屠られ日記!

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「リセットを、使えません」相麻菫の死から二週間。浅井ケイと春埼美空は、
七坂中学校の奉仕クラブに入部する。二人は初めての仕事を振られるが、春埼はリセットを使えずに
いた。相麻の死をそれぞれに考えるケイと春埼。ケイは、相麻が死んだ山へと向かい…
(「Strapping/Goodbye is not an easy word to say」)。中学二年の夏の残骸、高校一年の春、
そして夏―。壊れそうな世界をやわらかに綴る、シリーズ第4弾!

●ドラマチック・ショートストーリー・サクラダ

「違うよ。私の場合は、猫と人の間に境界線がないのだと思う。猫を尊重するから、相手の都合も考える」
「私もです」   「君のはただの、無関心だろう。猫がそれほど好きなようには見えない」
「私は猫グッズのコレクターです」  「へぇ、意外だな。猫が好きなのか?」
「実は、それほどでもありません」

シリーズ第四弾。
記憶を保持する能力をもつ浅井ケイと世界を三日分、元に戻す“リセット”の能力を持つ春埼美空は、
高校の入学式を終えて間もなくして、奉仕クラブの顧問・津島からさっそく最初の仕事を頼まれるのだが……。

短編が三本、ショートショートが二本。そして作品とは関係のない短編が一本、という構成のシリーズ初の
短編集。サクラダとは繋がりのない短編『パズル』はあとがきを読むまで『え、そうだったの?』と思ってしまう
ほどでして、この作品…というよりも、河野さんらしい透明感と儚げな美しさが感じられる短編でありました。

――短評――

ショートショートで春埼の普通の女の子っぽい悩みや思考も覗けたのはなかなか新鮮だったけど、
それよりも久しぶりに野ノ尾さん登場が嬉しかった短編『月の砂を採りに行った少年の話』が好みでした。

特殊な能力や環境はあれどそこにいる彼女、彼らは“ちょっと不器用なだけ”…とは言い過ぎかもしれないけど、
『月の砂〜』や『ビー玉世界とキャンディレジスト』は当人たちが純粋すぎるゆえにこの咲良田という街の異様さ
も引き立つ妙な均衡感。ケイたちのお仕事解決もいつもながら見事な手並みで納得してまとめてくれるよなぁ。

ケイのストラップに込めた思いには色々な感情があるのだろうけど、これは良い意味で捉えたい。二人は
何かに縛られて共にいるのかもしれないけど、それは決して悪いことじゃないしゆっくり時が解決すれば……。

短編でも変らぬ雰囲気がとても素敵でした。この作品の優しくもそれだけではない世界観はやっぱり好きだ。

【評価:★★★★】

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「どうして、君は死んだの?」“記憶保持”の能力をもつ浅井ケイ、“リセット”の春埼美空、
そして“未来視”の相麻菫。二年前。夏の気配がただよう、中学校の屋上で、相麻は問いかけた。
「私たちの中に、アンドロイドがいると仮定しましょう」夏の終わりに向けて、三人は考え続ける。
アンドロイドは誰?最も人間からかけ離れているのは、誰―?
二年前死んでしまった少女と、すべての始まりを描く、シリーズ第3弾。

●僕と彼女と彼女の最初の物語

「人は善人に見守られるよりも、偽善者に救われたいものよ」
「そうだろうね」  「そして、ケイ。人を救えるのは、貴方のように我儘な偽善者なのだと思う」
「僕は違う。僕は、偽善者ですらない」
「今はそれでいいわ、ケイ。でも、貴方はとても強いから、
いずれ逃げ出せなくなる。善人を演じるべきだと判断したなら、きちんとそれをやり遂げる」

シリーズ第三弾。
記憶を保持する能力をもつ浅井ケイと世界を三日分、元に戻す“リセット”の能力を持つ春埼美空、
そして“未来視”の能力を持つ相麻菫は中学二年の夏、三人のうち誰が“アンドロイド”なのか考えていた……。

今回はケイと春埼が出会った過去エピソードであり、すべての始まりの物語。そして2人を巡り引き合わせた
張本人で“未来視”の能力をもつ相麻菫との出会いが、あらためてケイと春埼の物語の原点なんだということが
分かります。彼らの抱えてる事情や人間的な部分をこの過去編で、少しでも分かることができたのは良かった。

