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2010年6月 緑フォーラム報告
 
公務災害における教育現場の状況
 −新採用教師はなぜ追いつめられたのか−
 
教師にとっても子どもにとっても暗黒の学校
 6月26日、東京北区の銀河実験劇場で緑フォーラムが開催された。今回のテーマは「公務災害における教育現場の状況」−新採教師はなぜ追いつめられたのか−。

 2004年9月、小学校の新採教師であった木村百合子さんが早朝、車の中で灯油をかぶって焼身自殺した。念願の教職についてわずか半年、24歳の若さだった。なぜ百合子さんは自殺に追いつめられたのか。

 2004年12月22日、百合子さんの遺族は「自殺は公務災害である」と地方公務員災害補償基金静岡支部長に対して公務災害の認定請求をした。2006年8月21日、基金側は百合子さんの自殺を「公務外」の理由によるものとする。遺族は不服の審査論求を行ったが、2007年12月20日、これも棄却される。遺族は再度請求を申し立て、同時に2008年7月4日、静岡地方裁判所に地方公務員災害補償基金を被告とし、基金側の「公務外」認定処分の取り消しを求める裁判を起こした。「木村百合子さんの公務災害認定裁判を支援する会」の世話人代表である蓮井康人さんが、この間題についてレクチャーを行った。

 蓮井さんは百合子さんが通っていた教会の牧師さんで、死の3日前に百合子さんが教会に相談に来て「もう学校をやめたいんだけどどう思うか」と聞いたという。百合子さんの話を聞いて「頑張ることはない。むしろ今は少し休んだら?休職願いを出して休んだ方がいい。もしダメなら辞めた方がいい」と言った。百合子さんは学級内のいじめ、多動症の子どもに悩んだが、学年主任や教頭はサポートするどころか「アルバイトじゃないんだぞ。しっかり働け」「お前は問題ばかり起こしやがって」と攻撃した。

 「1年間に70人〜100人の学校の先生が自殺している。3日に1人の先生が自殺している。心の病気で休んでいる教師は5000人を超えている。辞められた教師はまだいいが、そうでなければ百合子さんのように自殺に追い込まれてしまう」と蓮井さんは語った。百合子さんが亡くなってから学校ではこの問題について何も話し合っていない。組合も何もやらない。誰も原因究明しようとしない。

 全国民教の会事務局長の野呂恵子さんから「たった一人でいいから百合子さんの思いを聞いてくれる人がいたら、死ななくてすんだと思う。百合子さんは子どもと話していこうとしたが、支える人がいなかった。全国で教育と呼べないものが現場で横行している。私は民教の会に支えられてきた。24歳の百合子さんの死を無駄にしない連帯を作り上げていきたい」と話された。
 2010年5月 緑フォーラム報告
「豊かな三陸の海を放射能から守ろうJ
放射能を流させない運動で核燃再処理工場稼動を止める
 
 5月29日、東京・北区の銀河実験劇場で「豊かな三陸の海を放射能から守ろう」をテーマに“豊かな三陸の海を守る会”の田村剛一会長を講師に緑フォーラムが開かれた。

 最初に、「三陸の海がどんなに美しく、豊かな海なのかを見てほしい」とDVDを上映した。澄んだ水、ワカメやアワビなどの豊かな海産物、そして子ども達に伝えていく取り組み等の映像に会場からも歓声が上がっていた。岩手県重茂漁協では、海を守る為に、合成洗剤を使わないで生活し、栄養豊かな水を海に流す為森を守っている。自然がそのまま生活であり命なのである。

 田村さんは、「三陸とは三つの陸。青森は陸奥(むつ)、岩手は陸中、宮城は陸前。岩手は三陸の真ん中だ。

 青森県六ヶ所の核燃再処理工場は、太平洋に放射能廃液を放出する。“広い太平洋で希釈されるから大丈夫。三陸沿岸には流れない”と国や日本原燃は言う。しかし、越前クラゲが日本海の対馬暖流から津軽暖流にのり、三陸沿岸で養殖の網を破った。再処理工場の排水も三陸の海に流れて来るということだ。会の活動で、岩手県内の2つの市を除く全市町村(33)で『三陸の海を放射能から守ること』についての請願が採択された。

 現在、『放射能を海に流してはいけない』と明記する法律がない。環境基本法を改正し、放射能による環境汚染を防止するよう自治体の議会や国会議員に働きかける活動を展開している。その法律ができれば、海に放射能を放出することが前提の再処理工場は稼動停止できる。海に放射能を流すな、という点で統一して闘っている。
 
 地域は貧しく、子どもの頃から男子は海でイカ釣り、女子はイカを開いて干す仕事をして修学旅行費を貯めた。不漁の年は修学旅行がなかった。貧しかったが心は豊かだった。海を守っていけば生きていける」と訴えた。
2010年4月緑フォーラム
「愛するとき奇蹟は創られる -在日三代史 私の未来の夢-」
 
