気まぐれ日記

気まぐれグランピーの世相やぶにらみ

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2月11日(土)
 歴史に学び平和を考える2.11集会。今年の講演は『未来をひらく歴史』の意義と可能性、と題して早稲田大教授の大日方純夫先生が、日中韓3国共同編集による共通認識の歴史本について語った。

 大日方先生は『未来をひらく歴史ー東アジア3国の近現代史』の日本側編集・執筆代表者で、この本が生まれるまでの経緯と意義を、生みの苦しみなど実際に携わった方ならではの視点で話してくれた。内容のブリーフィングは、もっと適正なサイトがあるだろうからそちらに任せるとして、私が印象に残った点を少し整理してみたい。

 刊行の基本は自国中心・排外的歴史観の克服、力と戦争を肯定する国際観の克服であるというが、それにしてもどうしても相容れない点の解決策として、別枠コラムを設け両論併記したという。
 「天皇」の扱いについても、皇帝、国王、との比較で、天皇はどこに位置するかで議論になったようだ。

 今回の刊行は歴史共通認識のスタート地点にやっと立ったという感覚で、結論を断定するのではなく問題点を投げかけ、考える余韻を残している。日中韓共に国定教科書、検定教科書という制度があるため、実際に教科書として使用されている例はまだどこにもないが、副読本に使用例がぽつぽつ見られる。
 
 日本では発売にあたって日テレの取材を受け、1時間ほどインタビューされたのに、実際の放映は自民党議員らの反対意見ばかり流されて、先生のインタビューはほとんどカットだったとか。でも本屋で平積みされている映像が映ったせいか、売れ行きは順調のようだ(現在7万部)。昨日はイギリスBBCも取材にきたそうで、英語版の出版も検討中だという。

 戦争に関して、、、去年は戦後60年と言われた年だったが、1945年を中心にして折り返して見ると1885年の福沢諭吉「脱亜論」に行き着く。89年に大日本帝国憲法、94年に日清戦争。
この「戦争が始まった」という表現に疑問が呈された。まるで自然発生的な響きだが、戦争は決してある日突然自然発生するものではない。戦争は始まるものでなく、引き起こされるものだということ認識しなくてはならない。
そして日清戦争を初めとして昭和20年まで、日本が関わった戦争はすべて日本が仕掛けたものであること。日本国土が戦場になったことは空襲、原爆、沖縄戦を除くと、一つもないことに注目。

 本土が戦場にならなかったということは、実戦体験は兵士しかなく、他の国民の体験は副次的か伝聞である。兵士は戦争を語りたがらない。国民の多くの戦争体験は悲惨なものであることに変わりはないとしても、二次的な要素が強かったことは、市街戦を経験したドイツとの違いでもあり、戦後の戦争責任の取り方の違いにも現れている。

 ドイツはヒットラーはじめ、戦争責任者はほぼ全員即刻退陣したが、日本の場合戦争責任者が戦後そのまま政界に居残った。居残らせて活用させる方が都合が良いと占領軍アメリカが判断したからだ。同様に天皇制も残して活用の道をアメリカは選んだ。結局戦前の顔ぶれと大差ない日本。その流れが現在の日本の改憲の空気に現れている。ヨーロッパの一員を担うドイツと、アジアの一員であることを忘れていられた日本との違い。(アメリカの傘に隠れてあたかもアジアの外にいるような顔をしていた)

 歴史的に見て君主制が破壊されるのは、革命か敗戦によるのだが、日本の場合は革命(明治維新)で天皇制は逆に強化され、敗戦でも天皇制は生き延びた点が、非常にユニークである。その背景には上記のような事情もあるわけだ。

 未来をひらくためには、歴史認識の共有部分を拡大すること、そのためには市民同士の交流による、一個人レベルの歴史認識の共有深化が必要だという。
 今年の夏には日本で日中韓3国の中学生〜大学生が一同に集うキャンプが計画されているとか。
未来は政治家に任せるものではない、個人個人が築いていくものだということ、それは主権者である私たちの果たす義務でもあると思う。

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閉じる コメント(34)

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学習指導要領から逸脱しないように、現場の教師が自分の考えを押し付けるような好き勝手をさせないように、公の支配を徹底させることは当然の行政行為でしょ? 東京には過激な先生が目立つようですね。アメリカ人の親を持つ子に暴言吐いた人権侵害事件とか。<民主制破壊のために天皇制は常に利用され>よくわかりませんので具体的な事例を示していただけませんか?

