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指名入札制廃止と片務性是正 20060426 CE 建設業界 2005年11月号
 
 国土交通省は、入札・契約制度の改善策を相次いで講じているが、今度は指名競争入札をすべて廃止する。

 同省の入札方式はこれまで、予定価格の金額が七・三億円以上の工事は一般競争入札で、七・三億円未満〜二億円以上が公募型指名競争入札と詳細条件審査型一般競争入札、二億円〜一億円が工事希望型指名競争入札、一億円以下では指名競争入札を採用してきた。

 これを談合入札防止策の一環として、同省は二億円以上の工事に一般競争入札を拡大、二億円未満の工事では工事希望型指名競争入札を採り入れ通常の指名入札を廃止することにしたものだ。

 新たに導入する工事希望型指名競争入札は、一〇〜二〇数社程度から技術資料の提出を受け、入札条件を満たした企業のすべてに入札参加を認めるという方式。従来の工事希望型は、技術資料提出後に、発注者が指名業者を一〇社程度に絞り込んでいたが、新方式ではすべての企業に入札参加の機会を与える。通常の指名競争入札は、小規模な工事や災害など緊急を要する工事に限定する。

 指名競争入札が入札方式として採用されたのは、古い。明治二十二年に会計法が制定され、一般競争入札が採用された。会計法制定以前の官庁工事や陸海空の工事は特命見積り式、それも内示をもらって受注する黙約が前提になっていた。いわば今日の特命方式である。

 一般競争入札制度は、保証金を積めば誰でも入札に参加できる仕組みなので、その導入によって経験や信用のない者が入札に多く参加するようになった。このために業界が大混乱に陥ったばかりでなく、粗雑な工事が増加したことなどから、能力のある信頼の置ける業者を選定して競争する指名入札方式が、明治三十三年勅令によって行われるようになった。

 指名入札は、契約方式の原則ではなかったが、ほとんどの公共工事で採用された。発注者が不信用、不誠実な業者を排除して的確な施工の確保を最優先した結果である。

 国交省は、これまで運用上の基本としてきた指名入札方式を廃止することにし、範を示したわけだが、この措置はやはり画期的なことと言えるだろう。それを可能にしたのは、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の施行によって、不良・不適格業者を排除し、小規模な工事まで品質確保が担保できる方策を確立できたからにほかならない。

 指名入札の廃止は受注者側にも利点がある。発注者と受注者間の権利・義務関係の改善が期待されるからだ。片務的契約は指名入札制が大きな要因の一つといわれ、同制度の廃止によって、その是正が急速に進むのではないか。

 指名競争入札制の廃止は、いまのところ国交省だけだが、地方自治体を含めすべての発注機関が歩調を揃えることが必要だろう。


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