 4月24日、東京北区の銀河実験劇場で緑フォーラムが開催された。講師は高麗博物館名誉館長の宋富子さん。「ここに集う緑フォーラムの若者達の笑顔がすてきで、このような日本人もいるのかとびっくりしています」と話し始めた宋さん。自身の祖父母、父母、宋さんと三代史をドラマチックに語った。
 祖父は日本が朝鮮を侵略してきた時、知事のような仕事をしていたが、絶対土地台帳を渡すまいと抵抗した。官憲が捕まえにきた時縛られたまま逃げ塀を越えたら、心配して駆けつけた多くの村人の中の女性がチョゴリ
の中にかくまって村はずれのお寺まで連れて行ってくれた。日本人に捕まらなかったが、その寺の地下でお日様も見ず、3年後に病死したという。
 父母は植民地下の朝鮮で生きられず日本に渡ってきた。日本中を転々としたため7人の兄妹はみんな別の場所で生まれた。宋さんは奈良の被差別部落で生まれた。46歳で父が病死した時、母は36歳。6人の子どもを抱えリヤカーで廃品回収をして育ててくれた。
 母が大好きだった宋さんは、小学校に入ってから「チョーセン人」と差別され、“何で私を朝鮮人に生んだ!クソパパ!”と母を憎んだ。小学3年から自殺を繰り返し、中学校を出ても読み書き、掛け算割り算もできず、劣等感の固まりで職も長く続かなかった。
 在日の夫と結婚したのは20歳の時。よく働くが1カ月に1度くらいは酔って暴力を振るった。子どもも朝鮮人と差別されいじめられる。お金をたくさん貯めて日本国籍を取得し、立派で上品な日本人になることばかり考えていた。
 
真の歴史を学んで
 31歳の時、子どもの保育園の牧師さんから、なぜ日本に朝鮮人がいるのか、日本は朝鮮で何をしたのか、と真実の歴史と「自分を愛す、他人を愛す」「ありのままの自分を大切にするため朝鮮名を使いましょう」と聞き身体中に衝撃を受けた。日本にいて、朝鮮人である自分を否定して生きらされたところから生きる勇気が湧いてきた。
 それから夢中になって日立の就職差別事件など民族差別撤廃、人権回復のため運動した。
  日本に朝鮮と日本の真の歴史を教える博物館建設を、と講演や一人芝居で訴え続け資金を募った。2001年開館した高麗博物館は真の歴史を学べる。その上に朝鮮の文化や歴史の書籍や資料を集めた「図書館」である
文化センター・アリランが6月川口から移転される。精力的に活動する宋さんの情熱が伝わってきた。
 「真実は抵抗にある。抵抗しない民族は滅ぶ」という言葉が心に残った。大好きだった母も自分の命も呪って生きらされた。それは日本の支配者が意図的に行う差別教育で刷り込まれたものだ。そして日本人である私達も真の歴史を知らず差別の中で生き解放されない。
 会場から緑の党の足立地区委員長のやこう恵美さんと知り合って参加した在日の方から「やこうさんは高校無償化の朝鮮学校除外について署名を集めてくれた。今日の話はとてもよかった。私の父母と同じ境遇だった。
朝鮮学校ではいじめなどないが、学校は弾圧された。今も差別はひどい、歴史をきちんと教えて真の国交を確立してはしい」と意見が出された。 ミニライブでは松本慶子さんの「朝露」や江村結さんの「白いプラトーク」の歌声が響きました。
 32010年3月 緑フォーラム報告
テーマ「アメリカの反戦運動が問いかけるもの −立ち上がるイラク帰還兵−」
講 師:マブイ・シネコープ代表 木村 修さん
 
