温泉バカンス

不当表示、分析書改ざん、無許可飲泉利用など長湯温泉で現在起こっている一連の問題を温泉レポートにて徹底追及中!

温泉レポート(38)

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  以前、この『長湯温泉は「日本一の炭酸泉」か?』というレポートの(10)および(11)、そして(13)で、ラムネ温泉、かじか庵、長生湯、御前湯、天満湯、千寿温泉の現在の遊離二酸化炭素(=遊離炭酸)含有量が以前と比べ明らかに減少していることを、温泉分析表に基づく具体的な数字を挙げて解説した。
 上記に挙げた6つの温泉施設の現在の源泉は、残念ながら、他の長湯の温泉施設同様、最新の分析表では炭酸泉の基準値(1000mg/kg)をクリアできていないため、炭酸泉ということができない。
 しかし、以前のレポートで指摘したように、長生湯と天満湯は今から40年以上前にあたる1960年代前半においては、炭酸泉の基準値(1000mg/kg)を堂々とクリアしていたのである。
 データの詳細は以下の通りである。
<左から、施設名、分析年、遊離二酸化炭素含有量>
長生湯 1962年(昭和37年) 3000mg/kg 情報提供:長湯温泉.com
天満湯 1964年(昭和39年)1267mg/kg 情報提供:長湯温泉.com

 
 ただ、残念なことに、長生湯の遊離二酸化炭素含有量 は2005年(平成17年)には539.3mg/kgまで減少し、天満湯も2005年(平成17年)のデータでは111.2mg/kgと1964年の水準の十分の一以下にまで激減しており、両者とも、もはや源泉にかつての炭酸泉の面影を見ることはできない。

 また、愛泉館(もともとは温泉旅館だったが、廃業してしまったため現在は一般客入浴不可)と葛淵温泉(地元専用の共同浴場のため、一般客は入浴不可)の古い分析表があるが、両者とも分析表上の遊離二酸化炭素含有量が1000mg/kgを超えている。
 詳細は以下の通りである。
<左から、施設名、分析年、遊離二酸化炭素含有量>
愛泉館2号泉 1962年(昭和37年)11月 1369mg/kg 情報提供:大分県衛生環境研究センター
葛淵温泉 1959年(昭和34年)7月 1785mg/kg 情報提供:大分県広報広聴課


 両者とも、1950年代後半から60年代前半にかけての古い分析表であるが、現在の長湯の各温泉施設の平均含有量が300mg/kg程度だから、現在の長湯の源泉の状況と比較すると、信じられないほどに高い数値を記録していることがわかる。
 先に挙げた長生湯と天満湯の分析表もあわせて考えると、1950年代後半から1960年代前半においての長湯温泉の源泉のいくつかは、堂々たる炭酸泉であったということができよう。
 では、何故、半世紀近く時間の経過した現在、それらの源泉の遊離二酸化炭素の含有量が減少し、もはや炭酸泉の最低ラインさえ維持することができなくなったのだろうか。

 様々な要因が考えられるが、最も有力な説が、過度の源泉掘削である。
 事実、平成18年10月10日付けの竹田直入温泉連絡協議会会長および長湯温泉旅館組合組合長の連署入りの回答書の中に、「長湯温泉には20年前、源泉の数が20程度でしたが、その後新規掘削が行われ増加しています。源泉の増加が結果的に、遊離二酸化炭素の含有量を低下させたことは否めませんという箇所がある。つまり、長湯温泉旅館組合は、遊離二酸化炭素含有量減少の主原因は過度の源泉掘削であると認めているのである。
 また、財団法人中央温泉研究所所長の甘露寺泰雄氏は温泉の未来(松田忠徳・阿岸祐幸・大河内正一・甘露寺泰雄共著、くまざさ出版社、2005年)の中で、
長湯温泉について次のような発言をしている。「長湯はかつて(遊離炭酸含有量が)1700か1800ppmありました。でも先月行って測ってきましたが、ラムネ温泉で980ppm程度でした」そして、あんな場所で40本近くも源泉があるなんて、掘りすぎですよ。新しく掘ったら温度が上がったと喜んでいましたけど、良い面もあれば悪い面も出てくると続けている。
 この発言から、甘露寺泰雄氏も長湯温泉旅館組合と同様に、過度の源泉掘削が遊離二酸化炭素含有量の減少をもたらしたと認識していることがわかる。
 さらに、もう一つ長湯温泉の遊離二酸化炭素含有量が減少していることを示唆する内容が書かれた資料を紹介しよう。それは大分県温泉管理基本計画(平成13年3月発行、大分県生活環境部生活環境課、※1)である。
 この冊子のP58に長湯温泉に関して、炭酸水素塩泉が多くなっている」「近年、遊離炭酸の含有量が減少傾向にありという記述があり、その解決策として「掘削を一定程度、規制する」必要性が説かれている。

