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東京都杉並区役所に2月18日、乳幼児を抱きかかえた母親たちが押し寄せた。「認可保育園に4月からわが子が入園できないのは行政の怠慢。行政不服審査法に基づく異議申し立てをしたい」と訴えた。

その後、足立、大田、渋谷、目黒の各区、さいたま市、東大阪市と続く集団異議申し立ての発端だった。中野区、川口市でも請願や要望書を突きつける動きに。その勢いに押されて、杉並、目黒、豊島、世田谷区などでは保育園の定員枠の拡大や認可外保育園の増設を打ち出さざるをえなくなった。

さながら「保育一揆」のようなママたちの異議申し立て。それほどに保育園不足は深刻である。働く女性が第一子を出産すると65%が退職を迫られているのが現実だ。

一揆が始まって2カ月後、安倍首相は「女性の活躍を成長戦略の第一弾としたい」と日本記者クラブで会見。5年間で40万人の保育環境を整えて待機児童の解消に乗り出すと宣言した。

首相が数字を挙げて待機児解消策を強調するのは初めて。それも、デフレ脱却策の金融緩和、財政出動に次ぐ3番目の成長戦略の中核として掲げたのだ。政府の規制改革会議と産業競争力会議も相次いで同様の提言をまとめることになり、厚労省は「認可保育園への株式会社参入の全面解禁」を5月中にも裁量権を持つ自治体に通知するという。

大きなうねりが起きているように見える。だが、保育園枠が40万人増えれば、本当に待機児問題が解消されるのだろうか。答えは否だ。

■「企業認可園」はたった2%

1994年の「エンゼルプラン」をはじめ、2001年の「待機児童ゼロ作戦」など国の打ち出す少子化対策は連戦連敗続き。合計特殊出生率は上向かず、待機児は依然として高水準のままである。

国や自治体の発表する待機児数は現実と大違い。緊急避難的に高額な認可外保育所に通ったり、親が退職や育児休業の延長に追い込まれたりすると待機児に算定されない。だから自治体が「新設保育園には待機児でない子どもがどっと入園してくる」と嘆くのは、自らの不明の成せること。かつて経産省は「潜在待機児は85万〜100万人」と発表しており、昨今の不況による就業意欲から実際は100万人超もありうる。でも、国の発表ではずっと2万人台だ。

需要(待機児数)をきちんと把握しなければ供給(増設保育園)計画は立てようがない。就学前児童の保育所利用率は現在34・2%。たとえ5年で40万人を増員できても40%ほどにしか改善されない。「子どもを預けられれば働きたい」という親が50%を超えるのは、多くの調査で明白。とても待機児ゼロには届きそうにない。

実は、株式会社の参入が想定通りに進むのかも疑問だ。00年の児童福祉法の改正で、認可保育園への企業参入は原則認められたが、決定権は都道府県と政令指定都市・中核市にある。

企業参入への門戸は開かれてはいるものの、「保育の安全性や継続性から不適」と拒否する自治体が多い。厚労省発表で待機児が全国で最も多い名古屋市はいまだに企業認可園がない。「利益が出なければいつ撤退するか分からないので」と、企業への不信感が強い。

このため全国約2万4千の認可保育園のうち企業運営は2%弱にとどまる。企業に課せられる特別の会計処理なども大きな障壁だ。今回の厚労省の「全面解禁」はその障壁を撤廃し、普通のサービス業として運営できるようにするものだが、思惑通りにいくかあやしい。抵抗勢力が多すぎるのだ。

その一つは、保育でなく「教育」の場に固執する幼稚園。昨年の悪い前例がある。幼稚園業界の抵抗で、国が「幼保一元化」を目指した新たな子育て施設、「こども園」構想が挫折してしまったのだ。幼稚園業界は「建学の独自精神」を主張しこども園への移行を拒否。自由選択となったうえ、国からの私学助成金も継続され既得権が残った。背後で文教族議員の暗躍もささやかれた。