 3月27日、東京北区の銀河実験劇場で、「アメリカの反戦運動が問いかけるもの」をテーマに緑フォーラムを開催しました。
 来賓あいさつで緑の党・対馬テツ子党首は「3月20日に日本でイラク戦争反対のデモをやったが、参加者は800名だった。開戦当時は1万人が結集してデモを行った。自衛隊はイラクで米兵や米軍の軍事物資を輸送して、明らかに参戦した。イギリスやオランダでイラク戦争の検証が始まっているが、日本ではそれさえない。どうしたら反戦運動を大きくしていけるのかは、私達一人ひとりの課題だと言える。今日は朝鮮高校を無償化から除外するのは違法だと訴える集会に参加した。朝鮮高校の女生徒が“朝鮮高校をはずすという報道に驚いた。自分の存
在を否定された思いがした。学ぶ権利を保障してください”と訴えていた。私達日本人が歴史の事実を学んでいかなければならない。そして職がない現実、生活できない現実に対して力を合わせて共に切り拓いていきましょ
う」と訴えた。
 最初に講師のマブイ・シネコープ代表の木村修さんが制作したDVD「立ち上がるイラク帰還兵」が上映された。イラクで何の正義もない戦争でイラク人を殺傷した元アメリカ兵の若者が、イラクを訪れ自らの気持ちを話す。その姿にイラクの人々は心を打たれ若者達を抱きしめる。家族を米兵に殺されたであろうイラク人の暖かい心に触れ若者達はアメリカで反戦運動を繰り広げていく。
 木村さんは「9・11が起き、目の前で起こっている戦争に黙っていられないという思いで、アメリカに行き、アメリカの反戦運動を知った。アメリカの反戦運動は50万の国民を動員する運動になっている。戦争をしてもうけているアメリカだが、その中で反戦運動家も必然的に生まれる。イラクに派兵された米兵は初めはイラクに民主主
義を広めることだと思って行く。しかし市民を見境なく殺害し、この戦争は一体何だと考え、イラクに行くことを拒否する。ハリケーンなどの災害復興のため州兵になった人も、イラクやアフガンに派兵され、不正義の戦争だとわかる。アメリカの反戦運動は第二次世界大戦、スペイン戦争に行った米兵の反戦運動から引き継がれてきているものだ」と話した。
 会場から「アメリカにも人間らしく生きたいという青年達がいることがわかって、勇気づけられた」「朝鮮学校の生徒さんたちが、日本の政治の間違っていることに堂々と抗議している。日本の青年達に働きかけなくては」と意見が出された。

2010年2月 緑フォーラム報告

テーマ:声を上げた非正規雇用労働者の闘い
    −松下PDP事件を闘う吉岡力さんが語る−

 2月28日に東京都北区の銀河実験劇場で、「声を上げた非正規労働者の闘い」をテーマに、緑フォーラムが開催されました。
 来賓あいさつで、緑の党対馬テツ子党首は「非正規雇用の事について語り合い、そして学び合う機会は大切。派遣労働者がどうしてこんなに多くなったのか日本の大きな社会問題になっている。
 戦後、労働者の中間搾取は職業安定法で禁止されていた。ザル法で山谷とかは日雇い労働者がいて手配師が仕事を与えて中間搾取していた。それが1985年に派遣法が通ってしまい中間搾取が公然と認められ、1986年から施行された。もともと日本は終身雇用制だった。
 大企業の都合に合わせて派遣法を作り、2004年には製造業にも適用。偽装請負、みなし雇用など、労働者がよくわからないまま、体よくこき使われ、仕事がないと待っているしかない登録派遣。常用社員は派遣会社の社員。派遣先で簡単に首を切られる。労働者の今の実態を告発して闘う吉岡さんと連帯して、派遣労働を無くそう」と語った。

 働く者が希望の持てる社会を目指して闘う吉岡さん
 今回の講師の吉岡さんはパスコ(派遣会社)から松下PDP(プラズマディスプレイ)社に派遣されたが、派遣だと1年で派遣先の松下で直接雇用義務があるため、本人が知らないうちに、派遣ではなく請負という立場にされていた(偽装請負)。社員と同じ仕事をしていても松下の一存で時給を下げられたり、健康診断も受けられない、正社員に「身体に悪い事は、派遣にやらせておけ」と言われるなど、理不尽
がまかり通っていた。
 司法書士に相談する中で、いろいろわかり「自分は松下PDPに直接雇用されるべきでないか」と労働局へ偽装請負を告発した。松下PDPは吉岡さんをいったん直接雇用し、1人だけ黒いテントで隔離し作業させ、嫌がらせをしたあげくに、5カ月後に解雇した。
 吉岡さんは「この理不尽に対してなぜ声をあげたのかというと、同じ職場の若者が『俺の将来はホームレスですから』と言った事や、昼夜なく働かされ過労で自殺した若者が『無駄な時間をすごした』と書き残した事から、若者に希望のない社会に未来はないと思った。自分には親もいないし、失う物はないから告発した。働く者が奴隷のような扱いを受ける派遣労働自体を無くさない限り、改『正』案をいくら訴え
てもなんの解決にもならない」と力強く語った。若い人たちにこの現実を見つめてほしいという願
いが伝わってきた。
 参加者から、自分の職場でも不当に首切りが行われようとしている事、職場で仕事を与えてもらえなかった事、かつての上司が上の人に意見をいった為に仕事を奪われ圧をかけられて自分が仕事を分け合って話しながら働いている事など、色々な意見が活発に出た。今も偽装請負という形で、本人がわからずに会社の都合の良いように無権利で働かされている人がたくさんいる状況が進行している。労働者が力を合
わせて生きていく事の大切さ、実際を見つめていく力をつける事が必要なことを実感したフォーラムだった。

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