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屋上・壁面緑化 技術競うゼネコン各社 軽量化とコスト低減が焦点20060818建設通信
ゼネコン各社は、建物の屋上や壁面を緑化する技術の開発に力を入れている。環境意識の高まりに加えて、国や自治体が条例による義務化など“ムチ”と、補助金や容積率の割増など“アメ”を使い、都市の緑化を後押ししていることが背景にある。軽量化とともに、維持管理も含めたコストの低減が最大の争点となっている。導入費用のハードルが下がることで、さらなる普及にも弾みがつきそうだ。
技術開発のポイントの一つは、特殊な土壌の活用。村本建設やピーエス三菱などの参加する都市環境緑化研究会は、「成長しすぎず枯れもせず」をコンセプトに、超軽量・省管理型屋上緑化システムを開発した。アルカリ性の廃ガラス発泡骨材を培土に使い、植物の成長を抑制することで、維持管理の手間を減らす。
鉄建も、中国の泥炭を原料にした、軽くて肥えた土・ルーフソイルを使った屋上緑化を進める。セダムを植える場合、土の厚さが4cm程度で済み、構造物に対する負担が軽い。本社ビル(東京都千代田区)に、屋上庭園を設け、顧客に公開している。
熊谷組は、新しい屋上緑化工法として、簡易システム型ビオトープを開発した。ヤシ繊維の毛管現象などを活用し、軽量化することで、せせらぎのある屋上ビオトープを、一般のビルにも安価に設置できるようにした。
工場立地法の改正や生産施設に対する設備投資の拡大などを受けて、工場などに最適な技術の開発も続いている。ハザマは、工場に多く使われている折板屋根に対応した工法を、緑化技術のメニューに追加した。大本組などで構成するグラウンドカバープランツ緑化研究会は、法面緑化などで多くの実績を持つ、機械による苗吹付け工を、屋上緑化に応用した。
壁面緑化でも、各社は知恵を絞っている。西松建設は、セダムの生産者・施工業者など関連企業数社からなる「セダムプロジェクト」チームをつくり、ユニット方式の壁面緑化工法を開発した。実証実験では、約2年間、強制的なかん水なしで壁面に緑を維持できることを実証した。
清水建設は、農業機械などのみのる産業(本社・岡山県赤磐市、生本純一社長)と共同で、業界最高水準の軽量・低価格を実現した壁面緑化システムを開発した。ポリエステル繊維を混ぜた培土を植栽基盤とすることで、重量を一般的な緑化ユニットの半分にした。
国土交通省が7月に公表した調査によると、屋上・壁面緑化は、3大都市圏を中心に急速に拡大している。2000年に比べて05年の緑化面積は、屋上が約10倍、壁面が約46倍に増えた。東京都をはじめ、各自治体は緑化の義務化を進めており、軽量で低コストの緑化技術に対する需要が高まっている。
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