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大人の15%は人格障害
大人の7人に1人は人格障害
「疲れたー」。いろいろな人がいろいろな時に呟かれますね。疲れの原因は身体的でも精神的でもあります。精神的疲労の原因は人間関係が多いのではないでしょうか。性格的に合わない人と一緒の時は本当に疲れがたまります。離婚の原因も性格の不一致が真っ先に挙がるようです(「離婚に至る不一致」を考える 【離婚】)。最近のニュースですが、「大人の7人に1人は人格障害」(精神医学誌のJournal of Clinical Psychiatry 7月号)だそうです。どうりで性格の不一致がよく起こるわけですね。今回はこのニュースについてお話いたします。
強迫性人格障害がトップ
米国で4万3千人の大人を対象に人格障害の有無の調査が行われました。これはこの種の最初の大規模な調査です。その結果は人格障害が全体の15%と予想以上の高値でした。内訳は
7.9% 強迫性人格障害 (ルール、秩序にとらわれやすい完璧主義者)
4.4% 妄想性人格障害 (他人に対する猜疑心が強い)
3.6% 反社会性人格障害 (社会のルールを守らない)
3.1% 統合失調症質人格障害 (自閉的で感情の表出に乏しい)
2.4% 回避性人格障害 (他人の批判に敏感で、強い不安感を抱く)
1.8% 演技性人格障害 (自己顕示欲が強い)
0.5% 依存性人格障害 (なんでも他人任せにしてしまう)
(全部合計すると15%を超えてしまいますが、人格障害を複数持つ方がいるためです。)
人格障害が疑われたら専門家に相談
人格障害という言葉はその人の属する社会の一般的な人と比べてかわっているという意味で、「人格が障害されている」というわけではありません。しかし、その「かわっている」ことによって周りの人とうまくやっていけなくなったり、不幸の原因になります。人格障害の原因は生まれつきの気質、発育環境などいろいろな要素がからんでいます。人格障害が疑われたら、より良い生活を送るためにも専門家に相談されるのが良いと思います
反社会的人格障害とは?
あなたが怖いと感じる人
“羊たちの沈黙”のレクター博士は反社会的人格障害!
あなたは怖い人というと、どんなイメージを思い浮かべますか?
・ すぐ暴力をふるう
・ ストーカー
・ 何を考えているか分からない
・ 顔が怖い?
など、いろいろ挙げられますね。今回はホラー映画 “羊たちの沈黙” のレクター博士のごとく人の面を被った悪魔のような人格は実際にありうるという話をいたします。
レクター博士は人格障害!
凶悪犯罪者には人を人と見ないで物としてとらえてしまい、自己の利益の為なら他人に危害を与える事も躊躇わないタイプが多く見られることが知られています。このような性格は反社会的人格障害といわれます。その特徴としては
・ 平気でうそをついたり盗んだり暴力をふるう
・ 法律を守らない
・ 罪の意識がない
・ 自己および他者への安全を顧みない
・ 子供の頃から問題行動が顕著
反社会的人格障害の原因はよくわかっていませんが、薬物依存が多くみられることはよく知られています。なお、凶悪犯罪者に反社会的人格障害が多く見られるからといって、反社会的人格障害なら犯罪を犯すというわけではありません。
あの連続殺人犯は?
最近、お隣の国で連続殺人犯がつかまった事件、みなさまご存知ですか?金持ちの高齢者や出張マッサージの女性ら26人以上を殺害したというニュースには、声も出ないほどのショックを覚えますね。犯人は34歳の男。高校2年の時、窃盗で少年院に収監されて以来、刑務所を何度も出入りしていて、犯行後も「金持ちは反省してほしい。女性は軽々しく体を扱うものではない。」などと発言し、罪の意識が全く感じられません。これはまさに反社会的人格障害と思われます。
反社会的人格障害では傲慢で怒りやすい場合が多いのですが、表面的に魅力があり他人を引き付ける能力がある場合もあります。しかし、自分の為なら他人の事など顧みません。子どもの頃から問題行動が多いのは反社会的人格障害の特徴なので、そのようなお子さんは専門家に診てもらう必要があると思います。
異常な人格って、どんな人格?
