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防衛施設庁談合の冒陳要旨 20060529秋田魁
東京地裁で29日開かれた防衛施設庁談合事件初公判の検察側冒頭陳述の要旨は次の通り。
【犯行の背景と経緯】
防衛施設庁では再就職先確保のため、技術審議官らが中心となって、各地方防衛施設局・支局発注の建築・土木、設備、通信工事のうち、一定規模以上のものをOBの再就職先の業者らに割り振る「官製談合」が繰り返されてきた。
建築・土木工事では建設企画課の企画官がOB在職時の役職や号俸などを基準に業者への年間割り振り工事金額を「目標額」としてあらかじめ設定し、上司の技術審議官らの了解を得て割り振りを決定、業者間で入札価格の協定をさせていた。大型工事は業者から不満が出ないよう事前に意向を聞き割り振りを決めていた。
設備、通信工事も仕組みはほぼ同じだったが、発注金額が大きくないため、設備課課長補佐、通信課課長補佐らが割り振り案を策定、両課長が了承して決定していた。
官製談合システムは施設庁側にOBの再就職先を安定的に確保できるメリットがあり、業者側にも自由競争の入札よりも高値で安定的に工事を受注できるメリットがあり、長期間にわたって続けられていた。
元技術審議官生沢守被告、前総務部施設調査官松田隆繁被告は、官製談合で中心的な役割を果たしていた建設企画課の勤務経験があり、前技術審議官の河野孝義被告は建設部長に就任した2003年ごろから割り振りに関与するようになった。
【岩国飛行場滑走路移設関連工事】
03年度の工事は当時の企画官が割り振り案を決め、同年8月ごろに3被告で案を検討、村本建設顧問の元技術審議官らを通じて、業者側の意向も聞き、最終的な割り振りを決定。04年度の工事も3被告で割り振り案を検討し決定した。
【佐世保米軍基地関連工事】
03年度の工事は、同年9月ごろに割り振り案が策定され、3被告で検討。同年1月に官製談合防止法が施行され、従前のOBらを通じたルートでは情報が漏れる危険があると考え、村本建設顧問から業者取りまとめ役の鹿島の常務執行役員に案を伝達、最終的な割り振りを決めた。
【三宿病院と市ケ谷庁舎の新設空調工事】
04年度に発注予定だったこれらの工事は大規模だったので、生沢被告の前任者らは一方的な割り振りは業者側の反発を招く可能性があると考えた。まず業者間で調整させ、それを踏まえて最終決定する方針をOBで設備工事業者取りまとめ役の大気社取締役に伝え、生沢被告らも同様の方針だった。
いったんは大気社取締役の作成案通りに割り振りが決定されたが、同年8月末ごろ、割り振られた業者名や窓口が大気社取締役であること、同じ内容の文書を公正取引委員会に送ったことなどが記された匿名の投書が施設庁にあり、生沢被告らは対応を協議。
システムの発覚を防ぐには業者の一部を変更するしかないとの結論に達し、同年9月上旬ごろ、大気社取締役を技術審議官室に呼び出し、業者の入れ替え検討を指示。取締役は新たな割り振り案を確定させ、10月下旬ごろ、設備課課長補佐に報告、課長補佐は被告らに報告し、了解を得た。
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