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リストカットのつもりが命を失ってしまうこともある。
リストカットを防止するのも1つであるが、そうしたくなる気持ちを汲み取らないと方法がかわるだけ。
「命を大切にしなさい!」のスローガンだけでは、存在を大切に扱われていない子にとっては非常に遠い言葉。
女性で10人に1人、男性で20人に1人。この数をどうとらえるか。
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芸能界の中でも、「リストカット」が足元を忍び込んでいる。古くは中森明菜さんが、現在では元モーニング娘。の加護亜依さんが有名ではないだろうか?
リストカットは何のためにするのだろうか? まず1つに自殺目的がある。これはサスペンスドラマで、「手首を切って自殺」という表現を安易に使っているからだろう。はっきりと言うならこれは不可能に近い。中心部を走る動脈という血管をばっさり切り捨てなければありえないことなのだ。これが難関だということは骨や静脈に守られていることを手で確かめればわかることだろう。
たいていの経験者は、浅い傷を繰り返し同じところを切りつけるのが一般的だ。その理由はさまざまだが、見捨てられた、大切な人とはなれたことで自分が傷つけられた時に発生したり、特に大きな理由もないのに切りつけることもある。自傷行為をする時の気持ちも多種多様。リストカットの直前は現実感がなくなり、その現実感を求めて切ること。「自傷中のことを覚えていない」という人もいる。一種の逃避や快楽手段になっている場合もある。
やっかいなのは中毒性があることだ。一度始めると簡単にやめられない。または次の段階へと進んでいくことがある。
少し深く切りすぎると傷口がぱっくりあいて、いつまでも血が止まらなくなる。こうなったら仕方なく、病院での縫合手術が必要になる。更に静脈を切ることができるようになると、貧血になってくる。患者の中にはいろんな手段をとって注射器を手に入れ、瀉血する人もいる。その結果、貧血の治療や輸血をするはめになってしまう。縫合手術程度の経験者ならもっといることであろう。
このリストカットだが、1999年から急激に増えだした。筆者はこれを聞いて「南条あや(故)」さんを真っ先に思い浮かべた。彼女の影響力はすさまじいものがあり、後追い自殺をした者もいるらしい。といっても南条さんを知らない人が大半なので、少しだけ彼女について書こう。彼女は中学の時からリストカットをし続け、静脈リスカや注射器による瀉血、献血ルーム回りでかなり危険な貧血になり、最期は致死量に満たない薬であるにもかかわらず、貧血で弱ってた心臓が原因となり、死亡するにいたった……という女子高生であった。
調査の結果、高校2年生で男子が5.3%、女子は10%、つまり女子の10人に1人は経験者ということになる。ここまでくると指をくわえて見ているだけでは駄目なのだ。中学や高校にもスクールカウンセラーを置くなど、何かしら対策が必要だと思う。そして精神科クリニックも足りない。
もしかしたらリストカットの流行は、思春期の若者がかかえている「不安」が表にあらわれたものかもしれない。
参考文書
こころの医学事典(2003年3月6日)
http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=24493
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