 既に、昭和30年代後半に長湯温泉は掘削源泉の増加により、源泉全般のガス圧が低下し、自噴できない源泉が増加するという一つ目の危機を迎えている。一部の源泉は枯渇状態となったという記録も残っているが、この最初の危機以降、遊離二酸化炭素の含有量は減少の一途をたどることになる。
 これらのエピソードが示すのは「温泉は有限なもの」だということである。
 長湯温泉ではここ40年の間にボーリング技術の普及とともに、狭いエリアで、源泉の掘削が過度に行われたことは否定できないが、幸いなことに現在の長湯温泉は、ほぼ全域で温泉掘削の保護地域(既設泉から150m以上離れていないと新規の掘削を認めない地域)に指定されているため、これ以上、過度の掘削が行われる心配はないと考えてよいだろう。
 しかし、惜しむらくは、遊離二酸化炭素の減少が「過度の掘削」という人為的なものによってもたらされてしまったという点である。
 平成18年10月10日付けの竹田直入温泉連絡協議会会長および長湯温泉旅館組合組合長の連署入りの回答書の中に、日本温泉協会理事の酒井谷兵氏が、長湯温泉のことを「お世辞ではない。国宝になるべき温泉なれば、十分注意して宣言を保護せねばならぬ」と評したいう箇所がある。
 酒井氏は長湯温泉の泉質を激賞する一方、十分注意して泉源を保護せねばならぬという警鐘を鳴らしているのであるが、この先見性のある警鐘が活かされることはなく、その後、長湯温泉では、狭いエリアの中で競うように過度の掘削が行われた。
 過度の掘削により、長湯温泉は「高温の源泉」を得ることができたが、その代償として、貴重な「炭酸泉」を失なってしまった。その代償はあまりにも大きかったと言えよう。

長湯温泉の温泉掘削保護地域
http://www.pref.oita.jp/10550/onsen/map/1-2-6.html 

※1「大分県温泉管理基本計画」(平成13年3月発行、大分県生活環境部生活環境課)は以下のPDFファイルで閲覧可能である。
http://www.pref.oita.jp/10550/onsen/info/keikaku/keikaku1.pdf

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 昭文社の「まっぷるnet」(※1)というホームページに、長湯温泉に関する誤った情報が掲載されているのを発見した。
http://www.mapple.net/spots/G04400008702.htm
 その内容は「46度の炭酸泉が湧出し、濃度は日本一。心臓病や糖尿病に効果があり、古くから湯治場として名高い湯処。」というものである。
炭酸泉が湧出し、濃度は日本一」という部分が明らかな誤りである。また、長湯の大半の源泉は単なる炭酸水素塩泉(※2)なのに、「心臓病」に効果があると書かれているのもいかがなものかと思う。当然ながら、単なる炭酸水素塩泉には「心臓病」の効能はない。

 この点に関して、「まっぷるnet」に問い合わせたところ、
「私どものHPに記載の“濃度”日本一という表現は、上述からご理解いただけますように、少なくとも《濃度》という内容につきましては、ご指摘のように、根拠に乏しい内容表現であると受けとめておりまして、今後は実情に合わせて訂正していく所存でおります。」との回答を得たので、近日中にこの誤った内容は書き換えられるであろう。

 また、「“濃度”日本一」の根拠を聞いたところ、
「たいへん恐縮なのですが、長湯温泉のPRの受け売り表現でしかありません。私どものHP・ガイドブックの文章表現等は「掲載料をいただいた広告」ではありませんが、基本的に《先方様の確認に基づく内容》を掲載しております。基本的には、そのようなものであるとご理解いただければ幸いです。今後、状況と必要に応じ訂正していく所存です。」という返答が返ってきた。
 
 つまり、「まっぷるnet」は長湯温泉側の言い分をそのまま受け売りで書いたというわけである。もし、その内容が事実ならば、編集者が受け売りで書くことは一向に構わないと思うが、その内容が事実に反していた場合、とんでもないことになる。何故なら、読者は何の疑いもなく、その誤った情報を信じてしまうからである。
 もちろん、この情報の掲載に関しては、責任の大半は長湯温泉にあるので、「まっぷるnet」を必要以上に責めることはできない。
 しかし、「まっぷるnet」は今回のことを教訓として、今後、何らかの情報を掲載する場合は、その情報が正しいかどうかしっかり精査してから、記事を掲載してほしいと思う。

