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耐震改修は できることから始める 20051118日経ホームビルダー
行政が耐震改修工事費用を補助する制度では、改修後の性能として、建築基準法の新耐震基準レベルを満たすこと、または耐震診断の評点を1.0以上にすることを求めることが多い。
しかし、ある住宅会社では、「評点1.0以上のプランを示すと、予算の都合で断られてしまうことが多い」と話す。住まい手が、「予算がかかりすぎるので工事自体をあきらめよう」と考えたら、耐震化は進まない。現実に既存住宅の耐震化は進んでいない。
国土交通省が2003年度の土地統計調査(総務省)の結果を基に、既存木造戸建て住宅の耐震性を推定したところ、総数2450万戸のうち、1000万戸は耐震性が不十分と判断された。また、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、耐震診断を受けた人のうち、改修工事を考えている人は35.4%、逆に考えていない人は39.6%。考えていない人にその理由を尋ねたところ、「経済的な理由」をあげた人が最も多く、42.5%だった。
わずかな補修でもマイナスにはならない
多くの耐震改修を手がけてきた匠建築の保坂貴司さんは、予算が十分でないときときは、まずは足元まわりの補強から始めるべきであることを強調する。土台が腐朽していたら交換する、柱脚や筋交い下部を金物で固定することなどだ。「わずかな補強でも、マイナスに働くことはない。予算に合わせた改修は十分可能なはず」(保坂さん)
行政主導の耐震診断を実施しなくても、地元を中心に活動する住宅会社には、住まい手の家をチェックする機会はたくさんある。たとえば定期点検のときに、壁の量や配置、床下にもぐって土台に劣化がないかを調べる。問題があったら、外壁などのリフォームと合わせて耐震補強を提案する。
もちろん、やみくもに壁や金物を増やせばよいわけではない。構造に関する最低限の知識は必要だが、基本は新築住宅をつくるときと同じだ。まずは住まい手や住宅会社にとって、無理のないところから始めてはどうだろうか。
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