認可保育園の多くを運営する社会福祉法人も抵抗勢力だ。厚労族議員は「保育に企業はなじまない」と声高に社福法人擁護の気勢を上げている。

■「育児は母親の手で」が本音

注目されるのは安倍首相の「横浜方式が成功したから全国で横断展開する」という発言だ。

横浜市は待機児減らしの優等生と評価されている。林文子市長が「保護者は顧客」と民営化を掲げ、保育園の増設に拍車をかけたからだ。10年度に全国最多の1552人の待機児を抱えていたが、認可保育園の約4分の1を企業に委ねて、2年後には179人に激減させた。企業運営が大半の認可外横浜保育室を市が助成し、150カ所あまりに広げた効果も大きい。

だが、全国的にみれば族議員だけでなく、共産党や旧社会党の影響下にある現場の保育士、その業界団体、そして自治体職員たちが地域で根を張り、企業参入を事実上阻止してきた。

象徴的なのは4月26日に開かれた内閣府の「子ども・子育て会議」初会合。こども園など新制度に向けた検討会が25人の関係者委員で発足したが、認可保育園を運営する企業人はゼロ。政府ですらまだプレーヤーの一員と認めていないのだ。自民党が林市長を招いて横浜方式の説明会を持った際は、参加した大物参院議員が「参考にならない」と吐き捨てた。

実は安倍首相本人にとって、今回の待機児解消宣言は必ずしもホンネではなさそうだ。

安倍首相は育児休業の3年延長を経済界に求めているが、その売り文句が「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」。「3歳児神話」(子どもは3歳まで母親が育てるべき)を想起させる表現はさもありなん。首相は親学推進議員連盟の会長なのだ。同連盟は「育児は女性が家庭で」との女性観を引きずる。

公明党との連立政権合意文書の幼児教育無償化も、対象は幼稚園児と重なる3〜5歳児。そもそも首相が所属する町村派は元顧問の森喜朗元総理をはじめ幼児教育に拘り幼稚園業界に近い文教族が多い。幼稚園は専業主婦の子どもたちが通っており、「女性が社会で活躍を」とは明らかに矛盾する。派閥の意向に逆らってまでも、押し通すエネルギーはあるだろうか。

高齢者問題は介護保険制度の創設で一気に愁眉を開いた。その合言葉は「介護の社会化」であった。首相が自らの殻を破り、「育児の社会化」を目指す以外に、成長実現への道はない。
 
2013年5月28日
 横浜市磯子区の雑木林で4月、長女山口あいりちゃん=当時(6)=の遺体が見つかった事件で、秦野署捜査本部は27日、傷害致死容疑で再逮捕された母親で無職山口行恵容疑者(30)=茨城県=の事件に関する詳細な供述を明らかにした。同容疑者は日常的な虐待を認め、自身が「愛されていない」と考えていた両親との生活を楽しそうに振り返るあいりちゃんに「いら立ち、ストレス、嫉妬心」を感じていたという。「引き取らなければ、死なずに済んだ」。同容疑者は、あいりちゃんの死を、そう受け止めているという。

■「しつけではない」
  捜査本部によると、あいりちゃんは2005年10月に生まれ、直後から茨城県の山口容疑者の実家に預けられた。「『ママと一緒に暮らしたい』と言われたため」(同容疑者)、11年6月ごろ、同容疑者があいりちゃんを引き取った。
  同容疑者と一緒に生活してしばらくすると、あいりちゃんは祖父母と過ごした日々を楽しい思い出として話すようになった。これに対し「私は両親から愛されていないと考えていた」という同容疑者は「あいりの口から話を聞くたび、いら立ち、ストレス、嫉妬心から暴力を振るうようになった」と供述している。
  殴る蹴る、風呂に顔を沈める、シャワーの水を顔に掛ける…。その行為は「しつけなどというものではなかった」と自ら認めているという同容疑者。さらに「(家族の中で)私が一番だと分からせるためだった」とも説明している。

