「借用生命」

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『・・・』
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「脳の損傷は・・・無し。AED処置開始・・・」
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「蘇生可能な程度で良かった・・・」

・・・

「!?」
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「よかった・・・これでみんな助かります・・・」
「これだけの生命が有れば、生活資源の運用にも充てられる。
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みんな、元の暮らしに戻れるぞ。」

「パパ・・・ママは?」

「安心しろ。ママも凍結睡眠から解放だ」

「うわあい!早く帰ってきてね。」
「ああ、すぐに帰る。じゃあな。」
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「!?だっ・・・誰だ!?」

・・・

「う・・・あ?・・・」
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「ああっ!!」


「ぐっ!!」
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「返せ!!カメラを返せェッ!!」

「ッ・・・アンタには悪いけど、カメラに撮られたみんなの命は、元に戻させてもらってる。
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カメラだけなら、それが終ってから返すけど?」

「だめだ!頼む、せめて2000…いや、1000で良い。生命を分けてくれ!」
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「冗談じゃないわよ!!一つだって、ひと欠片だって、他の誰にも渡さない。」

「・・・
・・・それなら・・・何故私を助けたんだ?お前達から見れば、侵略者同然の私を・・・何故だ?」
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「アンタの帰りを待っている人達が居るから。
ひとまずアンタの身柄は、宇宙警備隊に引き渡すから、しばらくは会えないだろうけど。
でも、今ここで死んだら・・・」

「無駄だ・・・命を持って帰られなければ意味が無い。あのまま、ここで死んでしまっても良かったのだ。
仲間の命は全て返却に充てたとしても、奴らに・・・
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「奴ら?」
「・・・いずれにしろ、もう我々には選択肢は無い・・・」
「・・・」

「・・・やはり我々は、滅ぶべき種族だったのかもしれない・・・。」
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「!・・・ッ!」

「アンタさあ!
手段はともかく、生きようとするのに懸命なアンタ達が、
なんでそんなに簡単に自分たちの存在を否定できるワケ?
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滅びるべき種族!?誰が決めたのよ!
アンタがここで勝手に決める事でも無いし、誰が決める事でもない!
宇宙警備隊にだって、銀河連邦の裁判官にだって、そんな事を決める権限なんて持っていないわ!!
生きているのに・・・アンタの仲間だって、未来を信じて生きたいと思っているんでしょ?」

「・・・」

「お願いだから!
そんな・・・
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そんな哀しいこと言わないでよ!!」

・・・お願い・・・
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・・・
お願いだから・・・」
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「・・・」

・・・

ワイルド星人は、宇宙警備隊の移送船で銀河連邦警察に送られた。
ウルトラ警備隊の隊員の話だと、中継点まで移送したホークの機内でも、なんら抵抗する事も無く、始終沈黙していたそうだ。

命を持ち帰らなければ、自分達が滅ぶ・・・それほど切迫していたアイツは・・・
ワイルド星は・・・その後どうなったのか・・・

キャップに聞いてもらったけど、宇宙警備隊の隊長からは、
『貴女は3000人もの尊い命の危機を救った。
その人達、そして親族、周りの友人・・・大勢の人達が、貴女の行為に感謝している。
その事実だけを受け止めて欲しい。』
・・・そう言われたらしい。

そんな風に割り切れないから聞いているのに・・・。

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しばらくモヤモヤして、2週間くらいが過ぎた頃、ウルトラ警備隊から電話があった。
キャップには承諾済みで、直接私に伝えて欲しいとの事だった。

宇宙ステーションV2が、ワイルド星からの通信電波を受信した。
その内容は、私宛に送られたメッセージだった。

『地球を守り、敵の不幸に涙するウルトラ戦士に救われた命、仲間と共に、未来を信じて進む為に。

ありがとう。』

私への気休めにしか思えないタイミングのメッセージだった・・・

でも・・・、

涙はアイツしか知らないことだから・・・。




おしまい
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「シブリン!!大丈夫か?
シブリン!!」」

「ナースのヤロウ!!シブリンから離れろ!!」
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「シブリン!!応答せよ!!シブリン!!」
「どうしたんだ・・・ピクリとも動かないぞ。」
「シブリン!!シブリン!!
・・・
ホーク3号から科特隊本部!
ホーク3号から科特隊本部!!
現場に到着しましたが、大変です!!
シブリンがナースにやられました!!反応がありません!!」
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「なんですって!?ど…どんな状態ですか?」

「ナースに締め付けられたのか、まるで魂の抜け殻のようです!
あ・・・胸のランプも消えています。
・・・まさか、生命を吸い取られたのでは・・・。」

「ナースに生命カメラのような装備をさせているとは考え難いのですが・・・
恐らく・・・
ナースはワイルド星人の宇宙船でもありますから、他の宇宙船などを襲う際に使われる、
エネルギー吸収装置ではないかと思われます。
とにかく、ホーク3号のレーザーを、彼女の胸のクリスタルに照射して下さい。
活動エネルギーに変換されます。」

「了解!」
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『・・・?ホーク…3…号?』
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「シブリン!ホーク3号に、特殊素材のインシュレーターで覆われたコンテナを装備した。
これよりポインターを収容する。もう少し頑張ってくれ!!」
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「だからアンタの相手は私だって!」
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「ホラ、こっちこっち」
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「このっ!」
「フンッ!」
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「てやぁっ!!」

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「ポインターの格納を完了した!心置きなく戦ってくれ!」
「・・・了・・・解!」
「ぐっ・・・・んんんっ!」
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「でやあああっ!」

「ふぅ・・・
心置きなく…って言われたけど・・」
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「直ぐ済ませる!」