2006/2/14(火) 午前 3:21 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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TOCKAさん<中韓は国家あげて歴史学習に熱心なわけです。>歴史とは自国政権の存在の正当化のための政治プロパガンダが目的ですから当然ですね。 社会科学ではなく政治宣伝そのものですから。

2006/2/14(火) 午前 3:23 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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グランピーさん<もちろん壮大な構想もすばらしいですが、そこまで広げた時の意味合いって何でしょう?>麻生氏が言うように反日反靖国の国は世界でもごく一部だということが判りますでしょ? そもそも古今東西、隣国とは仲が悪い(利害が対立する)例がほとんどです。一歩離れたところからの視点も大切です。今のままでは中韓の一方的な歴史観の押し付けになります。彼らは一切妥協しませんから、というか聴く耳持ちませんから。 学問の自由が学会に無いような国の政治的歴史観が正しいとされてしまいますよ。

2006/2/14(火) 午前 3:27 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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誰に何を言ってるのか意味不明です。まず、私は最初から指導要領にもとく検定教科書でもOKと言ってるわけです。が、当然「公の支配」に異議があれば行政に対し主権者として権利を行使します。その場合の根拠は、憲法・教育基本法による「国民の教育権」等々です。天皇制を利用した民主制破壊については、欽定憲法の時点で戦前はアウト。戦後は「君が代・日の丸」の強制を想起すれば十分。生徒の意見さえ無視し、私学の卒業式さえ行政が介入し、公安刑事まで動員する正当な根拠を示して欲しいです。

2006/2/14(火) 午後 5:46 TOCKA 返信する

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しかし、そうやって論点をズラすのも結構ですが、天皇制の評価とも関係するので戻ります。日露戦争は列強による植民地再分割戦であって、例えその時点でインド民衆が歓喜しても肯定できないし、日本の同盟国イギリスによる植民地支配も肯定できない、というのが私の見解です。その後の15年戦争も侵略戦争であって、例え一部の中国民衆が歓迎したとしても肯定できないのは同様です。その点の評価を、明示してもらわないと議論になりません。

2006/2/14(火) 午後 5:57 TOCKA 返信する

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shenggang_qibing さん、ようやく居場所を教えてくれましたね。ブログのご紹介とトラックバックありがとうございました。今日のNYタイムズでは麻生氏の意見こそ世間の笑いものだと批判してました。shenggangさんは中国のことをよく知っていらっしゃるから、批判すべき反面もご存知なのでしょう。でもそれと日本政府の悪政を弁護するのとは別問題と思いますが。ところでお名前の意味はどんな意味なのですか? 削除

2006/2/14(火) 午後 8:44 [ グランピー ] 返信する

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shenggang_qibingさんのブログ楽しいですね。トップの歴史学方法論もさることながら、「台湾捨てたのは清か日本か」の論議なんか、この島の悲哀を逆証明してて最高!。かつて、日本は支配して投資もした。その後、内省人は外省人へ反発したのも確か。けど、NIESとしての発展は、米国系外資導入による。経済従属下でのそれだから、歪な経済構造ゆえ全面賛美できないけどね。今日はブログ重いので、詳しくはいずれ。。(^^)/

2006/2/14(火) 午後 11:32 TOCKA 返信する

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<戦後は「君が代・日の丸」の強制を想起すれば十分。>これと天皇制と何の関係がありますか?大統領制のアメリカでも学校の課業開始前には星条旗に向かって敬礼ってやりますよ。国に対する忠誠心については王制だろうが天皇制だろうが大統領制だろうが同じでしょう。

2006/2/15(水) 午前 2:46 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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<日露戦争は列強による植民地再分割戦であって、>確かに朝鮮や満州の利権をめぐっての争いでしたけどね。でもあれで負けたら日本は植民地にされていましたし、有色人種の国が白人の国と戦争して勝ったという事実がどれだけアジア・アフリカの人たちに希望を与えたかということについての評価もしたほうがいいですよ。それ以後中国人留学生も増えました。その中から孫文や魯迅などの歴史に名を残す偉大な人が輩出されましたしね。

2006/2/15(水) 午前 2:53 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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省港旗兵とは、まだ変換前の香港で中国大陸から密入国してきたギャングたちを指して呼んだ言葉です。そういう名前の香港映画シリーズがあるのですが、監督の麥当雄氏は反中共思想の人で映画は中国では発禁にされています。私も皆様からしたらギャングみたいな存在なのかもねという自虐もこめての名前です。

2006/2/15(水) 午前 2:57 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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あとね、関内は侵略とされても仕方ないけど満州に関しては侵略でもなんでもないわけですよ。あくまでも中華民国や現在の中華人民共和国の立場からしたら侵略なわけでそれ自体プロパガンダ宣伝なんです。満州は満州族他非漢族の土地であり、長城を超えての漢人入植だって日本人の開拓移民と同じ立場です。軍閥が割拠していた中では関東軍も一つの軍閥で、それが他の軍閥との談合で現地軍閥の面子を立てるために溥儀さんを持ち出して満州国を建国しただけですからね。

