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首都圏の大規模停電で見る危機管理のもろさ20060817CNET Japan

8月14日に起きた首都圏の大規模停電パニックは1隻のクレーン船が川にかかる高圧線に接触して起きました。

これにより、都心部と千葉、神奈川の一部の139万世帯が停電して、電車が止まり、数10万人の足が奪われました。ビルのエレベーターには多数の人が閉じ込められました。約3時間後に全面復旧しましたが、交通信号の停止や、コンビニの一時閉店もあり、首都圏は大混乱しました。

お盆休みの人員が手薄な時に起きた停電で、今回の停電時の対応の仕方が企業の危機管理体制の試金石となったようです。

千葉県警浦安署の事情聴取に、クレーン船で送電線を損傷させた建設会社「三国屋建設」の千葉事務所長らは、「作業効率を上げるため、航行中にクレーンを上げた」と話しているようです。

このクレーン船は、作業効率を上げるために、これまでも航行中にたびたびクレーンを上げていたようです。このような効率優先の作業が常態化していたようです。そのようなことをしても、誰からも注意を受けなかったのでしょうか。

同社のクレーン船は、水戸市の那珂川にかかる東京電力の送電線にアームを接触させる事故を1999年3月4日に起こして、水戸地区を停電させた前科があるようです。

その事故直後、同社は送電線に注意するよう「作業手順書」と呼ばれるマニュアルに明記して社員教育をしたそうです。しかし、その後「作業手順書」を何回か更新するうちに、送電線に関する注意書きを消し去ったようです。事故を起こした直後に形式的にマニュアルに記入しただけだったのでしょう。1999年3月に起こした事故の経験がすぐに風化したのです。よくあることです。

道路の上にある鉄道線路の架橋にも下を走る大型トラックが度々衝突しています。その防止のため、架橋の手前に、通り抜けるトラックの高さを制限するための保護バーを設置して、そこで高さ制限オーバーのトラックの進入を防いでいます。それでも、時々、鉄道線路の架橋を壊す無鉄砲なトラックが現れます。

今回の事故で、事故を起こしたクレーン船関係者は当然責められなくてはいけませんが、長時間の大規模停電に関しては、送電線を管理する電力会社の責任も重いと思います。

同一の鉄塔にバックアップ用の高圧線を設置している方式でバックアップの役割を果たせるかを疑問視する専門家も少なくありません。

また、高圧線に届くような背の高いクレーン船が近づいたら、警報を発するシステムを構築するのは現代のエレクトロニクス技術を用いれば、技術的にも経済的にも難しくありません。

結局、大規模長時間停電は起こるべくして起きたようです。


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