社会人(建設業社員)としての基礎知識

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ニッコン建設経営通信

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**ニッコン e-建設経営通信 【第202号】**

■ Question 1

 当社の受注は、大半が民間発注による機械設備の修繕工事、機械器具設置工事で、官庁工事はほとんどありません。

 この請負工事を外注するにあたり、当社の現場代理人が常駐をできないことがある(要員不足、遠隔地での施工、地元対策、社内に有資格者がいない等)ため、協力会社の技術者に一時的に当社の専門社員という身分を与え、自社の現場代理人にするということがあります。

 この技術者は専門社員という名称ですが、施工体制台帳には、当該専門社員を現場代理人として記載しているものの、就業規則は適用しません。また、専門社員の賃金は協力会社が支払います。

 もちろん社会保険も協力会社が負担しています(この場合、出向受入のように見えますが、出向料の支払いをしておりません。協力会社は当該1人分の人件費について請負費用の工数に積み上げています)。

 ところで、この専門社員は現場代理人ですから、当社の工事部長が本人に指示をすることもありますし、一部の工事ではこの専門社員は主任技術者を兼ねていたこともあります。
 
 この場合、建設業法上なにか問題はないのでしょうか。

■ Answer 1

1 現場代理人について

 現場代理人について、建設業法は、請負業者が選任したら注文者に通知しなければならないとだけ規定されています(同法19条の2参照)。
 資格も規定されておらず、雇用関係も何ら規制されておりません。
 したがって、現場代理人だけであれば、いわゆる他業者から借りて配置することも可能です。
 しかし、公共工事の一部では、現場代理人についても、「直接的かつ恒常的な雇用関係」を特記仕様書などで求めているところが多くなっており、この場合の現場代理人は、社員以外には配置できません。

2 主任技術者又は監理技術者について

 主任技術者又は監理技術者は、工事規模等により必ず配置しなければならないものですが(同法26条参照)、建設業許可行政庁の通知では、これらの技術者は、当該建設業者と「直接的かつ恒常的な雇用関係」にある必要があるという運用しています(平成16年3月1日付け「監理技術者制度運用マニュアルについて」二ー四参照)。
 この点からわかるように、主任技術者等は派遣や在籍出向などの方法で確保した技術者を自社が受注した工事現場に配置することはできません。
 なお、「直接的かつ恒常的な雇用関係」とは、健康保険被保険者証の交付及び三ヶ月以上の雇用関係が必要とされています。

3 現場代理人と主任技術者等の兼任について

 通常は、現場代理人と主任技術者等は兼任していますし、公共工事請負契約標準約款などでは約款上もそのように規定されています。
 このような場合、現場代理人と主任技術者等は同一技術者ですから、現場代理人にも「直接的かつ恒常的案雇用関係」が求められます。
 これに対して、民間工事などで現場代理人とは別に主任技術者等を配置する場合、この現場代理人は、派遣・在籍出向者その他でも支障がないことになります(ただし、注文者から、当該現場代理人交替要求がなされてこともありますが、この点は本件とは別個の問題です)。
 このように現場代理人と主任技術者等が同一技術者であるか否かにより、大きく結論が異なります。

4 この問題の留意点

 数年前に許可行政庁から摘発された実例ですが、第三者から出向させて配置していた現場代理人の行為は、実質的には監理技術者として職務を行っており、したがって、現場代理人へ出向者をあてたことは監理技術者の出向と同視できるとして、配置技術者違反とともに一括下請負違反で処分されています。

■ Question 2

若い人に現場で指導することが難しいと感じています。
私はベテランの部類に入り、若い人への教え方にとまどっています。
何か良いヒントはないでしょうか。

■ Answer 1

部下と一緒に作業をしていると、つい「これを持ってきてくれ!」
「〜を計っておいてくれ!」と仕事を進めていくための“一方的指示”を
出しがちではありませんか?
 これでは人は育ちません。
なぜなら「なぜこんな指示を先輩・上司は私に出したのか?」という目的が不明だか
らです。
 そこで、“教え込む”要素を入れる必要が出てきます。
 それは相手の能力、経験を把握して、そのレベルに合わせた分かり易い裏付けを付加えることで、その指示の目的が理解されてくるからです。
 すると、指示+応用=能力アップになっていくのです。
 
 例えば、完成間近で現場内が梱包材、残材、ゴミが散在している所で工事係員(1〜2年生)に片付けるように指示を出す場面を想定してみましょう。
 指示するだけなら「現場はご覧の通りだ。時間を見つけて君も進んで片付けを手伝ってくれないか」という言葉になります。
 これでは何のために自分はこんな肉体労働をしなければならないのかと疑問を持つことになります。

一方、教え込む要素を入れてみると、
『本来片付けや整理は作業者(下請)自らがやるべきものなんだ。
 でも猫の手も借りたいくらい忙しいときには、監督の立場で手伝ってやることも必要だ。
 作業通路を確保したり、次の材料の搬入場所を確保してやらないと段取りミスにつながるから ね。 事故でも起こしたら元も子もないからな。』
 さらに、『自ら汗を出して片付けながら、梱包材を少なくしたり、ムダなゴミ・残材を
 出さないようにする作業方法も考えてみよう。
 ××××の例はこういった体験から生み出されたものだ。
 それと下請から見て監督が時には汗を出して働いていると共感が得られ、無理なお願いも引き受けて貰えたり、仕事がやり易くなるもんだよ。』というようになります。
 「指示する」から「教え込む」に方向転換していくことこそ、ベテラン技術者の若い人への指導の原点ではないでしょうか。


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