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低価格受注で会員に通知 戦略受注など整理 土工協・日建連・BCS20060725建設通信
日本土木工業協会(葉山莞児会長)は24日開いた理事会で、「公共工事の適正な受注活動」への配慮を求める通知文書を会員企業に配布することを承認した。公共工事での低価格受注問題に対して、ダンピング(過度な安値受注)が国民の安心・安全の確保と建設業の健全な発展を阻害すると判断した。土工協は、今後も低価格受注問題について葉山会長を中心に議論を進め、企業の戦略的受注の扱いも含め、低価格受注に対する考え方を土工協としてまとめる予定だ。
理事会で承認したのは、過度の低入札による受注増加への懸念と、批判を受けないための配慮を求めた「公共工事の適正な受注活動について」と題する文書。
通知は、日本建設業団体連合会、建築業協会を含め3団体連名で会員企業社長宛てに送付する。
文書は低価格受注が、▽品確法に基づいた調達の形骸(けいがい)化▽下請けの経営圧迫▽企業の技術開発力低下▽粗悪工事や手抜き工事誘発▽安全・環境対策の不徹底――などを招きかねないとして、問題点を提示した。
ただ文書自体は、問題点の指摘と配慮を、会員企業に求めるだけにとどめており、強制力はない。ダンピングに関連した同様の文書は過去、建設業冬の時代と言われた、1983年、85年に通知した経緯がある。
今回の文書について葉山会長は、24日の理事会後の会見で「国土交通省が大規模工事での低価格入札に対する対策を公表しているほか、さまざまなペナルティーの検討をしていると聞いている」とし、「われわれ(協会)としての姿勢を表したもの」と理由を説明した。
ただ、低価格受注については、これまでに「企業の経営戦略的判断もある」「前施工など歴史的経緯による受注に対する強い思いがある」など、大規模工事での低価格受注がすぐに品質悪化や下請けへのしわ寄せにはつながらないとの声も根強くある。低価格受注の範囲や民間工事での受注競争との関係など、今後整理すべき課題も多い。
そのため葉山会長は、こうした課題に対して「個人的な考えはあるが、現時点では発言を控える」と慎重な姿勢を示した上で「土工協内部のさまざまな声を聞き、(低価格受注問題について)国交省などと相対するために、今後も議論を重ねていきたい」との考えを示した。
一方、土工協が脱・談合を視野に4月に公表した『改革姿勢と提言』で問題を指摘した、▽受注を期待した調査・設計段階での支援・協力、いわゆる事前協力▽特定JV▽複数年工事――の3点について、山本卓朗副会長は「フォローアップの議論は7月から始まっている。8月末までには、(議論を整理する)調整会議を開いて今後の方向性を固めていきたい」との見通しを語った。
葉山会長が今後も低価格受注に対する問題について議論していくことを明らかにしたことで、今夏以降、土工協は喫緊の課題として事前協力など土工協提言にかかわる問題だけでなく、低価格受注を含めた2本柱を中心に問題の整理を進めていく。
また、内閣府の独占禁止法問題懇談会が改正独禁法の2年以内見直し議論で22日に公表した論点整理に対して、中村満義副会長は「早急に内容を議論・検討したい」と意見提出へ意欲をみせた。
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