(※1)↓まっぷるnet
http://www.mapple.net/
(※2)ドイツ村温泉の源泉は長湯のスタンダードである炭酸水素塩泉ではなく、単純温泉であるので、「大半の源泉は」という表現を使った。

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 前回のレポートで、長湯温泉にある22の温泉施設の遊離炭酸含有量(改正版)を公表した。
 今回はその22施設以外で、新たに二酸化炭素の含有量が判明した温泉施設が二箇所あるので、ここに紹介したい。

 まず一つ目は郷の湯旅館である。この旅館は長湯温泉にありながら、旅館組合には加盟せずに独自路線を貫いているというユニークな温泉旅館だ。
 分析表によると、郷の湯旅館の遊離二酸化炭素含有量は176mg/kgで、泉温51.8℃のマグネシウム・ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩泉である。
(分析日:平成11年12月15日)
 したがって、郷の湯旅館は遊離二酸化炭素含有量からも、泉質名からも他の長湯の温泉施設と同様に炭酸泉でないことがわかる。
 しかし、この郷の湯旅館は長湯の大多数の温泉施設が使用している「日本一の炭酸泉」というキャッチフレーズを一切使わず、宣伝しているところが素晴らしい。(このような客観的事実に基づいた当たり前の宣伝手法を通例、素晴らしいとは言わないだろう。ただし、事実に反する表示を行っている温泉施設が大多数の長湯温泉で、あえてそれを行わない姿勢と言うのは非常に貴重で、そういう意味では、やはり素晴らしいと思う)
 この郷の湯旅館のホームページをご覧頂きたい。
http://www.mirakuru.jp/satonoyu/
 そこには一切、「日本一の炭酸泉」という文字がない。そればかりか、炭酸泉という文字すらないのである。
このホームページ以外にも、ある雑誌で同旅館の広告を見たが、その広告は「嘘・大袈裟・紛らわしい」という部分が一切なく、全て客観的事実に基づいた非常に真っ当な雑誌広告であった。本来の広告というものは、嘘のない公正なものであるべきだが、不当表示がまかり通る長湯温泉の中で、このように真っ当な広告・宣伝を行うことは非常に勇気のいることだろうし、その姿勢には感服した。
 なお、長湯の旅館組合に加盟する旅館の中でも、一部、この郷の湯旅館のように「日本一の炭酸泉」や「炭酸泉」という表示を外している旅館もあるが、その件に関してはまた回を改めて、じっくりと検証していきたい。

 話がそれてしまったので、本題に戻ろう。
 二つ目はドイツ村温泉である。このドイツ村温泉は、知らない方も多いだろうが、長湯温泉の温泉街とは、かなり離れた高台にある温泉施設である。
 ドイツ村温泉の二酸化炭素含有量はわずか23.2mg/kgしかない。これは、炭酸泉として必要な二酸化炭素含有量の最低ライン(1000mg/kg)のわずか2.32%に過ぎない。
 また、泉温も32.8℃しかなく、泉質も長湯には珍しい単純温泉である。
(分析日:平成6年9月26日)
 なお、このドイツ村温泉は以前、日帰り入浴も可能だったのだが、いつの間にか宿泊者しか入れないようになってしまった。
 ただし、現在のドイツ村温泉は温泉が止っているので、宿泊者でさえ浴場を利用することができなくなっている。私もつい先日、このドイツ村温泉の前まで行ったのだが、温泉施設に関しては、完全に閉鎖状態であった。
また、近くにある飲泉場も温泉がストップしているので、せっかく行っても飲むことができないのが残念である。なお、利用再開時期に関して関係者に聴いたところ、現在再開の目途はたっていないとの回答を得た。
 したがって、ドイツ村温泉がこのまま閉鎖されたままになるのか、再開するのかは現時点では全くわからない状態である。

 さて、今回新たに紹介した郷の湯旅館とドイツ村温泉の遊離二酸化炭素含有量を、前回紹介した22の温泉施設に加えて、平均すると以下のような数値になる。

長湯温泉の24施設の平均遊離二酸化炭素含有量:316.95mg/kg

 今回、新たに二つの温泉施設の数値を加えたために、長湯全体の平均含有量は前回の平均値(332.48mg/kg)よりさらにダウンしてしまった。
 これにより、ますます長湯温泉が使う「日本一の炭酸泉」というキャッチコピーと現実の長湯温泉の源泉の状況は遠くかけ離れたものになってしまっていることがわかるだろう。
 ここであらためて提言しよう。
 長湯温泉旅館組合は、事実に反する「日本一の炭酸泉」や「炭酸泉」という表示を一刻も早くやめるべきである。
 これ以上、このような不当表示を続けることは、利用者を混乱させるばかりだけではなく、長湯温泉自体にとっても大きなマイナスである。

