温泉バカンス

不当表示、分析書改ざん、無許可飲泉利用など長湯温泉で現在起こっている一連の問題を温泉レポートにて徹底追及中!

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

 前回は8施設10箇所の源泉の炭酸含有量を例にとって、長湯温泉が炭酸泉でないことを立証したが、今回は、さらに長湯温泉が炭酸泉でないことが一目瞭然でわかる決定的な資料を紹介しよう。
 それは、竹田直入町温泉連絡協議会企画・発行の「奥豊後温泉文化伝」(2006年3月発行)という小冊子である。この小冊子の中には「奥豊後七郷の温泉」として、長湯温泉以外にも、近隣の七里田・赤川・久住・白丹・萩・竹田の各温泉地の温泉施設が詳細に紹介されている。
 長湯温泉はこの小冊子の26pから36pにかけて22施設が紹介されているが、この22施設の泉質名を見れば、その温泉施設が炭酸泉かそうでないかがわかるのである。
 では、早速見ていこう。以下、22施設の施設名と泉質名、調査年月日を列記する。泉質名は全て新泉質名で書かれている。データに関しては、全て「奥豊後温泉文化伝」に書かれているものである。(p26〜36)

(1)御前湯 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成10年10月14日
(2)千寿温泉 ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(3)ながの湯 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩泉 平成11年8月20日
(4)旅の宿上野屋 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(5)丸長旅館 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成12年2月15日
(6)万寿温泉 大山住の湯 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成10年12月16日
(7)水神之森 マグネシウム・カルシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成10年4月13日
(8)豊泉荘別館 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成17年3月16日
(9)山の湯かずよ ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩泉 平成7年5月10日
(10)宿房翡翠之庄 ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩泉 平成16年12月21日
(11)かじか庵 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年3月16日
(12)長湯憩いの家 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(13)旅館紅葉館 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成12年2月15日
(14)国民宿舎直入荘 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成11年4月12日
(15)大丸旅館 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成7年3月8日
(16)御宿友喜美荘 ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(17)旅館中村屋 
   (源泉1)ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
   (源泉2)ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(18)やすらぎの宿 かどやRe マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(19)長生湯 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(20)天満湯 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日
(21)ラムネ温泉 マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉 平成13年4月13日
(22)ガニ湯 マグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉 平成17年1月12日

 いかがであろうか。
 上記の一覧を見れば、22施設の全てが炭酸泉の表記になっていないことがわかるだろう。もし、上記の施設が炭酸泉ならば、泉質名の一番最初に「含二酸化炭素」という表記がつくはずである。しかし、そうはなっていない。ということは、22施設とも遊離炭酸の含有量が規定値の1000mg/kgに達しておらず、「含二酸化炭素」の表記ができないと判断できる。したがって、上記の泉質名が全て正しければ、22施設は炭酸泉でないと断定できる。
 なお、この小冊子でも長湯温泉は「日本一の炭酸泉」として紹介されているが、上記のデータが示す通り、長湯温泉の温泉施設は全て炭酸泉の規定値にまで達していないのだから、「日本一の炭酸泉」であるはずがない。奇妙なことに、長湯には炭酸泉の施設など一箇所もないのに「日本一の炭酸泉」として紹介されるという、不可解な自己矛盾がこの小冊子の中でおこっているのである。
 そして、さらに皮肉なことには、この小冊子で紹介されている温泉施設の中で唯一、炭酸泉の規定値をクリアしているのは長湯温泉ではなく、赤川温泉の「国民宿舎久住高原荘」なのだ。P23に紹介されている久住高原荘は遊離炭酸を1286mg/kg含有し、泉質名は「含二酸化炭素・硫黄ーカルシウムー硫酸塩泉」という堂々とした炭酸泉となっている。
 ところで、この小冊子の中で「炭酸泉」と「炭酸水素塩泉」を混同しているような箇所がいくつかある。「炭酸泉(二酸化炭素泉)」と「炭酸水素塩泉」は字は似ているものの、全く異なった泉質名であることをここに付け加えておく。
 上記にあげた22施設のデータからもわかる通り、長湯の源泉のスタンダードは、むしろ旧泉質名で表すところの「重炭酸土類泉」《新泉質名ではカルシウム(マグネシウム)ー炭酸水素塩泉》、「含土類ー重曹泉」《新泉質名ではナトリウム・カルシウム(マグネシウム)ー炭酸水素塩泉》というべきものだ。長湯の源泉の特徴は、私見では以下のようなものである。炭酸を一定量含むが、炭酸泉の規定値には達せず、泡付きもほとんどない。湯口からは金気臭がして、色は緑濁から茶濁、浴感としてはさらさらした感じ。陰イオンでは圧倒的に炭酸水素イオンの量が多く、陽イオンとしてはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオンなどを含有しており、茶色で硬質な析出物ができやすいというもの。なお、ラムネ温泉など一部の低温泉は成分的には、ほぼ高温のものと同一だが、温度が低い分濁りが弱く、また炭酸の泡付きもある程度残っている。ただし、例え低温泉であっても炭酸泉の規定値まで遊離炭酸の量がないので、残念ながら炭酸泉ということはできない。以上、かなり専門的な説明になってしまったが、ご理解いただけたであろうか?

