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ガンコな性格、趣味が少ない、コミュニケーションが下手、偏った食生活、不規則な生活……これまで「なりやすいタイプ」として、さまざまな事柄が挙げられていた「認知症」。曖昧なものも多く、リスクが明確でなかっただけに、「自分は認知症になりやすいのでは」と不安を感じたり、逆に「オレは大丈夫」と根拠のない自信を持つ人もいるのではないだろうか。
そんななか、米国ボストン・メディカルセンターのエリカ・C・カマルゴ博士らが興味深い研究結果を発表した。いわく、「歩くスピード」と「握力」で、将来、認知症や脳卒中になりやすいかどうかがわかるというのである。 この研究は「フラミンガム・ハート・スタディ(FHS)」と命名された、アメリカの国家的調査研究だ。 FHSは、マサチューセッツ州のフラミンガムという小さな町で1948年から継続して行なわれている調査研究で、とくに循環器分野では高く評価されている。これまでにも、喫煙や高血圧、高コレステロール症が心臓や血管系の病気の発症リスクになることを明らかにするなど、いくつもの実績を残してきた。「危険因子」という言葉もFHSから生まれたという。 今回の研究で、カマルゴ博士らは、平均年齢62歳の健康な男女およそ2400人を対象に、歩く速度と握力、そして認知機能を記録したうえで、11年間に及ぶ追跡調査を実施。その11年間に34人が認知症を発症したが、歩くスピードが遅かった人は、速かった人に比べて認知症の発症リスクが1.5倍も高かったということがわかった。 また、MRI検査も行なっており、その結果、歩くスピードが遅い人の場合、大脳の総体積が小さく、さらに記憶や言語、意思決定などの認知力テストの成績が低いという傾向も判明したのである。同様に、「握力の強さ」も大脳の総体積の大きさと関係があり、握力が強いほど認知テストの得点が高い傾向があったという。 ※週刊ポスト2012年4月6日号
認知症 サッチャー元首相のように激高しがちだとなりやすい
「鉄の女」として知られる英国のマーガレット・サッチャー元首相が認知症を患っているというニュースが世界を駆け巡ったのは2008年のこと。長女キャロルさんの手による回顧録で、00年から症状が始まっていたことが明らかになったのだが、彼女のような人ほど、認知症になりやすいのだという。(週刊ポスト2008年9月12日号より)
1982年、アルゼンチンが南大西洋の英国領フォークランド諸島に侵攻した際、時のサッチャー首相は一貫して武力による奪還を唱えた。しかし、閣僚は皆、消極的で、それに苛立った彼女は「わが内閣に男は一人しかいないのか!」と叫んだという。もちろん、一人というのは彼女自身である。
こうした逸話をはじめ、強烈なリーダーシップを発揮して、「鉄の女」の異名を取ったサッチャー氏。認知症に最も縁遠いように思えるが、実は彼女のような人こそなりやすいのだという。
神経内科医で作家の米山公啓氏が解説する。
「サッチャー氏は激高しやすいといわれていましたが、こうした人は血圧が高くなりがちです。ハードワークでストレスも多かったでしょう。高血圧や過度のストレスは、認知症発症のリスクとなります。さらに、政界から引退し、一挙に緊張から解放されたことが影響したとも考えられます。サラリーマンが定年直後に認知症になるケースが見受けられますが、それと同じかもしれません」
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現在患者数208万人の「認知症」と「物忘れ」の違い
「最近、物忘れが激しいから、ボケが心配」
こんな心配をしている人もいるのではないだろうか? 現在、認知症の患者数は、推計208万人(厚生労働省)。ただし、予測を上回るペースで増えているというのが専門医の一致した見解で、「2015年には300万人を超える勢い」という。だが、「物忘れ」と「認知症」は違うと数千人に及ぶ認知症患者を診察してきた湘南長寿園病院(神奈川県藤沢市)のフレディ松川院長は語る。
「例えば近所の顔見知りの人の名前が出てこない、テレビの俳優の名前が思い出せないのは、たんなる物忘れで心配はいりません。しかし、自分の妻や息子や娘の名前を忘れてしまったら、認知症の疑いが非常に濃い」
何を食べたのか忘れるのは物忘れの範囲だが、食べたこと自体を忘れて「ご飯まだか?」といったりしたら注意が必要。また、自分の家にいるのにどこにいるのかわからなくなってしまい、「家に帰る」と言い出したりしたら、もう初期段階をすぎた、ボケの状態が疑われる。
たんなる物忘れは、中高年になれば誰にでもあること。認知症との違いは、忘れる内容の“重大さ”なのだ。
※週刊ポスト2010年10月8日号
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