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 「奥豊後温泉文化伝」(2006年3月発行)に掲載されている長湯温泉の温泉施設(全22施設28源泉)の遊離二酸化炭素含有量をこのレポートの(9)で公表したが、そこには、ラムネ温泉及び御前湯の最新のデータが反映されていなかった(※1)ので、あらためて最新のデータを加味して、全源泉の平均値を割り出してみると、その平均値は332.48mg/kg(ppm)となった。詳細は以下の通りである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <長湯温泉の各温泉施設の遊離炭酸含有量・改正版>※左から、施設名、遊離炭酸含有量《単位は全てmg/kg(ppm)》、分析年月日の順に並べた。
(1)御前湯 (46.8℃の源泉)296.8  (47℃の源泉)71.5 (31℃の源泉)106.8 平成17年10月27日
(2)千寿温泉 256.9  平成17年1月12日
(3)ながの湯 462.1 平成11年8月20日
(4)旅の宿上野屋 349.5 平成17年1月12日
(5)丸長旅館 144.0  平成12年2月15日
(6)万寿温泉 大山住の湯 195.8  平成10年12月16日
(7)水神之森 927.7  平成10年4月13日
(8)豊泉荘別館 468.7  平成17年3月16日
(9)山の湯かずよ 297.0  平成7年5月10日
(10)宿房翡翠之庄 159.8  平成16年12月21日
(11)かじか庵 464.3  平成17年3月16日
(12)長湯憩いの家 226.0  平成17年1月12日
(13)旅館紅葉館 144.0  平成12年2月15日
(14)国民宿舎直入荘 (源泉1)649.0 (源泉2)477.4  平成11年4月12日
(15)大丸旅館 (源泉1)137.0 (源泉2)132.0  平成7年3月8日
(16)御宿友喜美荘 155.4 平成17年1月12日
(17)旅館中村屋 
   (源泉1)208.3 (源泉2)274.5 平成17年1月12日
(18)やすらぎの宿 かどやRe 353.9 平成17年1月12日
(19)長生湯 539.3  平成17年1月12日
(20)天満湯 111.2 平成17年1月12日
(21)ラムネ温泉 (32℃の源泉)669 (42℃の源泉)510 平成17年7月22日
(22)ガニ湯 521.7 平成17年1月12日
 上記22施設28源泉の平均値 332.48

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ラムネ温泉と御前湯の最新の分析表データを加味すると、その平均値は、このレポート(9)で公表した366.03mg/kgから30mg/kg程度減少し、最終的には332.48mg/kgとなった。

 上記の分析結果から、以下のことがわかる。

(1)上記22施設28源泉は全て炭酸含有量が炭酸泉の基準値(1000mg/kg)に達していない。
(2)したがって、
上記22施設28源泉は全て炭酸泉ではない。
(3)上記22施設28源泉の平均の炭酸含有量は、炭酸泉として必要な炭酸含有量の最低ライン(1000mg/kg)の33%程度しかない。
(4)上記22施設28源泉のうち、100ppm以下のものが1源泉、100ppm台のものが9源泉、200ppm台のものが5源泉ある。
したがって、28源泉のちょうど半分以上にあたる15源泉が299ppm以下という低含有量の源泉である。


 このデータを見れば、長湯温泉が炭酸泉でないことは一目瞭然であろう。
 しかし、それでもなお長湯温泉は「日本一の炭酸泉」というキャッチコピーに拘泥し、分析表を無視した偽りの泉質名を名乗り続けている。これはある種の泉質偽装といっても言い過ぎではないだろう。
 一昨年、白骨温泉野天風呂への入浴剤混入事件を皮切りに、温泉偽装問題が世間を騒がせたが、この長湯の偽装問題は、それらの問題よりもより複雑で、巧妙なものである。
 このレポートでは、この様々な問題をはらんだ長湯温泉の偽装問題を引き続き、掘り下げて追求していくつもりである。
 
 ところで、私がこの問題を認識してから、様々な方面から長湯関連の資料を収集した。その資料は膨大な数にのぼるが、資料を収集するにつれ、長湯温泉に関する不当表示は、概ねこの10年の間に集中的に行われていたことがわかった。そして、不当表示以外にも、その資料の中から不可解なものが浮かび上がってきたのであるが、その問題に関しては、いずれこのレポートで鋭くその全容を明らかにしていきたい。