すべては中学二年の夏の日に始まったこと

簡単に恋やら青春だのと表現できない特殊な事情を抱えている3人だけど、ケイへの距離感を“信頼”という
形で縮めてきた春埼。そして“未来視”という能力を持っているがゆえに、ケイとの距離感を素直に伝えられ
ない相麻菫。もし彼らが能力を持っていなくて出会ったなら……とも考えてしまうけど。ほんと純粋なんだよ。

結局のところ相麻菫が死んだ理由は分からないし彼女が視てる未来がケイたちにどんな影響を与えている
のか分からない。そんな謎めいたままで蘇った(?)相麻菫の目的が明かされることになるのか、分からない
だらけだが、出会いと別れを経験して、再び巡り合った彼らの物語がなにごともなく終わるはずはないよなぁ。

春埼の笑顔に涙。君はどこまでも純粋で人間らしい

さて、表紙をみて『新キャラ?』とも思ったわけですが、これは中学時代の髪の長かった春埼さん。
彼女が髪を切った理由はそのままケイへの信頼の表れでもあり、0番目のルール設定に今のケイと春埼の
関係がここで出来上がったのだな、と。ただ人間らしくもあるけど、このどこまでも純粋すぎるとこが怖くもある。

うーん、しかし。自分で読み返してもなにが言いたいのかさっぱりだ(笑)
2巻でも同じこと書いたけど、上手くこの作品の面白さを説明できる文章を持ち合わせてないんです……。

まだ語りきれてないだけに謎は多いけど、巻を追うごとに惹きこまれているのは確か。続きも楽しみです。

【評価:★★★★★★★★☆☆】

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「貴方は、貴方の未来を知りたい?」能力者が集う街、咲良田。記憶保持の能力を持つ少年・浅井ケイと
「リセット」能力を持つ少女・春埼美空は、管理局の要人に呼び出される。名前を持たず、「魔女」と
名乗るその初老の女性は、30年近く隔離され、窓一つない部屋に住んでいた。彼女の能力は、未来を見る
こと。その役割は、咲良田の未来を監視すること。そして魔女は、自身の死期が近いことを知っていた―。

●未来を見る魔女と、僕を狙う赤い目の少女

「浅井ケイの強さなんて、結局リセットの強さなんだよ。能力がなければ、なんにもできないんだ」
「それだけではありませんよ」
「どうして、そんなに先輩を信頼してるの?あいつのどこがいいのさ?」
「とても言葉では、言い表せません」

シリーズ第二弾。
異能者が集う街、咲良田。そこで記憶を保持する能力をもつ浅井ケイと世界を三日分、元に戻す能力を
持つ春埼美空は、管理局の頂点に近いとされる『魔女』と呼ばれる初老の女性と会うことになるのだが……。

世界を三日前に戻す「リセット」の能力者・春埼美空と『リセット』の能力に影響されず記憶を保持できる
能力を持つ浅井ケイがその能力によって織り成すタイムリープ系の話ですが、今回は歪なこの街の中で繰り
広げられる人間ドラマの面がかなり濃くなったことによって、物語としての重みがぐっと増してきましたね。

歪んでるけど惹き込まれる世界観はやはり秀逸

今回も超能力者が集まる街・咲良田、そして能力者たちを管理する管理局があることで生じる残酷で切ない
物語と独特な距離感を保っているケイと春埼の関係性。そして異能力がもたらす構成の妙に翻弄されっぱなし。

『魔女』の運命と赤い目の少女の目的にはそれぞれの意志の強さもあってか、ケイと春埼が『リセット』を
駆使してもなかなか上手くいかずピンチな状況にも何度か陥いりドキドキさせられたけど、それでも最後には
力技ではない、ケイなりの問題解決のやり方には前回同様に『やってくれるなぁ』と納得して頷くばかりでした。

ケイと春埼に関係に変化が起こるのかも気になります

しかし今回は、大きな流れの中のほんの小さな始まりに過ぎないきもしますね。2年前に死亡した彼女の
ことが次は大きく物語を動かすことになるんだろうけど、そのことでケイと春埼の関係性にも少なからず影響を
与えそうな気がしてちょっと怖いですね……。149ページの春埼の質問に『わからない』と応えるケイだけに。