 最後になるが、この小冊子の巻末に、「竹田直入町温泉連絡協議会」の署名入りで、『奥豊後温泉郷の「心からのお約束」』というものが書かれている。
 そこには、「奥豊後温泉郷では3つのことを利用者の皆様方にお約束します。」という宣言文があり、
その三つ目に、「私たちは正直な温泉であることをお約束します。」と明記されている。しかし、炭酸泉ではない温泉を炭酸泉、しかも「日本一の炭酸泉」と長湯温泉が称することは、長湯温泉の利用者を欺く行為であり、この宣言文の「心からの約束」を破ったことに他ならないのではないか。
 そこに悪意があったのかどうかは定かではないが、事実と異なる「日本一の炭酸泉」のキャッチフレーズを使うことで、結果的に観光客を欺くような行為を行ったことは決して許されるべきことではない。そのようなことをしておいて、「正直な温泉であることをお約束します。」と宣言するとは聞いてあきれる話である。
 私は、このことに関して強い憤りを感じているが、その事実に気づかなかったマスコミや温泉評論家にも過失の一部はあるだろう。ただし、マスコミ関係者で温泉に関する知識がある人というのは少ないと思うので、長湯温泉のいうことを鵜呑みにしてしまったとしても、致し方ないのかもしれない。しかし、温泉の専門家である一部の温泉ジャーナリストや温泉評論家と称する人物がこの事実に気付かずに、長湯温泉のことを「国内でも珍しい高温の炭酸泉」などという誤った紹介をしてきたことは大きな問題であろう。
 事実、温泉教授と称される松田忠徳氏は「カラー版 温泉教授の日本全国温泉ガイド」(2002年、光文社新書)で長湯温泉のことを「日本では珍しい高温で上質な炭酸泉が湧出する」(372P)と持ち上げ、また、長湯温泉の老舗旅館、大丸旅館の内湯に関しては、「炭酸泉は、地表に湧出した瞬間からガスが抜けてしまうので、泉源から近いこの風呂はまさに理想的なあり方だ。高濃度の炭酸ガスが含まれた稀少な湯に、深々と浸かっていると、なんとも贅沢な気分になってくる」(373〜374P)と絶賛している。しかし、この大丸旅館は遊離炭酸が132mg/kgしかないため、炭酸泉とは言えない。しかも、もともと遊離炭酸量が少ない上に、源泉温度が46℃を超える高温なので、浴槽レベルでは炭酸はほとんど残っていないのが実情である。私はそういう事情を知っているがために、なおさら、何故、松田氏が上記のような誤った記述をしてしまったのか理解に苦しむところである。なお、数ある温泉評論家の中でも、松田忠徳氏ほど長湯温泉と関わりのある人はいない。この本以外にも、長湯温泉を自著で盛んに取り上げ、本年5月に行われた「源泉かけ流し宣言」にも同席し、講演会まで行っている。
 話がそれてしまった。
 次回は、この「日本一の炭酸泉」という表記が、景品表示法の不当表示にあたるかどうかを検証していきたい。なお、景品表示法の不当表示にあたるかどうかに関しては、公正取引委員会が最終的な判断を下すものである。

閉じる コメント(1)

顔アイコン

御前湯には、ご指摘の件を表示して有りました。
七里田温泉下の湯は、炭酸泉と言えると思います。
炭酸ガス中毒で二名亡くなったそうです。

2008/6/2(月) 午後 3:49 [ 新ちゃん ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事