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2009年12月31日 朝刊
法務省と有識者らでつくる「児童虐待防止のための親権制度研究会」(座長・大村敦志東大大学院教授)が来年一月にまとめる報告書の概要が三十日、分かった。虐待で児童養護施設に入った子どもを親が無理に連れ戻そうとする事例が後を絶たないことを踏まえ、施設長の権限を民法上の親権よりも「優越」させる規定を児童福祉法に設ける方針を明記。祖父母らが保護している場合などを想定し、親権を一時停止できるようにする民法改正の必要性も指摘する。
深刻化する児童虐待に対応するには、「聖域」だった親権の制限に踏み込まざるを得ないと判断した。民法、児童福祉法をそれぞれ所管する法務、厚生労働両省は二月にも、法制審議会と社会保障審議会で検討に入り、二〇一一年の通常国会への法案提出を目指す。
現行法で虐待通告を受けた児童相談所(児相)は、家庭裁判所に「親権喪失宣告」や、結論が出るまで親権を停止する保全処分を請求できる。
だが、期限を定めない親権のはく奪は、その後の親子関係への影響が極めて大きいうえ、家裁の判断に時間がかかる場合もあり、親権を柔軟に制限する制度の法制化が課題となっていた。
報告書には、虐待児童の養育を委託された里親も、施設長と同様に優越規定の対象にすることを盛り込む。研究会内には、親が子どもに必要な治療を拒む「医療ネグレクト」を防ぐための親権一部停止を求める意見もあったが、監護教育権などで構成される親権の一部を取り出す形での停止には異論もあり、慎重な表現にとどめる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009123102000065.html
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