『この人変っているナァ』と思うことよくありますか?変わっているといっても、内向的で、人とあまり交流のない人、感情の激しい人、また自我意識が強く常にみなの注目の的にならないと気の治まらない人、暴力的な反社会的な人や人間性に欠け、ロボットみたいな人など、さまざまです。
●なにが問題?
家族など周囲の人間関係がおかしくなったり、職場でもうまくいかないなど社会的機能が低いことです。
本人は自分が変わった行動をしているとはあまり自覚がないので、周囲の人、配偶者や家族の人が見かねて、相談に来るというパターンが多いです。
●人格異常とはどんなもの?
大きく3つに分類されます。
1. 奇妙で風変わりなライフスタイルの人
2. 感情面が安定していない、いわゆる情緒不安定な人
3. 不安や恐怖を強く感じる人といった具合です。
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人格障害は一般に、一生を通じて安定しているので、治療して治すというわけにもいきません。
マネジメントとしては衝動性を抑えたり、対人関係を向上させるために、心理カウンセリングが行われます。具体的には、患者さんの衝動性がどんな結果を招いたかをインタビューを通じて気づかせる方向に持って行きます。時には、過食に走ったりなどの実際の場面をビデオカメラで録画してもらい、後で本人に示したりして、本人の自覚をそくします。
不安症状や、むなしくやる気のおきないといった抑うつ的な症状など具体的な症状がある時は、ベンゾジアゼピン系の安定剤やSSRI等の効うつ剤が使われます。
完全主義者が気を付けたい心の病気
あなたの完全主義度をチェックしてみましょう。完全主義者には以下のような傾向がよく見られます。
該当するものはありませんか?
1.何かを行う時、方法や細部に拘りすぎて、本来の目的を見失ってしまう
2.完全さを追求する余り、作業を完了できないことがある
3.余暇や人間関係を犠牲にしてまで、仕事に没頭してしまう
4.倫理、道徳、規則といったことに強く拘ってしまう
5.古くなったり、役に立たなくなったものでも、なかなか捨てられない
6.金銭的にケチである
7.仕事を他人に任せられない
8.頑固で融通が利かない
もしも、4つ以上該当するなら、あなたの完全主義度は心の病気と呼べる可能性があります。
完全主義の度が過ぎたら、強迫性人格障害
前頁の完全主義のチェックリストで4項目以上が該当し、なおかつ、完全主義的な性格が原因で、日常生活に大きな支障が生じている場合は、強迫性人格障害である可能性があります。
強迫性人格障害は、女性より男性に多く見られ、幼児期に厳しい躾を受けている場合に多く見られます。精神分析学の大家フロイト(1856〜1939)によると、排泄がコントロールできるようになる肛門期 (1歳〜3歳)に親から厳しい躾を受けると、几帳面、頑固、倹約といった完全主義的な性格が形成されるそうです。
強迫性人格障害では、完全主義にとらわれるあまり、融通性を欠いてしまうのが大きな問題です。単調でルーチンな仕事なら長時間でもいとわないのに、臨機応変の立ち回りが要求される仕事は難しい。何でも真に受けて、ユーモアのセンスに欠けてしまい、気軽な人間関係を持つのが困難。また、失敗を恐れる余り、なかなか決断を下せないといった事もあります。
強迫性人格障害の経過は個人差が大きく、感じの良い人になり、社会的に素晴らしい生活を送る場合もあるのですが、年齢と共に、完全主義的な症状が強くなってしまい、うつ病など他の心の病気を併発する場合もあります。
完全主義的な傾向のある人は、まずは、肩の力を抜きましょう。ストレスが強い状態では、完全主義の傾向がより強くなり、自己の能力を十分発揮するのが難しいものです。リラックスのできる完全主義者を目指しましょう。
http://allabout.co.jp/health/mentalillness/closeup/CU20040915A/index.htm
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