■「歯向かうから」
  同容疑者と、元交際相手の建設作業員八井隆一容疑者(28)=横浜市港南区、傷害致死容疑で再逮捕=は昨年7月、同市南区のアパート浴室で、あいりちゃんに暴行を加え、死亡させた疑いが持たれている。
  暴行のきっかけは、あいりちゃんが山口容疑者の足を踏んだことだった。同容疑者は「謝らせようとしたら反抗的な態度を取ったので、風呂場に連れて行ってシャワーで水を掛けた」と説明。八井容疑者は山口容疑者に頼まれてあいりちゃんに暴行を加えた。
  山口容疑者は傷害致死容疑を否認しているが、「私に歯向かうからだ」と思いながら、八井容疑者の暴行を見ていたという。暴行後、あいりちゃんは浴室で倒れたが、山口容疑者は「捕まってしまうと考え、救急車を呼ばなかった」と説明している。

■「自由を選んだ」
  捜査本部によると、山口容疑者と八井容疑者は事件の約3カ月前、携帯電話の出会い系サイトで知り合った。山口容疑者は自らの生活について「とにかく自分の自由のある生活を選んでいた」と供述。あいりちゃんへの思いを問われると、こう話したという。「引き取らなければ、死なずに済んだし、小学校に通えた。たった6年間で人生を終わらせることもなかった」
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女児遺棄事件 傷害致死容疑で2人再逮捕、母は否認/横浜
2013年5月19日
 横浜市磯子区の雑木林で4月、山口あいりちゃん=当時(6)=の遺体が見つかった事件で、秦野署捜査本部は19日、あいりちゃんを暴行して死なせたとして、母親で無職山口行恵容疑者(30)=茨城県=と、元交際相手で建設作業員八井隆一容疑者(28)=横浜市港南区、ともに死体遺棄罪で起訴=の2人を傷害致死容疑で再逮捕した。捜査本部によると、八井容疑者は「自分がやったことは間違いない」と容疑を認めている。山口容疑者は「(あいりちゃんの)顔にシャワーをかけたが、それ以外の暴行はしていない」と供述、容疑を否認している。
  再逮捕容疑は、昨年7月22日ごろ、当時同居していた同市南区のアパート浴室で、あいりちゃんにシャワーで水をかけたり、頭部を殴る蹴るなどして死亡させた、としている。
  捜査本部の取り調べに対する2人の供述などでは、21日にDVDを観賞していた際、あいりちゃんが足を踏んだのに謝らなかったため、山口容疑者が逆上。浴室でシャワーの水をかけ、山口容疑者に頼まれた八井容疑者も浴槽の水に顔をつけたり、殴る蹴るなどの暴行を加えたという。
  県警によると、八井容疑者は「しつけで殴ったり蹴ったりした」など、死体遺棄容疑での逮捕当初から暴行を認める供述をしていた。一方、山口容疑者は「(八井容疑者が暴行する前に)自分が先にたたいた」「数回たたいた」など暴行をほのめかす供述をしていたが、その後は暴行の内容について語らなくなった。これまでの調べに、あいりちゃんに対して「あいりには悪いことをした」と話しているという。
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女児遺棄事件:容疑の母「自分が先にたたいた」/神奈川
2013年4月30日
 横浜市磯子区の雑木林で山口あいりちゃん=当時(6)=の遺体が見つかった事件で、母親の無職山口行恵容疑者(30)=死体遺棄容疑で逮捕=が、元交際相手の建設作業員八井隆一容疑者(28)=同容疑で逮捕=が暴行を加える前に「(あいりちゃんを)自分が先にたたいた」という趣旨の供述を始めたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。

 秦野署捜査本部によると、あいりちゃんは昨年7月ごろ、横浜市南区のアパートで、山口容疑者と妹(4)、八井容疑者と同居していた。

 八井容疑者の供述によると、同21日ごろ、山口容疑者が「(あいりちゃんが)私の言うことを聞かない。代わりに叱ってよ」と八井容疑者に依頼。八井容疑者があいりちゃんに殴る蹴るの暴行を加え、さらに風呂場で水をかけたり、浴槽の水に顔をつけたりした。その際、「山口容疑者も(あいりちゃんに)水をかけたり、たたいたりした」と説明。翌朝には息をしていなかったため、両容疑者は夜になって遺体を雑木林に車で運び、埋めたという。

