化」制度は、教育に対する公費支出が少ない日本の中では画期的な制度でした。各種学校である外国人学校もその対象とされ、すでに39校が指定されました。ところが、朝鮮学校10校のみ先送りが続き、安倍内閣になったとたん、2013年2月20日、政治的理由をあげて、最終的に朝鮮高校を除外してしまいました。このことは国連でも「これは差別であり、朝鮮学校に通う子どもたちにも高校無償化が適用されるよう求める」という趣旨の勧告が出されました。
今年2月、教育を受ける権利を不当に侵害されたとして、東京朝鮮高校生62名が原告となって国家賠償請求訴訟に起ち上がっています。朝鮮高校生への理不尽な差別は、私たち日本人の問題です。朝鮮学校排除に反対して運動しておられる長谷川和男さんのお話を聞いて、一緒に考えていきましょう。多くの皆さんの緑フォーラムへのご来場をお待ちしています。
日時: 5月24日(土) 午後6時半から 会場: 銀河実験劇場 参加費: 500円 東京都北区神谷3-19-12 TEL 03-3902-3197 (JR赤羽駅下車徒歩20分・東十条駅下車徒歩15分 東京メトロ南北線志茂駅下車徒歩5分)
GREEN FORUM 緑フォーラム 主催: 緑フォーラム 連絡先 緑フォーラム事務局 渡辺 千鶴
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日本国憲法第9条
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇 又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この憲法9条を、今安倍政権は変えようとしています。戦争する国に向かって、集団的自衛権の行使の容認を、憲法解釈だけで、閣議決定で行おうとする危険が迫っています。集団的自衛権とは、政府解釈によると「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、武力をもって阻止する権利」であり、今まで政府は、憲法9条のもとに許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとしてきたのです。
安倍政権のもとで日本はどこへ向かおうとしているのか。戦争する国づくりを止めようと緑フォーラムを開催します。
日 時 4月19日(土) 午後6時半から
会 場 銀河実験劇場
テーマ 「憲法9条と集団的自衛権」
講 師 岡田 尚 弁護士
参加費: 500円
東京都北区神谷3-19-12 TEL 03-3902-3197
(JR赤羽駅下車徒歩20分・東十条駅下車徒歩15分
東京メトロ南北線志茂駅下車徒歩5分)
GREEN FORUM 緑フォーラム
主催: 緑フォーラム 連絡先 緑フォーラム事務局 渡辺 千鶴
☎ 090-2201-9788 |
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築地市場移転問題の現状
2月21日、野末 誠さんをお迎えして築地の移転問題について緑フォーラムを開催しました。野末さんは77才、築地に入って62年と4日だということでした(野末さんは抜群に数字に強い)。服部栄養学校の特別講師も務める野末さんは、自分は楽しくやるのが好き、と話し、食という漢字は、人を良くすると書くでしょう、世界に通用する日本の文化はお茶と花しかないけれど、築地は食の文化遺産なのです、と熱く話始めました。築地は72年間、事故がなかったのです。世界が安心しているのですと語る野末さんは、築地を本当に誇りにしています。
私は、家庭教育の原点は食事にあると思っています。子どもに食事を作らせることは大事なことです。今まで日本の教育は、知育・体育・徳育と言われて来ました。日本には食育がなかったのです。今、日本は食べ物を大事にせず、1兆2千億円も捨てています。1家で2万円も捨てていることになります。これでいいのでしょうか。 築地は、平成5年に400億円かけて築地の再整備を行う予定だったのです。それが築地での再整備ではなく、豊洲への移転へと計画が変わっていったのです。平成9年に豊洲への移転計画が持ち上がりますが、42haもある広い場所だと宣伝するだけで、仲卸には土壌汚染のことは教えませんでした。東京都は、遅くとも平成10年には汚染がわかっていたはずです。 都の計画では、千客万来施設を作って東京の新たな観光施設にするなどと言っています。140社の飲食店街を作ると言うのです。現在の築地から豊洲に移転するには1000万円かかります。青果は広くなりますが、仲卸について言えば、現在より狭くなるのです。狭くて行けない、お金がなくて行けないというのが現状です。しかも、豊洲の計画によれば、市場は道路(環状2号線と315号線)によって3分割されるため物流効率が悪い、観光バスが入るとさらに駐車場が狭くなる、排気ガスが多い場所に市場を作るなど問題点が多いのです。計画はもう10年も前のものです。 ヒ素やベンゼン、シアン化合物などの汚染を除去する土壌対策に、専門家は1200億円かかると言っていますが、技術会議(正式名称は豊洲新市場予定地土壌汚染対策工事技術会議という、なが〜い名前、座長=原島文雄・首都大学東京学長、ロボット工学の専門家、なぜ土壌汚染対策の座長をやっているのか誰もわからない。技術会議には土壌の専門家は1人しかいない奇々怪々な会議。編集部)は、625億円でできると言っている。実際は5000億円くらいかかるのではないでしょうか。ベンゼンなんかは、すぐ測定しないと揮発してしまうのです。大丈夫だと言われても、資料を採取してから、測定するまでどのくらいの時間で測ったかが明らかでないと信頼できない。地下水を浄化したと言っていますが、42haもある豊洲の地下水をどうやって浄化できるのですか。