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福島視察・全国集会3
全村避難したまま、雪が残る飯館村の田んぼ
飯館村は標高400m以上の村で冷涼な気候であり、「やませ(北東風)」が吹き、冷害に何度となく襲われた歴史を持っています。米の皆無作もありました。飯館村の農民は、冷害から逃れるために「飯館牛」というブランド牛を育てるまで努力を重ねたのです。3000頭もいた牛も、人もいない村の田畑は、白い雪にひっそりとおおわれていました。
原発から20kmの南相馬村で農業の復興にかける農民
機械化と農薬・化学肥料を大量に使用する近代農業に疑問を持ち、有機農業を始めたという農民は、転換した数年はうまくいかず、夜も眠れない日が続いたと話してくれました。努力の甲斐あって、有機農業の技術も確立できたあとに待っていたのは、原発の爆発事故。幸いにして田畑の放射能汚染のレベルが低く、今年は菜種を栽培し菜種油を搾る計画を立てています。菜種の収穫が終わった6月には、短期間での収穫が可能だというコシヒカリの早生品種「五百川」を植えたいと豊富を語ってくれました。同行の参加者から、「私たちも五百川を植えていますが、90日で収穫できるので十分可能ですよ」と熱いエールが送られました。働く者の連帯に日本の未来がかかっています。
農民の希望をのせて芽吹いた菜種!
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報告
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福島視察・全国集会2
「耕作する権利は農民にある」
発言する二本松有機農業研究会の大内信一さん
有機農業を40年やってきました。今回の福島原発の爆発事故で、提携してきた消費者の60%の人が野菜の購買をやめてしまった。でも作物の器用さに助けられて農業を続けられています。今は人参ジュースに活路を見出そうとしています、と訴えられていました。実直な農民という印象を受けました。
パネリストとして発言した大地の会の戎谷徹也さんの発言要旨
昨年は、福島の物はいらない、北関東の名前が入るとオーダーが入らない、という厳しい状況であった。しかし、もう風評被害という言い方はやめるべきだ。私たちは「未来の子どもたち守る」と宣言している。国土回復のために生産者はがんばっている、食べ物の将来を守る人達ががんばっている、だからその人達を支えようと広く訴えていきたい、と力強く発言していました。また、集まってくる情報からすると低線量の内部被爆は甘くない、ICRPの数値は政治的で、がんだけではなく免疫低下にも注意しなければならず、食の知識を持つことが大事、とコメントされていました。
農業生物学研究室を主宰する明峯哲夫さんの発言要旨
汚染から逃げることはできない。どこかに汚染ゼロ・リスクゼロの世界があると考えるのは幻想です。「それでも種をまこう」という農民と「逃げ出そう」という考えは対極です。日本の有機農業運動は優れた農民を育てたが、ついに都市住民の解放にはつながらなかった。土と遊離した生き方をする東京のような地域と日頃から土と付き合っている農村の暮らしをそのままにして、持続する社会などできない。土と農を取り戻さなければ。たくましくならなければならないと述べ、その卓越した発言が注目を浴びた。
(編集者注:この考えは、「精神の文明化・肉体の野蛮化」という私たちの考えと非常に近いものです。その逆に、精神が野蛮化し、肉体が文明化すると朝シャンして身なりをきれいにして女を襲うなどという恐ろしい社会になるのです)
まとめのあいさつをする茨城大学農学部教授 中島紀一さん
日本とチェルノブイリでは違う。チェルノブイリの土壌は砂質でやせている。福島の土地は粘土質で肥沃だ。日本では作物がセシウムを吸収しない。セシウムの吸収が、米で10分の1と考えていたが、さらに10分の1、あるいは100分の1だった。これからやらなければならないことは、田畑の正確な汚染状況を知ることだ。自分たちの仲間の田畑の正確なデータを持つことだ。政府や県は、不十分なデータしか持っていないのに、農民の耕作を禁止している。しかし、耕作する権利は農民にある。農水省は福島の農業の再生に責任を持つべきだ。政府の機関として加害者責任があるが、そのことには何も触れず、国民に安全な食料を届けるなどと厚労省のようなことを言っている。農水省はつぶれても福島の農家はつぶさないと宣言するくらいの意気込みを持つべきだ。
気迫のこもった中島教授のまとめの言葉に万雷の拍手が送られました。「耕作する権利は農民にある」という言葉は、実に明快で力強く、福島の農民の未来を指し示しています。
(以上、文責は当ブログの編集者にあります。山形たかはた共生塾 星 寛治さんなどの発言もありましたが、紙面の関係で割愛させていただきました。この場をお借りしてお詫びいたします)
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3.24-25 福島視察・全国集会に参加してきました。
福島視察・全国集会
ふくしまから復興の光が見える! たくさんの参加者で埋まった会場。
主催者を代表してあいさつする有機農家の菅野正寿さん
「学校給食で、子どもたちに米や野菜を食べさせたい」
「経済成長から脱却して、いのち輝く人間復興の経済へ、この日本のあり方を今、変えなくていつ変えるのでしょう」 「がんばろう福島から変えよう福島に、がんばろう日本から変えよう日本に、この福島の集会をその転換点にしていきましょう」と力強く訴えていました。 |
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2012年2月緑フォーラム報告
