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**ニッコン e-建設経営通信 【第193号】**
■ Question
1月4日から改正独禁法が施行され、我が国で初めて課徴金減免制度がスタートしますが、どのようなものでしょうか。またその運用はどのようなものになるのでしょうか。
■ Answer
今回大幅に改正された独禁法の中でも、課徴金減免制度は最も注目されているものです。
周知のように、立入り検査前に最初に談合事実を申告した企業は課徴金が全額、2番目は5割、3番目は3割が減額される仕組みです。秘密裏に進められる入札談合行為の摘発を進めるため、いわば内部告発を制度化した仕組みといえます。申告は単独企業に限られており、複数の企業による申告は認められません(申告も談合してから行うのでは悪い冗談では済まないからです)。
また、よく誤解されるところですが、他企業のみ談合行為を対象とした申告(俗にいうチクリ)は対象となっていませんし、企業ではなく、個人名での申告も認められません(課徴金納付は企業あてである以上当然ことです)。
しかし、この制度はどのように運用されるのか、実際に申告する企業はあるのかは、現段階では全く不明です。アメリカが反トラスト法の運用として同様の制度を導入したときは、当初は申告があったものの、やはり仲間を売った企業という評判がたったことなどから、制度変更を余儀なくされたという話もあります(申告した企業には課徴金納付がなかったり減額されるため、結果的には談合仲間には申告者がわかってしまうということでした)。
また、欧州、米国などの大規模な談合行為(そのほとんどは製造業者における価格カルテルです)では、この申告制が割と見受けられていますが、その背景には、当該企業の株主代表訴訟の存在があるといわれています。つまり、先んじて申告すれば課徴金を納付しなくても済んだものを、申告しなかったために会社に課徴金相当の損害を与えたとする内容の訴訟です(価格カルテルの課徴金は数百億円になることも珍しくありません)。
いずれにしても、我が国初の課徴金減免制度がどのように運用されるのか、全産業とも注目しているところです。
ちなみに、課徴金減免制度は、リーニエンシー(Leniency)といわれていますが、直訳すれば寛大(な措置)です。
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