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6日夜東大で開かれた立憲デモクラシーの会主催の「立憲主義の危機」シンポジウムは、各紙報ぜられているように1400名余が押し寄せ、ネット中継した第2会場も満席という超満員状態だった。私も立ち見の一人だった。 京都大名誉教授で憲法学者の佐藤幸治氏の基調講演が熱が入るあまりか時間延長し、後半の安保法制についてのシンポジウム(パネリストは佐藤氏;樋口陽一・東京大名誉教授;石川健治・東京大教授)の時間が少なくなって残念だった。 「佐藤幸治先生は、橋本政権以来行政・司法制度改革のブレーンとして活動された。いわば、統治エリートの知恵袋だった。」と立憲デモクラシーの会の共同代表山口二郎氏が述べているが、現政権の非立憲性、権力の濫用とからめて、かつての橋本元首相の政治手法特に沖縄問題への真摯な姿勢を紹介し高く評価した。 このようなシンポジウムで少し唐突に思えたが、しかし私には判断できない。 ちなみに衆院審査会で参考人全員が「安保法制は憲法違反」として批判した件で、当初自民党は、この佐藤幸治に証人の要請をしたそうだが佐藤氏が断ったと言う。 http://mainichi.jp/feature/news/20150606mog00m040002000c.html 佐藤氏はこのシンポジウムで発言したように「違憲性」「非立憲性」を衆院審査会で参考人として主張する選択肢はなかったのだろうかと思った。いちがいに何とも言えないが、自公の推薦による参考人でありながら「違憲」とした憲法学者の発言のインパクトを一層感じた。 佐藤氏は基調講演で、ポツダム宣言は戦勝者の論理を超えた、いわば世界史からの要請であるとした。世界中の何千万人もの戦争の犠牲者の命と引き換えにした国際社会への約束事だから、簡単に忘れたり、軽視したりするものではないと警鐘を鳴らした。 勝てば官軍、のようにポツダム宣言を矮小化する向きもあるが、世界史の一員として俯瞰すべきだと思った。 会場となった東大の法文1号館は1935年建造の由緒ある建物らしい。数多くの歴史的事象の舞台となってきたのだろう。そして多くの東大生が去来した。このシンポジウムの発言者も次々に思い出を語った。しかしこの法文1号館で学んだかつての東大生はエリート官僚となって、現政権のような危うい暴走政権も含めて、政権・体制側に加担している人の方が多数派であろう。
それを思うと、歴史の証人であるはずの法文1号館25番教室もどこかよそよそしく見え、足早に会場を離れた。 |
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