おそらく、穴を掘ってサンプリングした場所で、異常値が出た場所の水を汲みだしたことを浄化したと言っているのではないでしょうか。都は、汚染された地下水が湧き出ないように、地下水位を一定にするなどと言っているがそんなことはできるはずがない。永遠に地下水をくみ上げるのですか。 まず都は、地下水のモニタリングをするべきなのに、一度汚染が確認されると、さらに2年間は工事が出来なくなる。そのため都は、モニタリングをしないまま工事に入ろうとしているのです。有毒物質が出ている所に市場を作るなんて本当におかしい。便所の中で寿司は食えません。しかし、「シアン(水に溶かせば青酸カリ)がついたマグロを食いますか」と問うた所、食べますと答えた専門家がいた、私は、これはもうだめだなと思いました。 国会は、土壌汚染対策法に則って議論している。ところが都は、都条例でやっている。これもおかしい。40haの表土を2mどかすとすれば、80万トンもの土砂が出る。この量は10トン車が新大阪まで繋がる量だ。豊洲は雨のあと1週間も水浸しだ。東京ガスは、埋め立て地である豊洲に、1万8千本もの杭を打った。しかし、鉄も腐る。豊洲の地下水が海に流れ出ていることは、容易に想像される。
野末さんは、裁判所に膨大な陳述書を提出しています。舛添新知事になってから、築地移転について質問したら、「それは、以前の知事がお決めになったことだから」と取り合わなかったそうです。まったく食の安全を無視しています。毒の場所に都民の食糧市場を作るという世界のもの笑いになる愚行を行おうとしているのです。豊洲新市場が開業したあとに、汚染され地下水が出たら、世界の誰も築地から魚を買わなくなります。福島の汚染水、豊洲の汚染水、もはや山紫水明の日本はどこにもありません。野末さん、ありがとうございました。料理のお話もとってもおもしろかったです。 ジャーナリスト岩上安身さんのIWJから出ているDVD
「ドキュメント 築地市場移転」です。
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福島の子どもたちの現状は
どうなっているのか」
講師;福島の子どもたちを放射能から守るネットワーク 3月29日、山田 真先生をお迎えして、福島の子ども達の現状についてお話を伺いました。今回は、特に小さなお子さんを抱えているお母さん方や若い女性が参加して下さり、福島の現状に心を痛めている方が多いのだなと感じられました。お忙しい中、懇親会まで参加して下さった山田先生には、心より感謝申し上げます。
山田先生の活動歴は長い。森永ヒ素ミルク事件、水俣病にずっと取り組んで来た。そして今度は放射能被害。繰り返される隠ぺいの歴史。どの事件も、被害が実際よりずっと少ないように描かれて来た。たたかう人々がいなかったら、もっともっと被害は少なくされ、泣き寝入りさせられた人が多くなったことは間違いありません。森永ヒ素ミルク事件は、1955年に発生した、森永乳業による粉ミルク製造過程に起きた事件です。約2万人の乳児が飲み、130人の乳児がなくなっています。当初は原因不明の奇病扱いされ、母親たちは大変な苦労をしたと思います。事件から1-2年すると、「後遺症はないから大丈夫」「全員治癒」と宣伝されましたが、2012年10月時点で、1170人もの方が亡くなっているそうです。両親は70代となり、被害にあった子どもたちもすでに50代になりました。後遺症は、発達障害・知的障害・心臓病などが見られ、はしかなどの伝染病にかかりやすく、かかった場合は重症化しやすいのです。脳神経系のがんや脳出血が多いこともわかっています。また、山田先生は水俣病にも触れ、いまだに熊本県では、一度も一斉健診がされていないことを指摘し、水俣病の範囲を狭めて、被害を少なく見せかける隠ぺいが続いて来たことを、怒りを込めて告発していました。福島は、これらの事件と同じことが再び繰り返されようとしているのです。
山田先生は、2011.3月に福島原発が爆発した直後の5月から福島で健康相談を開始され、5月にはのべ400人もの方が、相談に来られたそうです。しかし、この2月には1家族4人の方が、相談に来られただけで、地元には「健康相談してもどうしようもないじゃないか」という気持ちが広がっているとおっしゃっていました。今は、内部被爆、低線量被爆が問題であるが、原子力推進派は、そんなものはないと言う。しかし、広島では「入市被爆」と言って、原爆投下から1週間以上過ぎてから入市した人々が、放射能で亡くなっていった歴史がある。 私達は、福島に残っている人々に、危ないから避難したほうがいいとただ言い続けているだけではなく、避難できない人々のために線量をしらべたマップを作ったりしているが、そんなことをすると、原発推進派になったと言われたりする。状況は単純ではない。人々は生活しなければならないのだから。避難先での生活の大変さに、福島に帰った人、これから帰る準備をしている人がたくさんいる。帰還者が増えると、福島が安全になったと宣伝されるだろうが、決してそんなことではないのです。
日本の歴史は、一部の人々、一部の地域を切り捨てて社会を運営してきた歴史です。水俣もそうであれば沖縄もそうです。今また福島が切り捨てられようとしています。棄民政策と言います。福島から何を学ぶのか。私達は子ども達に何を残せるのかという視点から、福島の問題に取り組んでいきたいと思います。
最後に山田先生は、甲状腺がんだけに目が奪われがちだが、もっと血液検査をしたり、心電図をとったり、全身の健康から見て行かなければならない。日本の保険は、病気になって初めて保険が使えるが、健康診断も保険でできるようにしてほしい。そういう運動も必要です、と訴えていました。
あふれるばかりの情熱をこめてお話いただいた山田先生、ありがとうございました。健康に気をつけて、これからもともに進んでいきましょう。 |