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         「だあああああああああ〜っ!!!!」

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続く
『自分たちの命を返却って…』
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『これで…ワイルド星人たちは…』

『・・・ポインター…まだあんな距離…基地まで運んでいってあげないと・・・』
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「な?」
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「なんで!?」

「バラバラでも動けるなんてデータベースに無いし!!」
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「え・・・!?
くっ付いた!?」
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「ひょっとして、止めを刺さなきゃキリが無いってオチ?」

「うぐぐ・・・」
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「んぐぅぅ〜・・・」

「てえいっ!」
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「あうっ!」
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「待ってよ!!」
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「私を倒してからにしてよね!!」
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「くっ・・・
とにかく・・・コイツを足止めさせないと・・・」
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「あっ」
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「ぐっ・・・」
「んぐぐぐ・・・」
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「ぬあああっ!!」

「ハァッ・・・ハァッ・・・」
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「うあっ!」

「ダメ!力が出せないっ!」
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「!?コイツ!何を…」

「そんな!エネルギーを!!」
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「あ・・・あぁ・・・」


続く
「話し合いをしようとでも言うのか?我々に同情して、生命カメラを返してくれるとでも言うのか?」
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「そうじゃない。何か別の方法を・・・」

「ナース! ナース! !」
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「!!」

「アンタ!」
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「そんな考えに時間を割いている余裕など無い!!
あれを持ち帰らなければ、我々の命を代わりに返却しなければならないんだ!!」

「!?それどういう・・・っ!」

「ナース!!生命カメラを奪い返せ!!そして、このウルトラ戦士を倒すのだ!」
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「ちょっと!」


「うわー!!」
「ああっ!」
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「うう・・・」

「・・・」
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「くそっ!ウルトラシールドでも、ナースの侵入は阻止できなかったのか!!」
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「ダメッ!追い付けない!」

「しまった!ホバーシステム・・・」
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「うわーっ!!」

「このっ!」
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「大丈夫?」
「…ああ…カメラは無事だ…ううっ」
「カメラじゃなくて、アナタの方・・・」
「え?ああ・・・なんとか…イテテ…」
「ゴメン…」
「君が謝る必要は無いよ。それより、車体を起こしてくれ」
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「うん…」

「うあっ!」
「シブリン!?」
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「早く、圏外まで!」
「・・・!ダメだ!転落の衝撃でギアチェンジが故障した。
最高速度が出せない!」

「とにかく!少しでも遠く!」
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『音波攻撃なら秒殺なんだけど…
カメラの回路も壊しちゃう・・・』

「ぐっ…ぐぅぅぅ…
き・・・キツイ・・・」
『…き・・・教官…こんなの…よく引き千切ったわねェ…』
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「んぐ・・・あああっ!!」

「てえい!!」
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「ハア…ハァ・・・」
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続く
(省略した部分から)ここまでのあらすじ
各地のイベント会場などで、原因不明の大量死亡事件が発生していた。
シブリンは、自分たちのライブ会場に異星人が紛れ込んでいる事を察知。
大量死亡事件の犯人が、ワイルド星人である事が判明した。
観客に被害は出なかったものの、スタッフの数名が生命カメラの犠牲になってしまった。
シブリンはウルトラ警備隊と連携し、ワイルド星人の潜んでいる洞窟から生命カメラを奪取した。

「待てェ!!そいつを返せ!!」
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「バカめ!そっちは崖だぞ!!」
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「分かってるわよ!」

「たあっ!」
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「ああッ!!」

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「みんなをお願い!」
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「了解!」

「ウ…ウルトラ戦士が地球に居ると言う噂は、本当だったのか!」
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「だから私は!・・・そんな事より、
あの中の3000人もの人達の生命を、生活資源の運用に充てるってどういうこと?」

「我々は他の星から生命エネルギーを集めて老衰の危機から開放された。
しかし、今度は資源の枯渇が課題になってしまった。

そこで我々は、老衰の課題を抱えている同じような星に生命エネルギーを与え、その見返りに生活資源を頂くことを考えた。

生命エネルギーの需要は予想外に高く、我々が惑星間交易をして行く上で重要なものである事が分かったんだ。」

「・・・要するに、人の命を商売道具にしているってワケ?

じゃあさ、命を抜かれた皆の肉体はどうすればいいのさ。
・・・まさか冷凍保存しておけば良いなんて言うんじゃ無いでしょうね?」

「分かっているじゃないか。他の星から生命エネルギーを得られる条件が揃えば、それを地球人に返済する事も出来る。
さあ、だから返してくれ。」
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「・・・アンタ達の命の軽視ぶりには、付ける薬は無いの?
返して欲しかったら、腕尽くで来なさいよ。」

「ならばそうしよう。
生命エネルギーに満ちた、ワイルド星人の真の力を思い知らせてやる!!」
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「うがあああああああああ!!」

「何?」
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「隙あり!!」
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「うあっ!」

「うおおおおおっ!!」
「・・・腕力はそれくらい・・・
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…っかっ!!」

「ウガァッ!!」
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「大体さ、アンタ達は戦いを好まない種族ないんでしょ?
今ので、戦闘経験も殆ど無いって分かったし。
無駄な事はやめて、星に帰りなよ。」

「ぐぬぬ・・・」

「そうは行くか!!」
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「我々には!それが必要なのだぁ!!」

「・・・」
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「だからさ」

「命に利用価値を見出すアンタ達の考えを理解する気なんて無い。
地球の人たちを、アンタ達の好き勝手には絶対にさせない。」
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「優れた科学技術を持っているのに、なんで別の方法を考えようとしないワケ?」
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続く

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