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相変わらずママチャリで気まぐれサイクリングを続けている。 先日、世田谷通り〜環七〜中原街道〜多摩堤通りと走ってきた帰り道、ペダルの調子がまたおかしくなってきた。最近はこうなると、だましだまし漕ぎ進むしかないのだが、この時はなかなか機嫌が戻らず、根負けして近くの自転車屋に飛び込んだ。いよいよ買い換えなきゃだめかな、、と半ば観念していた。 ペダルが漕げなくなったと言うと、自転車屋のお兄さんは油で真っ黒になった手先でペダルを素早く点検し「これはかなり重症だ。」と言った。そしてこれこれこういうわけでペダルが効かなくなっていると手短に説明してくれた。 「寿命でしょうかねえ。」と誘い水をかけると、 「まあそういうことですね。」と予想通りの返事が返ってきた。 そういえばこの愛チャリに何年乗っているんだろうと、指折り数えてみたら、なんと17年目に入っていた! 人間で言えばきっと私以上に年寄りの自転車になっているんだ。 「買い換え時ってことかな? ずいぶんボロいでしょう?」と言えば、お兄さんはトントンと話を進めると思ったら意外な返事が返ってきた。 「いちど総点検してみたらどうですか?」 フェイントをかけられてしまった。 「えっ?こんなボロに? 総点検って、人間ドックみたいな? 今さらそんな価値あるかなあ?」 「もともといい自転車ですよ。このあたりの自転車に比べればずっといいものです。」と、店頭に鼻先を並べている自転車群を指さしてお兄さんは言った。 うん、そういえばこの自転車はブリジストン製で17年前に買った時は確か3万5千円ぐらいだったっけ。 「だいぶ長いこと乗っているようだし、愛着もあるでしょう?」 言われてハッとしたのだった。 「ハンドル、換えてますね?」 「わかりますか? 一度事故起こしちゃってね、、」 買って間もなくだったが、下り坂で電柱に激突して、鎖骨を折るケガをしたことがあった。 そんなこともあったが、この自転車で私はどれだけあちこち遠乗りに出かけて、どれだけ楽しい思い出ができたか。横浜、江の島、鎌倉、逗子、葉山、平塚、それから青梅、五日市、つるつる温泉、川越、それに多摩川、鶴見川、荒川サイクリングなどなど、みんなこのママチャリといっしょだった。 おかしなもので急にいとおしさがこみ上げてきた。 「良い自転車だったからここまで乗れたんですよ。衝動買いなどしないで、ブリジストンのパンフレットもありますから、家に帰ってゆっくり検討してみてください。」 逆に自転車屋のお兄さんに諭されてしまい、パンフレットを渡されて店を追い出されてしまった。 ゆるゆるペダルを漕ぎだすと、応急手当が良かったのか機嫌を取り戻してくれて無事家まで帰ることができた。 それからもう2週間以上立つ。
廃車にするよ、と脅かしが効いたのか、自転車屋のお兄さんの評価に気をよくしたのか、それともお兄さんのマジックなのか、あれ以来私の愛チャリはおかしなもので機嫌が良い。 片道1時間の定期コースも難なく乗れている。 根っからズボラなので、手入れなどまったくしないのに、よくもここまで走ってくれたものだ。 しかしそうは言ってもこの愛チャリとの別れの日はそんなに遠くないだろう。 だがまたそう言うそばから我が身を重ねて見れば、なんだ自分自身も廃車にされたって文句言えない歳じゃないかと、妙にしんみりさせられるのだ。 我が身をいたわりつつ、愛チャリをいたわりつつ、毎日大事に乗るしかないなと思っている。 |
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2013年03月13日
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