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慶行 「へェ・・・本当にそっくりだな・・・。」 幸穂 「でしょう? これなんか、ね・・・見てて ・・・み ず ほ」 (呼びかける) 瑞穂 「・・・? (キョロキョロする) アー? アッ ハハッ」 慶行 「!」(絶句) 幸穂 「・・・ね?」 慶行 「・・・幸穂・・・」 幸穂 「はい」(笑顔) 慶行 「自分のお古を・・・どうしても瑞穂に着せたいって言っていたのは・・・ ひょっとして・・・、これを見せたかったからなのかな?」 幸穂 「はい」(笑顔) 慶行 「・・・(呆れながら大きな溜め息)・・・ ・・・うん? ・・・そうだ・・・いい事を思い付いたぞ。」 幸穂 「いい事?」 慶行 「ああ・・・ほら、この表紙の名前を、瑞穂に貼り替えれば、 写真を撮る手間が省けるじゃないか。 向こう5年くらいはフィルムが節約できそうだ。」 幸穂 「まあっ! 慶行さんったら! 節約が良い事だと思いますが、だからって、 我が子の成長記録まで節約しようだなんてあんまりです!」 慶行 「アッハッハッハ!冗談に決まっているじゃないか。」 幸穂 「・・・もうっ!」 慶行 「ハハハ・・・しょうがないなあ・・・ ・・・とは言うものの・・・ これだけそっくりだと・・・ 今の君と同い年に成ったらどうなるか・・・ フッ・・・ちょっと興味がある・・・かもな。」 幸穂 「私と間違えて、抱き付いちゃったりして? ・・・フフッ・・・」 慶行 「ハッ・・・まさか。 どこぞの妙な官能小説じゃあるまいし。」 幸穂 「そうかしら? でも、綺麗な子に成るのは間違いないわ。」 慶行 「うん?・・・ああ・・・だといいな・・・」 幸穂 「・・・それでね。 私、瑞穂を聖應に入れてあげたいの。 良いでしょ?」 慶行 「ふむ・・・俺は別に構わないが・・・ ・・・って、今からそんな先の話をしたって仕方がないだろう? それに、子供の将来は子供自身で決めさせるって、 君はいつも言っていなかったかな?」 幸穂 「んっ!それとこれとはお話が別ですッ。 例え子煩悩と言われようとも、子供の将来をあれこれ想像するのは 親に与えられた当然の権利ですッ。」 慶行 「そりゃまあ・・・そうだが・・・」 幸穂 「でしょ? ・・・でね、聖應に入ったら・・・ この子なら、きっと素敵なエルダーに成れると思うの。」 慶行 「エルダー?・・・ああ・・・ あそこじゃあ、そんなお祭り行事が有ったんだっけな。」 幸穂 「お祭りだなんて失礼しちゃうわ 聖應の伝統を受け継ぐ名誉職を選ぶ、大切な行事ですッ!」 慶行 「はいはい・・・フフ・・・」 幸穂 「はぁ・・・親子揃って皆のお姉さま・・・なんて・・・ ウフッ・・・素敵だわぁ・・・」 慶行 「フッ・・・そうだな・・・ 幸穂も瑞穂も、皆のお姉さま・・・か お姉さま・・・ ? お姉・・・ ・・・って? ・・・・・ええっ!?」 幸穂 (笑顔で瑞穂を見詰めている) 慶行 「・・・ ・・・フッ・・・ フフッ・・・ アッハハハハハ・・・」 幸穂 「?・・・慶行・・・さん・・・?」 慶行 「ハハハ・・・いやぁ、まいった まいった。 ・・・フッ・・・幸穂の冗談には、敵わないなぁ・・・。」 幸穂 「まあ・・・私・・・冗談なんて言っていませんわ。」 慶行 「・・・おいおい・・・まさかとは思うが・・・ 瑞穂を聖應に入れようだなんて、 本気で考えているのか?」 幸穂 「・・・もちろん、本人の意志は尊重しますけど・・・ 私は聖應を勧めようと思っています。 ・・・いけないかしら?」 慶行 「いけないって・・・な〜にを言っているんだ、 瑞穂なんかが入れる訳が無いじゃないか。 だいたい瑞穂は・・・」 幸穂 「ムッ! 瑞穂なんかとは何です!?なんかとは!?」 慶行 「あ?・・・いや・・・だから・・・」 幸穂 「ご自分の子供をそんな風に仰るなんて酷いです! そこまで仰るなら私も意地ですわ! 慶行さんになんと言われようと、 私はぜぇ〜ったいに、瑞穂を聖應に入れますッ!」 慶行 「ち・・・ちょっと待ってくれ・・・」 幸穂 「フン・・・」 慶行 「・・・幸穂・・・ 頼むから話を聞いてくれないか?」 幸穂 「・・・」 慶行 (ため息)「・・・」 幸穂 「・・・」 慶行 「・・・幸穂・・・」 幸穂 「・・・なんですか」 (むくれてる) 慶行 (安堵のため息) 「いいか? 聖應は、女の子の学校だろ?」 幸穂 「ええ、そうよ。 それが何か?」 慶行 「・・・瑞穂は、 お と こ だぞ」 幸穂 「・・・ え? ・・・」(幸穂、瑞穂を見る) (両者向き合う) 慶行 「・・・・・・」 幸穂 「・・・・・・」 (両者、瑞穂を見詰める) 瑞穂 「ブゥ〜ブブゥ〜
ハハッ」
慶行 「・・・・・・」幸穂 「・・・・・・」 (両者向き合う) 慶行 「・・・・・・」 幸穂 「クスッ・・・」 慶行 「フッ・・・」 幸穂 「ウフフフフ」 慶行 「アハハハハハ」 幸穂 「ウフフフフフフフ」 慶行 「アハハハハハハハハハ」 瑞穂 「う〜? ハハッ ハハハッ」 (つられて笑い出す) (居間に3人の笑い声が広がる) ―END―
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回想、短編集
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それは・・・起承転結の無い、とある物語の断片・・・
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