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ジャズ好きが集って、こだわりのオーディオ機器でイチ押しの曲を聴きあうという定例会が開催されていることを知り、一見に如かずと恐る恐る参加してみたら、極上の音響環境と選曲があり、それに常連の皆さんから冷笑されることもなく、緩やかな同好の輪に入れていただいて舞い上がり、すっかりハマってしまった。
ところが最初に参加した時から気持ちを和ませてくれた、開放的で上品なテイストの会場が取り壊しの憂き目を見ることになり、このほど新たに場所を移した会場でお披露目例会が開かれた。
参加者が持ち寄ったCDを聴くだけでなく、腕に覚えのあるディスクジョッキーが毎月交代しながら特集プログラムを組んで、じっくり楽しませてくれる定例会だが、この日はオープニングに掛けて、ビッグバンドのオープニングテーマ曲特集という、なんとも嬉しい企画だった。
全17楽団のオリジナル音源を揃えたディスクジョッキーの力作の中に格別の1曲があった
―それはラルフ・フラナガン楽団の“Singing winds”
1952年4月文化放送開局と同時に放送開始となった「S盤アワー」のクロージング・テーマだというが、まだ幼児だった私はさすがにその記憶はなかった。
そこで「S盤アワー」を検索してみると、なんと1969年まで放送していたようだ。それなら記憶にあって当然の時代なのだが、そもそもS盤アワーそのものをあまり聴いていなかったのかもしれない。
ただ“Singing winds”だけは身にしみこんでいたようで、大変古い話になるが、50年前(半世紀前!)に学生ダンス競技会で“Singing winds”を初めて聴いたとき、ああこの曲は〜と当時でもありありと蘇るなつかしさでいっぱいになったのだ。あの当時の競技会でスローフォックストロットと言えば、この曲が定番だった。
(学生の競技ダンスでも格式ある試合ではフルバンドの生演奏が入ったのだからすごい時代だったもんだ。)
“Singing winds”はラルフ・フラナガン楽団の看板曲には違いないので、今回のオープニング曲特集にリクエストしたら、それなら初めからちゃんと入ってますよと言われて、そうか同好の士にはやはり1950年代の時代を映す大事な1曲なんだと嬉しくなった。
Theme songs of the Big Bands
バンド名(結成年)/テーマ曲(作曲者・作曲年)
注)デューク・エリントンを除きオーケストラの表記は省略
★デューク・エリントン・オーケストラ(1925)
初期:East St.Louis Toodle-Oo (D.エリントン& ババー・マイレイ 1926)
1941年以降:テイク・ジ“A”トレイン(ビリー・ストレイホーン 1941)
★チャーリー・バーネット(1932?) チェロキー(レイ・ノーブル 1943)
★ベニー・グッドマン(1934)レッツ・ダンス(グレゴリー・ストーネル&ジョセフ・ボニー1935
★カウント・ベイシー(1935)ワン・オクロック・ジャンプ(カウント・ベイシー 1938)
★ジミー・ドーシー(1935) コントラスト(ジミー・ドーシー 1932)
★トミー・ドーシー (1935) アイム・ゲッティング・センチメンタル・オーバー・ユー (ジョージ・ボスマン 1832)
★バニー・ベリガン (1937) アイ・キャント・ゲット・スターテド・ウィズ・ユー(バーノン・デューク 1935)
★ウディ・ハーマン(1930後期) ブルー・フレイム(ジェイムス・ノーブル 1938)& ウッドチョッパース・ボール
★アーティー・ショウ(1936)ビギン・ザ・ビギン(コール・ポーター 1935)
★グレン・ミラー(1937) ムーンライト・セレナーデ(グレン・ミラー 1939)
★レス・ブラウン(1938) リープ・フロッグ(ジョセフ・ガーランド 1939?)
★ジーン・クルーパ(1938) シンフォニー・イン・リフ(ベニー・カーター 1933)
★ハリー・ジェームス(1939) チリビリビン(アルベルト・ペスタロッツァ 1898)
★クロード・ソーンヒル(1940) スノー・フォール(クロード・ソーンヒル 1941)
★スタン・ケントン(1941) アーティストリィ・イン・リズム(スタン・ケントン 1941)
★ラルフ・フラナガン(1950):シンギング・ウィンズ(ハーブ・ハンドラー&ラルフ・フラナガ ン 1950?)
★レス・エルガート(1953) 代表曲:ドリーム(ジョニー・マーサー 1944)
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