 捜査本部によると、車を検証した結果、あいりちゃんのものとみられる血液などは見つからなかった。

 また、県警は30日午前、八井容疑者を遺棄の現場に立ち会わせ、当時の状況などを確認した。
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女児遺棄事件:「しつけで殴った」元交際相手
2013年4月25日
 
山口あいりちゃんとみられる女児の遺体の遺棄容疑で、母親と元交際相手が逮捕された事件で、元交際相手の建設作業員八井隆一容疑者(28)=同市港南区=が、あいりちゃんの死亡について「しつけで殴ったり蹴ったりした。翌朝冷たく、息をしていなかった」と供述していることが24日、秦野署捜査本部への取材で分かった。

 同容疑者は暴行した経緯について、母親の無職山口行恵容疑者(30)=茨城県小美玉市=に「『代わりに叱ってよ』と頼まれた」と説明。一方、山口容疑者は八井容疑者に従っていたとの趣旨の供述をしており、捜査本部は慎重に調べている。

 県警の調べでは、2人は携帯電話のコミュニティーサイトで出会った直後の昨年7月から約2カ月、八井容疑者が当時住んでいた横浜市南区のアパートで同居した。

 捜査本部によると、遺棄した日について、2人とも「昨年7月22日ごろ」と供述。八井容疑者は、暴行後にあいりちゃんの容体が急変、「山口容疑者に病院に連れて行くことを提案したが、『病院なんて連れて行かなくていい。大丈夫』と言われた」と説明している。

 暴行について、八井容疑者は「山口容疑者も一緒に手を出した」と供述。一方、「八井容疑者が殴ったら死んだ」と説明する山口容疑者は、「夜になって八井容疑者の車で山に埋めに行った。一緒に行った」と供述している。県警によると、八井容疑者は任意同行中の車内で「あいりが何回も夢に出てきて、うなされて眠れなかった」「吐き出したくても、吐き出せなかった」と話した。山口容疑者は「子どもがいなくなったのは悲しい」と話している。
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女児遺棄事件:「しつけで殴った」元交際相手
2013年4月25日
 山口あいりちゃんとみられる女児の遺体の遺棄容疑で、母親と元交際相手が逮捕された事件で、元交際相手の建設作業員八井隆一容疑者(28)=同市港南区=が、あいりちゃんの死亡について「しつけで殴ったり蹴ったりした。翌朝冷たく、息をしていなかった」と供述していることが24日、秦野署捜査本部への取材で分かった。

 同容疑者は暴行した経緯について、母親の無職山口行恵容疑者(30)=茨城県小美玉市=に「『代わりに叱ってよ』と頼まれた」と説明。一方、山口容疑者は八井容疑者に従っていたとの趣旨の供述をしており、捜査本部は慎重に調べている。

 県警の調べでは、2人は携帯電話のコミュニティーサイトで出会った直後の昨年7月から約2カ月、八井容疑者が当時住んでいた横浜市南区のアパートで同居した。

 捜査本部によると、遺棄した日について、2人とも「昨年7月22日ごろ」と供述。八井容疑者は、暴行後にあいりちゃんの容体が急変、「山口容疑者に病院に連れて行くことを提案したが、『病院なんて連れて行かなくていい。大丈夫』と言われた」と説明している。

 暴行について、八井容疑者は「山口容疑者も一緒に手を出した」と供述。一方、「八井容疑者が殴ったら死んだ」と説明する山口容疑者は、「夜になって八井容疑者の車で山に埋めに行った。一緒に行った」と供述している。県警によると、八井容疑者は任意同行中の車内で「あいりが何回も夢に出てきて、うなされて眠れなかった」「吐き出したくても、吐き出せなかった」と話した。山口容疑者は「子どもがいなくなったのは悲しい」と話している。
 
