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12件で構造計算に疑問 国交省が抽出調査 構造計算書偽造特集114 20060425日経アーキテクチュア
国土交通省は4月24日、構造計算書偽造事件に関連し、国指定の確認検査機関が建築確認を下ろしたマンションなどの建築物を対象に行った抽出調査の結果を公表した。50機関103件のうち、12件で構造計算に疑問点が認められた。
国交省によると、昨年12月に省内に設置した緊急建築確認事務点検本部が、確認検査機関に立ち入り検査を実施。RC造を中心に建築物を10件ずつ抽出し、構造審査方法の実態把握を行った。構造設計図の柱や梁の断面積、鉄筋の本数・径などをチェックし、余裕が少ないと推測される物件2件をそれぞれ抽出。各機関に確認申請図書の提出を求め、詳細に調査することにした。
国交省は、再計算を日本建築防災協会に依頼。同協会は、学識経験者や実務者などで構成する構造計算調査委員会を設置し、検証作業を進めてきた。4月21日時点で、構造図と構造計算が一致しないなど、構造計算に疑問のある建築物が12件見つかった。また、5件については精査中としている。103件の中で偽造が確認されたものはなく、保有水平耐力比の最小値が0.5を下回る物件もないという。
日本建築防災協会は今週中をめどに調査を終了し、5月上旬にも国交省へ報告する予定。国交省は、確認検査機関や特定行政庁に検証結果を伝え、問題点や法適合性について再確認を求めるとしている。強度不足が確認されれば、関係者を処分する方針。
一方、国交省は約270ある特定行政庁が建築確認を下ろしたマンション400件についても抽出調査を実施している。過去5年間に建築確認を下ろした地上10階建て規模の中高層マンションを、特定行政庁ごとに1、2件ずつ無作為に抽出。管理組合など所有者の了解を受け、再計算を実施している。国の依頼を受けた日本建築防災協会が、日本構造技術者協会(JSCA)の協力を得て、再計算を進めている。4月21日時点で、特定行政庁で約280件の抽出を終え、随時、計算作業を進めている段階だ。
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