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尖閣諸島問題に関連して、中国が日本へのレアアース(希土類)輸出を禁止したという報道は、中国当局は否定していたが、結局那覇地検が中国人船長の釈放をしてしまい、真偽がわからないまま終わってしまった。今回はこれで終わったが、自動車や半導体、光学製品など日本が強みとする産業で使われるレアアースは、世界的にも9割以上の産出を中国に頼っている状況だ。中には中国でしか産出しないとされている元素もある。日本の製造業にとって、政情の不安定さもある一国に資源を依存し続けるのは危険な状況だ。
実際、8月末にも中国がレアアースの輸出を制限している。
(参照記事:レアアース輸出拡大、中国側「ゼロ回答」―2010/08/29 朝日新聞社)
世界的にレアアース需要が高まる中の独占状態なので、値段を吊り上げようという意図もあるだろうし、中国の製造業企業に、日本などと比べて競争力を持たせたいという意図もあろう。したがって、こういう一国に資源を全面依存をしている状況は、今回のような政治的な問題がなくても、非常に危険な状態といえる。
で、今回は本当に中国が輸出規制してしまうと日本の製造業は終わり、なんて状況なのか、この中国レアアース問題をまとめてみる。
1. そもそもレアアースって何?レアメタルと何が違うの?
→ 日本語では「希土類」。レアアースもレアメタルの一部ですが、化学元素のIII族に属する17種の元素だけを厳密にさします
名前が似てるから良く間違えられるんだけど、レアアース(希土類)は化学的名称。一方、レアメタルは、単純に世界で産出量が少ない元素の総称で、レアアースも含む一般名称だ。
わかりにくいと思うので、以前話題になったPopsci.comの周期表を使って図示してみた。青で囲まれてるのが、いわゆるレアメタルに認定されてる元素。こうしてみると、結構あるわけです。で、その中に含まれている赤で囲んでいる17種類の元素が「レアアース(希土類)」になる。
で、それってどんなところに使われるの?と思われるだろう。昔から良く知られてる用途は、強力な永久磁石。最近は、この磁石がハイブリッド車や電気自動車のモーターで使われている。ネオジム(Nd)やサマリウム(Sm)に加え、最近ではディスプロシウム(Dy)といわれる元素が使用され、安価で効率の良いモーターを作るのに役立っている。したがって、ハイブリッド・電気自動車の最大の生産国である日本はもっとも打撃が大きいというわけ。このあたりの磁石は、MRIなど医療用機器でも大活躍だ。
また光学用途として、レーザーを作るためのガラスににネオジム(Nd)、エルビウム(Er)、イッテリビウム(Yb)といった元素が使われたりする。これらの元素が、特殊な波長の光を励起することが出来るので、レーザー用に向いている。同様に、蛍光体でも大活躍で、これらは今やフラットパネルディスプレイには欠かせない元素だ。
その他にも研磨剤や石油精製での触媒など、さまざまな用途で希土類の元素は使われている。これらは半導体やガラスなどの研磨、化学素材の生成などに用いられてるから、やっぱりそれぞれの分野でシェアが高い日本企業は、レアアースがなくなると大変な思いをするわけ。
2.レアアースは中国(チベット)が世界の9割以上を産出してるというけど、なぜなの?
さて、このレアアース(希土類)、何で中国がそんなに大量に生産してるのか、と思うでしょう。実は、中国といってもたった一箇所、モンゴルとの国境に近いバイユンオボ鉱床 (Bayan Obo)だけから生産されている。
この鉱床が有名になる前は、レアアースは世界中で産出されていた。特にアメリカのカリフォルニア州にあるマウンテンパス鉱床が有名で、1980年代には世界の50%以上のレアアースが産出されていた。実際、バイユンオボ鉱床についで、レアアースの圧倒的な埋蔵量を誇っている鉱床だ。ほかにも、オーストラリア、ブラジルなどが著名な産地だった。
ところが、バイユンオボ鉱床は、希土類の鉱質が地表面に出ているような状況で、要は掘るのにコストがかからない。中国のこの鉱床が出てきたおかげで、採掘コストに対して市況が安くなってしまい、他の鉱床は採算が取れなくなってしまった。それで、マウンテンパス鉱床はなんと2002年に休止、オーストラリアや他の国の鉱床も、採掘量を減らしてしまったのである。
このバイユンオボ鉱床の圧倒的な採掘コストの安さが「レアアース中国93%依存」というおかしな状態を生み出してしまったのだ。
3. 中国に依存しないで問題解決する方法はあるのか?