なかなかうまくこの作品の面白さを説明できないんだけどほんと、作品をまとってる空気というか
雰囲気がただただ、すごくいいなぁと思わされるだけの説得力があります。単純にとても面白かったなーと。

それにしても村瀬さんの活躍がスゴイことスゴイこと。便利キャラというかほぼ最強というかね。
彼女の3巻での活躍も引き続き期待しておりますが、できれば野ノ尾さんの再登場もお願いしたい。

【評価:★★★★★★★★★☆】

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「リセット」たった一言。それだけで、世界は、三日分死ぬ―。能力者が集う街、咲良田。浅井ケイは、
記憶を保持する能力をもった高校一年生。春埼美空は、「リセット」―世界を三日分巻き戻す能力をもって
おり、ケイの指示で発動する。高校の「奉仕クラブ」に所属する彼らは、ある日「死んだ猫を生き返ら
せてほしい」という依頼を受けるのだが…。リセット後の世界で「現実」に立ち向かう、少年と少女の物語。

●リセットする彼女と記憶を保持する僕

「どうだろ。風鈴の音ってさ、たまに思いがけなく聞くからいいんじゃない?虹を見つけるみたいに」
「でも、いつでも虹が見られる道具があったら
素敵じゃないですか?そういうのがある遊園地とか、ちょっと行ってみたいです」
「んー。やっぱり決まった場所にあるべきじゃないと思うな。どこかで、
誰にも気付かれずにひっそりとあって、それがたまにちょっとだけ視界に入るからいい、みたいな」

シリーズ第一弾。
超能力者が集う街、咲良田。そこで記憶を保持する能力をもつ少年・浅井ケイと世界を三日分、元に戻す、
「リセット」の能力を持つ少女・春埼美空は、とある少女から猫を生き返らせてほしいと依頼を受けるが……。

はっきりいって予想以上というか……、これは、とても面白かった!

能力者がばかりの街・咲良田で、世界を三日前に戻す「リセット」の能力者・春埼美空と、「リセット」の能力
に影響されず記憶を保持できる能力を持つ、浅井ケイが能力者を管理する管理局からの依頼である少女から
の「死んだ猫を生き返らせてほしい」という依頼を受けるのが物語の始まりのお話。(タイムパラドックス系?)

「セーブ」と「リセット」を繰り返して見つかる現実

依頼をこなすために三日前に戻りますが、「リセット」の能力にもそれなりに縛りがあったり、ケイたちが時を
戻すことによって別の行動を取ると三日後には起こりえなかった事件が発生して、また新たな火種が舞い込んで
きたりと、ループすることで次第に明らかになる複線と、登場人物たちがもたらす異能力にただただ翻弄される。

先にも書いた「リセット」の縛りの一つに「リセット」の能力者、つまりは春埼までもが記憶を失ってしまうので、
ケイが上手く春埼の能力を活かすことがキーになってまして、主人公&ヒロインも2人の能力がセットになって
初めて大きな効力を発揮することが出来るんですが、この2人の関係も独特な距離感があって興味深いな。

幸せに近づくために「リセット」を続ける

どこまでも他者に興味を抱かない感情が欠落してる、その能力と合わせてケイに依存している春埼ですが、
時折チラっと覗かせるケイへの感情と、独特な雰囲気(テンポ)がこの作品の不思議な魅力を引き立ててたかも。

そんな物語ラストでは、本人が残酷と言ってたようにケイの打ち出した「仕掛け」には、どうかしているとしか
思えなかったけれど、こういう行動を取れることが出来るのも過去に取り返しのつかない出来事を経験していて
「誰かと一緒に笑えることばかりやっていきたい」と言い切っちゃうとこに思わず納得。この主人公いいわー。

特に野ノ尾さんとの「下らない会話」などの取り留めのない会話も素敵だったし、そんなとこにケイの優しさが
伝わってくる。全体的に淀みない綺麗な文章は好印象でして、優しくもそれだけではない世界観を象ってました。

2巻目も刊行予定とのことなので続きもこれは期待大ですよ。野ノ尾が再登場してくれたら嬉しいな!

【評価:★★★★★★★★☆☆】

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