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**ニッコン e-建設経営通信 【第196号】**
■ Question 1
当社はこれまで、行政側の指導のもとに起工測量、交通整理業務などを外部に委託するときは、下請負契約をして施工体制台帳を作成しておりましたが、この度コンクリートの非破壊試験を外注するに当たり、直接工事費でないので一括下請負及び施工体制台帳の作成は該当しない(起工測量、交通整理業務も同様である)と言われました。
しかし、これらの業務が直接工事費に該当しないものとしても、間接工事費に含まれる指定仮設の一括外注などは、一括下請負の対象となるし、施工体制台帳にも記載しなくてはいけないと思われますが、どのように理解して対応すればよいのでしょうか。
■ Answer 1
建設業法24条の7第1項に基づき作成される施工体制台帳に記載する必要があるのは、「建設工事」の下請契約の限られます。この点は、照会された方も理解されているように、法22条で禁止している一括下請負の対象となる「建設工事」も同様です。
では、この「建設工事」にはどのようなものが含まれるかですが、基本的には法24条に規定されているように、相当幅広く解することになっています(つまり、建設工事請負契約という名称のものだけでなく、その内容によっては、売買契約であっても、リース契約の名称であっても、建設業法上の「建設工事」の請負に該当することがあり得るということです)。
この点を踏まえて、個別に検討します。
(1) 起工測量、交通整理業務、非破壊試験の外注
これらの業務については、基本的には建設工事の請負契約に該当しないものと思われます。
しかし、実際の契約内容及び作業の内容を契約ごとに判断する必要もありますから、疑問がある場合には、貴社の建設業許可行政庁などに契約書を示して、具体的に問い合わせでみてください。
ただし、照会にありましたように、これらは直接工事費に分類されない業務だから施工体制台帳に記入の必要がないのではなく、そもそも建設工事の完成を請負う「請負工事」に該当しないために台帳記載を要しないとされているものです。
なお、工事現場の「警備業務」については、その重要性を考慮して、請負工事には該当しないものの施工体制台帳に特記するよう要請している公共工事発注者が見受けられます(例えば、国土交通省直轄工事)。
このような場合は、特記仕様書、現場説明書などで特にその旨を明示しています。
(2) 指定仮設の外注
指定仮設の工事(任意仮設の工事でも同様です)は、積算上間接工事費に含まれていますが、工事の完成に不可欠な工事であり、現に「とび・土工・コンクリート」という業種もあるところです。
したがって、仮設工事の外注は「建設工事」の外注に該当します。つまり間接工事費に含まれるか否かと、「建設工事」であるか否かとは直接関係がないのです。
■ Question 2
最近、施工現場に配置する技術者について、適正な配置か否かついてのチェックが厳しいと聞いていますが、具体的には、そのように行われているのでしょうか。
例で結構ですから教えてください。
■ Answer 2
最近は、施工現場に配置する技術者についてのチェック方法は、従前とは比べものにならないくらい多くなってきています。
その代表的なものだけでも、施工体制台帳、施工体制Gメン、適正化法による公共工事発注者からの通知、経審の工事経歴書、CORINS、監理技術者資格者証、下請代金支払状況等実態調査等が挙げられます。
そして、これらに基づく技術者チェックの運用も年々厳しくなってきているのが実情です。
では、その運用実態を一つの事案でみてみましょう。
(1)施工体制における問題点
甲社は、専任義務が課された工事を一人の技術者に2件兼任させていた。
(2)問題点が発見されたきっかけ
発注者であるA県が施工体制の重点点検を行ったところ、受注者甲社が提出した施工体制台帳に記載された専任義務がある技術者と、発注工事におけるCORINS登録されている技術者とが異なることを発見した。
(3)問題点発見後の処理
A県が甲社に確認したところ、当該技術者はB県発注工事で専任義務が課されている工事と兼任させるため、データベース上の重複をさける目的で、CORINSへの虚偽の登録を行った事実が確認された。
このため、A県は、事実関係をもう一件の発注者であるB県と許可行政庁に通知した。
(4)本件の場合、実際の許可行政庁の処分がどの程度であったかは不明です。
* 本事例は、平成15年11月7日付け「施工体制台帳等を活用した適正な施工体制の確保について」に添付されていた「発注者及び許可行政庁における施工体制台帳の活用事例集」の一つを若干修正したものです。
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