 
 親が養育できない子供を託せる慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、熊本市は22日、2012年度に9人が預けられたと発表した。

 前年度に比べ1人増えた。開設した07年5月以降、年度別では2番目に少なく、累計で92人となった。

 発表によると、いずれも生後1か月未満の男児6人と女児3人。うち6人は生後7日未満の早期新生児だった。
最終更新:5月22日(水)14時50分
 
 
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「ゆりかご」に昨年度は9人 北海道からも1人
 
 熊本市は22日、親が育てられない子どもを匿名で受け入れる慈恵病院(西区島崎、蓮田太二理事長)の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト20+ 件)」について、2012年4月〜13年3月までの1年間に9人が預けられたと発表した。父母らの居住地が判明したのは7人で、県内は1人。北海道から初めて1人が預けられた。

 これまでに預けられた子どもは07年度(11カ月間)17人、08年度25人、09年度15人、10年度18人、11年度8人。12年度と合わせて計92人(男女各46人)となった。

 12年度の内訳は男児6人、女児3人。すべて生後1カ月未満の新生児で、うち生後7日未満が6人だった。9人のうち治療が必要だったのは2人。障害の有無については明らかにしなかった。虐待の痕跡があったケースはなかった。

 県外の父母らの居住地は、九州内3人、中国地方2人、北海道1人。身元不明の2人は、熊本市が棄児として戸籍を作成した。

 同市中央区大江の市総合保健福祉センターであった要保護児童対策地域協議会代表者会議(46機関)で、市子ども支援課が報告。

 幸山政史市長は「遠く北海道からの預け入れや、身元が判明しない事例も見られた。自宅出産や産後すぐの長距離移動の危険性、出自の問題を踏まえ、今後も検証を続ける」とのコメントを出した。(小野由起子)
 
時事通信 5月22日(水)10時29分配信
 国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの扱いを定めたハーグ条約は22日午前、参院本会議で全会一致で承認された。衆院も承認済み。条約に加盟した場合の国内手続きを定めた実施法案も今国会で成立する見通しだ。政府は必要な政省令の制定などを経て、年度内の条約加盟を目指す。
 条約承認を受け、菅義偉官房長官は記者会見で「心から歓迎したい。政府としては実施法案の早期成立を期待したい」と述べた。
 ハーグ条約は、国際結婚した夫婦のどちらか一方が16歳未満の子どもを無断で国外に連れ去った場合、原則としていったん子を元の国に返すと規定。親権は元の国で争うことになる。
 返還を求める親に虐待や家庭内暴力(DV)の恐れがあるときは、返還を拒むことができる。返還の可否は、東京か大阪の家庭裁判所が審理する。
 返還を求める親の窓口として、外務省に「中央当局」を設置。子の居場所を特定したり、任意による返還を働き掛けたりする。 
 
 
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クローズアップ2013:ハーグ条約、期待と懸念 年度内にも加盟
 
国際結婚が破綻した夫婦間の子の扱いを定めた「ハーグ10+件条約」の加盟承認案と国内手続き法案がそれぞれ衆院を通過し、今国会で成立する見通しになった。早ければ年度内にも条約加盟が実現することになり、当事者の間には期待と懸念が交錯している。専門家からは、子の返還手続きにあたって人権に十分配慮するよう求める声が上がるなど課題も浮かぶ。【伊藤一郎、反橋希美】

