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「博覧会、中止になっちゃいましたね…。」 「うん…」 「ライブ会場も、壊れちゃいましたね…。」 「うん…」 「怪獣さんは、私たちとライブをするのが嫌だったのかなぁ…。」 「卯月…」 「・・・」 「…そんな事は無いと思う。 ただ・・・」 「?」 「…卯月はさぁ… 突然誰かに、どこか知らないところに連れて来られて、体の自由を奪われて、自分のやりたい事が何も出来なくなったら、どうする?」 「え?」 「機械の命令で手脚を勝手に動かされて、自分の意志では何も出来ない。命令が無い時も、何処に行く事も出来ず、手脚を鎖に繋がれてじっとしているだけ。 ケーキも何も食べる事が出来ず、食事は栄養剤の点滴だけ。 テレビも観られない。ラジオも音楽も聞く事が出来ない。ただ、じっとしているだけ。 そんな生活を、何日も、何日も・・・」 「…そんなの、考えられないです。お仕事が終った後は、自分の好きな事が出来るし、おいしいものが食べられるし…それに、お仕事だって…楽しいです。 だから、どうする?って聞かれても・・・」 「…そうだよね。突然そう聞かれても、考えた事も無いから、答えようが無いよね。 ゴモ…あいつは、住処のジョンスン島から連れ出されて、そんな生活を今日まで1年も強いられた。だから、自分の体を操っている機械が壊れて、手脚が自由に動かせるように成った時、あいつには、私達とライブをするとか、そんな事を考えることは出来なかったんじゃないかな。」 「ものすごく怒っていたみたいでしたね。怒って会場をめちゃくちゃにしてやろうって考えたのでしょうか?」 パビリオンもライブステージも、あいつには足元の雑草や障害物にしか見えないの。 向かった方向は、たまたま市街地だっただけで・・・・・・!」 「・・・凛ちゃん?どうして分かるんですか?」 「う…動きを見ていて、そう思ったの。わざわざ壊していた様には見えなかったから。怪獣には…人間の作った建物の価値なんて分かる訳がないでしょ。それにあいつ、尻尾が長いから、方向を変えるたびに余計に被害が広がるし…」 「なるほど…そう言われてみれば…凛ちゃん凄い観察力です。」 『取り乱して、訴えるばかりで、こっちの言う事もロクに聞いてくれなかったし…』 「・・・怪獣さんとのライブ、もう出来ないですね…」 「…うん…」 「怪獣さんに歌、歌ってもらいたかったなぁ・・・。」 「…う・・・・・・は?」 「ライブのプログラムにあった怪獣さんの歌、聴いてみたかったじゃないですか。」 「あー、あいつ、歌、ダメ!絶対ムリ!」 「・・・どうして分かるんですか?」 「え…っと、だってほら、せ…生物学的に、声帯が人間のような、歌唱に適した発達をしていないから…で…って研究所の人に聞いてさ。」 「そうですかぁ…」 「うん、きっと、大騒音で大変な事に成るって…。だから別の…」 「・・・あ、それじゃあ、怪獣さんには大きな楽器を作って弾いてもらって、ウルトラ戦士さんに来て歌ってもらいましょう。」 「なんでわ・・・あの人が出てくる訳?」 「怪獣さんとウルトラ戦士さんが仲良くライブなんて楽しそうじゃないですか。」 「あの怪獣と同じ背丈なら、大騒音で大変な事に成るんじゃないの?」 「じゃあ、怪獣さんとウルトラ戦士さんのダンスなんてどうですか?」 「いやッ!絶対に嫌ッ!!」 「ダンスをするのは、ウルトラ戦士さんですから、凛ちゃんが嫌がらなくても…。」 「多分、嫌がると思う。」 「何故ですか?」 「・・・そう思うから。」 おしまい
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「怪獣博覧会」
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〜蒼き惑星(ほし)の光の戦姫〜 第?話
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(省略した部分から)ここまでのあらすじ 頻発する怪獣の出現に対し、怪獣を人間の意のままに操る研究が、世界各国で進められていた。怪獣を掃討するばかりでなく、その能力を防衛や産業へ利用する考えが、科学者達の間から沸き上がっていたのである。 来る国際科学技術博覧会では、ジョンスン島のゴモラを用いた成果発表が目玉になっていた。 ジョンスン島での実験は見事に成功し、ゴモラ移送後の国内での実験も順調。開会前から、実用化への期待が各界で高まっていた。 ところが、開会式のリハーサルの最中に、ゴモラに取り付けた受信機が破損。コントロールを失ったゴモラは暴れ出し、会場を破壊し尽くすと、市街地に向け始めた。荒れ狂い突進するゴモラ そんなゴモラを止められるのは、もはや彼女だけです。 がっぷりと ゴモラ、このまま押し倒し… 体重2万トンのゴモラにバックドロップ。 (参考:ウルトラマンの体重は3万5千トン、カミーラは3万9千トン…) 十八番の「メガトンテール」で反撃 勝ち誇り雄叫びを上げるゴモラ。 引張って、 めいっぱい引張って ダッシュして ゴモラ、ノックダウン
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