-今、福島で希望の種をまく- 差別と闘いながら販路を切り開く齊藤さん 17日、東京都北区の銀河実験劇場で、福島県有機農業ネットワーク事務局長・二本松農園代表の齊藤登さんを講師に緑フォーラムが開催された。来賓挨拶で緑の党・対馬テツ子党首は「原発事故を起こした者は誰も裁判で問われていない。責任を取っていない。福島で生きる人々は農地や生活の場を再生させる為に必死の闘いを展開していて頭が下がる。しかし今なお子どもが線量の高い所にいる。政府が集団疎開の措置を講じていない今、私達は子ども達の保養を計画している。復興が進まないのに、消費税を上げる、TPPに参加すると政府は言う。TPPでは家庭菜園や有機栽培も認められず、農業だけでなく、労働者全体が無権利にされる。何でもアメリカの言いなりだ。しっかり目をあけ実際を見て力を合わせていこう」と話された。 齊藤さんは、「有機農業では土の中の有機物質が放射性物質を取り込み、野菜の中に吸収しにくくなることがわかってきて、農業再生への光が見えてきた。しかし、福島県産の作物は風評被害で売れない。山から流れてくる水を引き込んでいた水田の稲から500ベクレルを超えるセシウムが出た時、その田んぼの農家が会合で"申し訳ない、うちの田から(放射能汚染の米が)出てしまって"と謝った。でも何もその農家が悪いのではない。なぜ、農家が申し訳ないと頭を下げなければいけないのか。検出されない野菜も多い。でも売れない、農協も受け入れない。原発事故より1年経とうとしている今、離農者が激増する。収入がないからだ。福島県は70%が山林。今の除染は移動させているだけ。莫大な予算を使うなら、必死に再生の道を探る農家などに出してほしい。私たちは、福島の農家から野菜を仕入れ、週末に都内で売っている。8割は無言で通り過ぎ、2割の人は応援の意味もあって買ってくれる。ネットで「放射能を東京に持ち込む悪者だ」と中傷されながらも日帰りで往復している。 斉藤さんは、「放射線が検出されず安全であったら、皆さんは福島の野菜を買いますか」と問いかけた。会場の大方が「買う」と手を挙げたのを見て、「これならもっと知らせていけば見通しがある」と力を得たように語った。 新しく開設された放射線測定室、ラボ・アスナロの牛崎さんは「福島県の方は無料で検査するなどして支援したい。測定して安心して食べ生活できるようやっていきたい」と訴えた。福島現地の農業者の生の声を聞き、連帯でき良い学習だった。 |
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2012年1月緑フォーラム報告
福島の今〜子どもたちの現状〜 真実を一人でも多くの人に伝えよう 「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人」の佐藤幸子さんのお話を聞く 1月28日、東京都板橋区のハイライフプラザいたばしで「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人」の佐藤幸子さんを講師に緑フォーラムが開催された。 佐藤さんは、「子どもたちを放射能から守るため親達を中心にネットワークを立ち上げたのは5月1日。予想以上の反響だった。"学校に送りだした後、毎日泣いていた""今まで何も話せなかった"など声が寄せられた。大方は、避難しないで何とかならないのか、だった。保育園などに測定させてほしいとお願いしたが、『測って高かったら子どもが来なくなるから困る』と測らせてくれなかった。すべて除染するのは無理。2年後には自然に約4割減るというのに、2年で5割減らすといって1兆円規模の金をかけて除染、除染と言うのは、人口流出を避ける、という人命より経済を優先する企業や政治家のやり方だ。原発を作って儲けた企業が除染で儲け、日赤は東芝の家電6点セットを配っている。どこまでも儲ける。事故前は『原発安全神話』で、事故後は"100ミリまでは大丈夫"という山下長崎大教授を先頭に『放射能安全神話』を言い出して、意見を言うと"不安をあおる市民がいる"と攻撃された。 家庭、職場で避難する、しないともめている。10カ月になる今、放射能の話など聞きたくない、解放されたいという県民の思いがある。誰もが故郷に住みたい。真実が報道されない福島現地で、集会に来ない人にどう真実を伝えるかが課題だ。避難には個々の事情がある。責められるのはつらい。 戦場にいる子ども達 近畿大が積算線量計を1年間貸し出しているが、3ヵ月0.67μSvだったから単純計算で1年間2.5mSv (3、4月は測っていない) なので、将来放射能被害が出る子どもはいません、と報告した。 広島・長崎はアメリカに原子爆弾を落とされたが、福島は政府に原爆を落とされた、と考えている。戦場の炎の中に子どもが取り残されている。まず炎の中から避難させなければならない。 今まで田畑に出ていた人が避難生活の中で、認知症は進み、足腰は悪くなる。介護認定は昨年の4割増し。3.11後自殺も増えている。同じ被災地でも宮城・岩手は増えていない、つまり原発事故が原因だ。生きる術を失い、住民の心はバラバラにされ健康を害している。 子どもは"僕達はモルモットですか"と書き、"結婚できない、子ども産めない"と話している。怒り、苦しみ、悲しみの絶望だけでは生きていかれない、心と体はつながっているから。希望を合わせて提案できるよう集会など開いて話している。癌という字は品物が山ほどあってなる病気。老人病だったが、若い人もなるようになって成人病となり、今は子どももなって生活習慣病だ。豊かな生活とは何か考え直そう、 と子ども達への教育が大事。まずは3人の人に伝えていこう」と語った。 精力的に活動している佐藤さんの話は、明快だった。外国人は原発事故と言わず、「事件」と言うが、事件を起こした者が現場検証をし、補償を決める。被害者に有利なわけがない。 最後に福島出身の荒野座の西条ゆかさんが脱原発を訴え、歌い、フラメンコを舞い、みんなで脱原発の「君と僕の未来」を歌ってとてもさっぱりした。自分の周りから少しずつ(まずは3人に)伝えていこう、と力の湧いてきた緑フォーラムだった。 |