 ◇連れ去られた子、返還請求可能に DVの元夫、面会求められたら…

 「自分のようなケースが起こらないよう一刻も早く条約に加盟してほしい」。熊本県の女性(42)は2006年、米国人の元夫(43)に当時11歳の長女と10歳の長男を連れ去られた。離婚の際に子供の共同養育を取り決めたが、元夫は「夏休みなので1カ月ほど2人を連れていく」と米国に渡ったきりだ。電話で理由を聞いても「お金がない」とあいまいな答えしか返ってこず、はぐらかされ続けた。ようやく渡米できた昨年8月、長男とは一度面会できたが、長女には会えないままだ。
 こうしたケースで、ハーグ条約は元の居住国に子を返還することを原則としている。「日本が条約に未加盟だと元夫は知っており、私が返還を求められないと分かって子供たちを連れて行った」。女性はそう憤る。返還手続きは条約加盟前の事案にさかのぼって適用されることはないが、それでも「同じ苦しみを味わう人を増やしたくない」と話す。
 一方、外国人の夫に無断で子を日本に連れ帰った女性が「誘拐の容疑者」として海外から指名手配されるケースは少なくない。だが、夫の家庭内暴力(DV)や児童虐待に耐えかねて逃げ帰った日本人女性もおり、「子の原則返還」を定めるハーグ条約への加盟を懸念する声もある。
 甲信越地方に住む40代女性は、米兵の男性と結婚して渡米したが、子供の前で罵声を浴びせられるなどの精神的暴力に耐えかね、04年に離婚した。平日は女性が、週末は元夫が子供と過ごすと取り決めたが、共同親権を持つ夫が病気の子供の手術に同意しないなど理不尽な行動を繰り返したため、6年前に当時7歳の子供を連れて帰国した。
 女性は「米国ではどんな親でも基本的に共同親権が認められる。子供を利用した嫌がらせのような行為に対抗するには、多額の裁判費用や知識が必要で、外国人女性には不利だ」と訴える。
 条約加盟前の事案であるため、子の返還を命じられる恐れはないものの、元夫が今後、条約に基づいて子との面会支援を日本の外務省に申し立てることは可能になる。女性は「ようやく精神的に落ち着いたのに、面会を求められたらどうしたらいいのか」と不安を募らせる。
 
 全国で2万5000人いるとされる待機児童が問題となるなか、厚生労働省は認可保育所への株式会社参入を加速させようとしています。現状でも参入は可能で、横浜市のような成功事例が生まれる一方、倒産等のリスクを懸念して参入を認めていない自治体もあります。株式会社の保育所参入は、待機児童問題を解決するのでしょうか。

 5月2日、厚生労働省は政府の規制改革会議において、認可保育所への株式会社参入を加速させるために、全国の自治体に対して「積極的かつ公平・公正な認可制度の運用をしていただくよう」通知を出す方針だと表明しました。2015年4月に子ども・子育て関連3法が施行されると、自治体は株式会社であることを理由に認可を拒めなくなります。今回の方針は、これをいわば前倒しするものです。

 現在、株式会社やNPOなども認可保育所を設置することが可能になっています。かつては市区町村と社会福祉法人に限定されていましたが、待機児童問題を背景に、2000年3月にその制限が撤廃されました。しかし、自治体によっては、自らの裁量によって株式会社の参入を認可しないことがあるのです。そのため2012年4月時点で、株式会社が運営する認可保育所は、全国で367施設と、全体の約1.6%にとどまっています。

「待機児童ゼロ」を実現しつつある横浜市では、株式会社の参入が進んでいます。2002年6月に株式会社による認可保育所が初めて設置されました。横浜市によれば「特別に誘致したわけではない」とのことですが、以降、株式会社の参入が相次ぎました。2013年4月現在で142か所にまで増えています。その甲斐あってか、2010年時点で1552名いた待機児童は、2012年4月時点で179名にまで減りました。

 逆に、株式会社の参入ゼロという自治体もあります。株式会社参入での不安材料は、公費が企業の利益として使われることに対する批判、倒産した場合に園児はどうなるのか、利益重視の運営で保育の質に悪影響が出るのではないか等のリスクです。一方で、公立園などであれば保育の質はよいという見方も一面的だという指摘があります(池本美香「幼児教育・保育分野への株式会社参入を考える」日本総研)。

 たとえば東京都世田谷区では、認可保育園の事業主体を社会福祉法人に限定しています。その理由として世田谷区子ども部保育課は、「全国的にみて、株式会社による保育所はまだその質を評価できるほどのスケールに達していない」「倒産した場合に園児の行く先が懸念される」などを挙げています。
 

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