(※1)ラムネ温泉には平成17年7月22日の分析表があるのに、2006年3月発行の奥豊後温泉文化伝にはそれ以前の古いデータが掲載されていた。また、同様に御前湯にも平成17年10月27日測定の分析データがあるのに、平成10年10月14日の古い分析データを載せていた。

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 旅行読売12月号のP50に、長湯温泉の「かじか庵」に関する記事があり、その記事の中に、「長湯温泉は、炭酸の含有量日本一を誇る」という明らかな誤りの記述があることをこのレポートの(12)で指摘した。
 この件に関して、旅行読売の編集部に誤りを指摘したところ、以下のような返信メールが届いた。

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旅行読売出版社編集部です。ご連絡が遅くなり申し訳ありません。
12月号に対するご質問について返信します。

ご指摘の後、長湯観光協会に事実を確認しました。
結論から申しますと、メールに記されている通り、長湯は「炭酸の含有量日本一」ではありません。これはひとえにこちらの調査不足の結果でして、誤解をまねく表現を使いましたことをお詫び申し上げます。
申しわけございません。今後、気をつけます。

以下に経緯を述べます。

当該記事は、担当ライターが手持ちの資料や観光協会からの情報をもとに書き、
編集部でチェックして校了になりました。
原因は…硬鬚つて「日本一の炭酸泉」とかキャッチコピーでうたっていた、
∪分について弊社編集部で細かくチェックしなかった、の2点に集約されます。
以前は泉質の成分が明文化されておらず、「言ったもの勝ち」という要素がありました。

昭和の頃、「バブ」という入浴剤が登場したときに、その7倍の炭酸量があるという調査結果が出たため、「日本一」とうたうようになったそうです。温泉の成分表示が問題化してから数値の明示が常識となりましたが、ライター並びに編集部のチェックにもれ、このような表記が残ってしまいました。
実際、長湯観光協会内でもこの「日本一」という漠然とした呼称が問題となっており、変更を検討中とのことです。
先方がうたっているのが源泉数という解釈もありえますが、いずれにしても「炭酸の含有量日本一」は間違いです。

誤りをご指摘くださり、またご丁寧に資料までつけていただきまして、ありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い致します。

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 上記の文章中で、興味深いのは「言ったもの勝ち」という表現である。
おそらく、これは客観的な根拠もなしに、炭酸泉でない長湯温泉が「日本一の炭酸泉」「日本一の炭酸含有量」ということを声高にキャッチコピーとして使用したことを言っているのだろう。
 また、『昭和の頃、「バブ」という入浴剤が登場したときに、その7倍の炭酸量があるという調査結果が出たため、「日本一」とうたうようになったそうです。』と上記のメールには書かれているが、これはいささか不可解である。
 というのも、バブの7倍の炭酸量というのは、一見多そうに思えるが、実はわずか700mg/kgに過ぎず、炭酸泉の最低ラインである1000mg/kgに及ばないのである。つまり700mg/kgの炭酸含有量では炭酸泉を名乗ることができないのだ。
 1000mg/kg以上の炭酸含有量の温泉地(つまり炭酸泉の温泉地)は全国に数十箇所あるが、700mg/kg程度の炭酸含有量の温泉地となると、その数は倍増するだろう。
 だから、バブの7倍程度の炭酸含有量で日本一とするのは全く理解に苦しむのである。(なお、以前に引用した奥豊後温泉文化伝《2006年3月発行》に掲載されている長湯温泉の全22施設28源泉の平均値は360ppm程度しかないので、さらに日本一からは遠ざかる
 なお、この調査というのは1985年(昭和60年)に花王が行った全国炭酸泉調査のことを指していると思われるが、この内容に関しても諸説がある。また、いずれ、このレポートでその内容に関して、検証していきたい。
 なお、日本一に関して、「源泉数という解釈」もありうるとの記述があるが、確かにその源泉が炭酸泉ならば、炭酸泉の源泉数が日本一という解釈は成り立つ。
 しかし、長湯温泉は全ての源泉が炭酸泉ではないのである。それならば、いくら、源泉数が・・・といっても、その時点で炭酸泉日本一という解釈は成り立たなくなる。
 なお、長湯温泉の現在の源泉数は50程度(63という説もあり)となっているが、その湧出量とともに、現在はっきりとした数字がわからない状態である。いずれ、このレポートでその件に関しても深く切り込んでいきたい。
 なお、源泉数日本一の温泉地は同じ大分県の別府温泉である。その数は、なんと2841もある。(平成15年3月末現在、環境省資料による)


 

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