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NHK
上記のような紹介がある、当番組を見た。
またしても持てる国と貧しい国の不平等、不公平が醜く露呈していた。日本などの大量消費国で使い古された、あるいは古くなくても捨てられた パソコンや家電などの廃棄物は E-wastes として いわゆる貧しい国へ輸出されているらしいことはなんとなく想像していた。 しかしその先のこと、 中古品にもならないものはやがては埋め立てゴミにされるのだろうぐらいしか 思わなかった。 今、そのE-wastes を巡ってお金の亡者たちが争奪戦を繰り広げていると言う。 ゴミの山の中から微量の貴金属を取り出して換金するという錬金術のような商売が業績を上げている。 鉱石から微量の金などを探し出す仕事は、貧しい国の貧しい人々が昔から担ってきたが、 今日の貴金属探しはさらに輪をかけて危険が伴うものだ。 番組では3ヶ月かけてようやく取材OKに持ち込んだという闇の仕事人の「金」採取法をあらわに映し出していた。 水槽の中には茶色の猛毒の溶液に浸かったパソコンの基盤が山となっている。 この違法業者はマスクも手袋もなしに、また別の猛毒である硝酸液を無造作にひしゃくで掬って 茶色の毒液に浸かった基盤の上に、まるで水でもかけているような調子でジャーと掛けて行く。 不気味なけむりが立ち上り、この男薄ら笑いを浮かべながら、 「この毒液が皮膚に飛んだら、そこに穴があいてしまう程危険だよ。」 「この作業をするといつも胸が痛くなり苦しくなるが、炭酸飲料や酒を飲めば治るから平気さ。」 などと言っていた。 そして20分ほど立つと、毒液の表面に基盤から溶け出した「金」が浮かんできた。 それを集めて別の業者に売るのだという。 その業者が集められた金を持ち込む先は、なんとフィリピン中央銀行だった。 番組によれば、フィリピン政府は外貨準備高不足を『金』で補っているそうで、 「どこからどうやって採取された金であるかなど問わない。金であればよいのだ。」と、 銀行の担当者は悪びれもせず言ってのけた。 問題は、その猛毒の廃液だ。 闇業者はそのまま地面に流し捨て、それは裏手の池に流れていく。 昔は魚も泳いでいたというその池は、今では悪臭漂う死のヘドロ池と化していた。 その周囲には何百人も住民がいて、裸足の子どもたちが無邪気に遊んでいる。 そんな闇業者の違法行為は同様に何百箇所で行われ、さらに増えているという。 取り締まる法はないのか、という問いに、政府は 「貧しい人から仕事を奪う事になる」と誤魔化して本腰を入れない。 一方、E-wastes の中から貴金属を採取する技術は日本が世界一長けているという。 だからかどうか、効率よく取り出す日本に任せろとばかり、ここへ来て急に 日本の非鉄金属会社などが色めき立っている。 日本企業はフィリピンの闇業者に比べれば多少は環境に配慮するだろうか? これまでも海外で事業展開する日本企業による環境破壊、現地人の健康破壊は 何件も問題化しているが、今度の問題はどうなのだろう、、、。 言うまでもなく企業がE-wastes に注目し出したのは、資源が高騰しているためであり、 ゴミ問題や環境問題に興味を持ち出したわけでは、さらさらない。 要するにお金の問題である。 貧しい国のお金の亡者と、富める国の資源漁りの企業とが、ゴミのぶん取り合戦を行っているわけだ。 廃棄物の中から、再利用できる資源を取り出す、という一見まともな行為でありながら、 一つ間違えばとんでもない環境破壊、健康被害をもたらす問題が潜んでいる。 健康被害が表面化する頃には、事態は取り返しが付かないほど進んでいるのだろうか? 毎日パソコンを使っている者として、知らん顔できない問題が明るみになった番組だった。
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環境を考える
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