2006/2/15(水) 午前 3:17 [ she*g*ang_q*b*ng ] 返信する

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省港旗兵さん、お名前の説明ありがとうございます。また私の知らないいろんな事をコメントしてくれて参考になります。私が反論したいのは大統領制アメリカで授業前に国旗敬礼の例ですが、あれはあのようにでもしなければ多民族国家が1つにまとまらないから、(まとまりたい気持ちは上からも市民からもある)小学校の頃からやってるのでしょう。その反動の一つはオリンピック表彰台で星条旗無視とかいろいろあるでしょう? 削除

2006/2/15(水) 午前 8:50 [ グランピー ] 返信する

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「侵略」だということで、議論の出発点に立てた気がします。国旗・国歌に関しては、グランピーさんに譲っておきます。まず私は、日本以外の列強も免罪する気はなし。「租借」という中国政府のやり方も疑問です。また確かに、東南アジアはともかく、西アジアは今でも親日派も多いです。ただイラクへの派兵でそれも覚めつつあります。そこで想起したいのは、その孫文が「日中は覇道政治でなく王道政治くべし」と提起した点です。あと蛇足ですが、今や台湾でさえ「留学なら日本より米国」となってます。

2006/2/15(水) 午前 10:43 TOCKA 返信する

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60年代後半からの香港・台湾・韓国・シンガポールの経済成長は、反共援助と外資導入そして華僑ネットワークによります。昔々「近代化」の出発点を日本が築いたことぐらいは認めます。ただこれも、中国東北部の経済成長は、日本の無理な「近代化」克服の結果という評価もあって、論証が難しいです。

2006/2/15(水) 午前 10:54 TOCKA 返信する

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確かに複雑ですが、「溥儀は日本を信頼していたが裏切られた」という文献を読んでハッとしたことがあります。「五族協和・王道楽土」といっても、日本が支配民族たろうとしたことは、その後の歴史の展開を見ても分かります。あと、この議論の最初に私が言いたかったのは、歴史教育に関して、中共や韓国より日本の方が、まだ「科学的」だということです。但し、基本知識すら定着しない現行学校制度上の問題が存在しています。

2006/2/15(水) 午前 11:10 TOCKA 返信する

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<その孫文が「日中は覇道政治でなく王道政治くべし」と提起した点です。>確かに孫文の理想を裏切った日本の姿は日本人の内省として深く反省すべきと思います。<歴史教育に関して、中共や韓国より日本の方が、まだ「科学的」だということです。但し、基本知識すら定着しない現行学校制度上の問題が存在しています。>これについては同感ですね。 削除

2006/2/15(水) 午前 11:37 [ shenggang_qibing ] 返信する

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<孫文の理想を裏切った日本>。。。中共もね(!)。PCから離れますが、またお会いしましょう。

2006/2/15(水) 午後 0:03 TOCKA 返信する

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<「五族協和・王道楽土」といっても、日本が支配民族たろうとしたことは、その後の歴史の展開を見ても分かります。>実のところは日本という国ではなく日本人がというのが正しいところかと思います。開拓移民は満州に骨を埋める気持ちでわたっていきましたし、日本を捨てて渡った人が新しい国家建設を志していました。あのまま行けばひょっとして満州と日本は米国と英国のような、分家が本家より偉そうにするような状態になった可能性もあります。満州貴族からしたら日本人は安いギャラでも地位だけ与えておけば必死で働く有能で便利な存在でした。 削除

2006/2/15(水) 午後 0:52 [ shenggang_qibing ] 返信する

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農村の疲弊をも背景とした満蒙開拓移民にかぎらず、日本人の勤勉さはあの韓国全羅道の民衆さえ認めていることを私は知っています。しかし、長期にわたった冊封体制下からいち早く近代化した日本は、やはり奢りがあったと思います。「世界最終戦論」の破綻が、いい教訓でしょう。とはいえ、米国の「冊封体制」にいるような今の日本も情けない。また、別スレで議論しましょう。。

2006/2/15(水) 午後 10:44 TOCKA 返信する

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日本は歴代中華帝国に冊封なんかされていませんし朝貢もしていませんが?邪馬台国=大和朝廷とはいいきれないし。 当時の日本人にアジア唯一の一等国といった驕りがあったり周辺諸国民に対する蔑視観があったことは事実でしょうし私も否定しません。 削除

2006/2/16(木) 午前 0:14 [ shenggang_qibing ] 返信する

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