こうして原理がわかってくると、論理的に次の三つがある。
1) 圧倒的なレアアース埋蔵量を誇る米国のマウンテンパス鉱床を再稼動する
2) そのほかオーストラリア、インド、ブラジルなど稼動が低下している鉱床を再開発して規模拡大する
3) レアアースを使わない製造方法を開発する
1)だが、アメリカしても、希土類は軍事目的など多様な用途があるため、今回のような「中国による輸出停止」のリスクを考えると、鉱床の再開に期待が高まっているところだ。
実際、マウンテンパス鉱床を所有するモリコープ社はすでに再開を見込んだ資金を確保するため、2010年4月にIPOを行うなど、すでに動き始めた。まだ風のうわさだが、8月には採鉱を開始したとも言われている。
中国のバイユンオボ鉱床を「レアアース東の横綱」と呼ぶなら、マウンテンパスは「西の横綱」と呼べる採掘量が可能だ。世界的にレアアースの取引売価も高くなっており、コスト的に問題ないとあれば、今後の採掘量の増加は見込めるだろう。米国なら政治リスクも非常に低いし。あとは日本企業がよりやすく調達する、という意味で日本企業からの出資を考えられたりしませんかね?(このあたり、まったく情報なしですが)
2) はインド、ベトナムなどを中心に、すでに日本企業によるアプローチが始まっている。電気自動車のモータなどに使われる重希土類のディスプロシウム(Dy)などは、上記のマウンテンパスでは産出が難しいこともあり(中国では産出)、インドへの期待は高まっている。
昭和電工、ベトナムで「昭和電工レアアースベトナム」を稼動(2008年10月)
豊田通商、インドでレアアースの輸出権利獲得、精錬工場の建設(2010年8月27日)
また、カザフスタンやオーストラリアなどのウラン鉱床での希土類の回収プロジェクトも行われている。
住友商事、カザフスタンでレアアース回収プロジェクト(2009年8月)
このあたりは、日本の商社などがお得意な「新興国に豊富な資金と今後の安定需要を約束して参入」系。中国よりは採掘コストが高いだろうが、リスクヘッジとしては十分機能するだろう。
3)は、そもそもレアアースを使わない、という方法。これも日本企業を中心に開発がすでに始まっている。こういうものは、実際の実現には5年以上時間がかかったりするだろうが、リスクヘッジとして考えておくのは重要。
現状は中国でしか生産されないディスプロシウムを使わない、HEV/EV向け磁石の開発
http://www.nims.go.jp/news/press/2010/08/p201008301.html
レアアースを使わない研磨剤の開発(NEDO・立命館大学)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100916/fnc1009161643019-n1.htm
以上、こうしてみてみると、中国一国にレアアースを依存しているのは、一時的な問題であり、別にさほど大きな問題ではないようにみえてくるんじゃないだろうか。(ディスプロシウムだけは早期にインドを何とかしないとだが)よって、こんな輸出禁止なんて非経済的な圧力に屈する必要は特にないわけである。
(追記:Twitterで何名かから指摘された「すでに出回っている家電などの製品から希土類を回収する」ですが、どれだけ現実的なのか、私は判断できないので、知ってる人のご教示を待つです。ただ、昨日もそういう金属回収業者の株価が一瞬上がったりしましたね。個人的には、出来ても少量だし、実現にも5年とかかかるんじゃないかと思うですが。)

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