ある一人の通信制の高校に通学する相談者(Aさん)とお母様が窓口にいらっしゃいました。
みるからに Aさんはうつろでした。
まず、目を合わさない。色白で、背中を丸め
嫌々連れてこられた、という感じがしました。
来年卒業するAさんに仕事を紹介してほしい、というお母様。
Aさんにどのような仕事がしたいのか伺ったところ、
下をむいて 「何でもいい」
「お金はあるから、少し働ければいい。アルバイトでも・・・」
と頑なな様子。
そういうAさんの「働きたくない」という気持ちを受け取った。
「働くの、大変だものね・・・」と、受容し
普段の生活の質問に変えた。
Aさんの生活の話、時間制限なしのゲームの話、ゲーム以外に楽しいこともない、友達がいない・・・
Aさんの「生きる」ことへの意欲を失ってしまったかのような日常。
そして、それでも「生きられる」世の中・・・。
この後、まずは、毎日1歩でもいいから、外へ出ることができるかどうか
尋ね、そして「仕事の相談でなくてもいいから、おいで」と伝えた。
お母様には、求人情報誌のこと、訓練校のこと、若者サポートステーションのこと
をお話しし、相談を終えた。
「働くこと」は、その前に「生きることに対して意欲を持っていること」だろう。
逆に 「働けば、生きることに対して意欲を持てるようになる」のだろうか?
いや、そんな世の中ではなくなってきている。
選考して、いい人材を求める事業所ばかりで、だれでもいいから育てるよ、なんて
ところは少数だろう。そう、Aさんは、働けない。例え、短時間でも。
通信制の高校は増えている。
Aさんのような生徒が増えているということ。
受け皿は必要だけれど、他者との関わりの薄くなる通信制へ流れないために
みんなで努力をしなければいけない!
「他者や社会との関わりの中で、様々な役割を担いながら生きていく中で
変化し、積み重なり、つながっていく。これが、『キャリア』の意味」
他者や社会との接続をこれからどのように構築していくか、
そして、生きることの楽しさを感じること
これがAさんの課題である。
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