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**ニッコン e-建設経営通信 【第212号】**
■ Question 1
国土交通省では、平成18年10月から、大型工事について、入札保証金
を納付させる措置を講じましたが、本来入札保証金は免除なのにわざわざ
入札保証金を納付させるねらいとはなんでしょうか。
■ Answer 1
国土交通省が平成18年10月16日付けで通達したのは「入札保証金の
取扱いに関する試行について」ですが、これによりますと、WTO政府調達
協定対象工事である予定価格が7億2千万円以上の工事であって、地方整備
局長が必要と認めた工事を対象に試行することとなっています。
平成18年度は数件に試行し、平成19年度には改めて通知をすることに
なっています。
入札保証金の額は、入札参加者の見積額の5%で、それを現金、あるいは
利付き国債、銀行等の保証書、入札保証保険契約証券などにより納付します
が、万一、落札者となっても契約を結ばない場合には、納付した入札保証金
等は国庫に帰属したり、銀行等の保証あるいは入札保証保険による場合は、
入札保証金相当額を国庫に納入しなければなりません。
このほか、銀行や前払保証会社による契約保証の予約を受け、契約保証予約
証書を提出することも認められていますが、この場合には「入札保証金の免
除」にあたるため、落札者が契約を結ばなくても、保証金の請求はできない
ことになっています。
ところでなぜ、現時点で入札保証金を納めさせることにしたかですが、照会
にもあるように、公共工事では、これまで入札参加者が落札者となった場合で
も契約を結ばない、いわゆる落札辞退になるケースがほとんどなかったことか
ら、会計法第29条の4に規定されている入札保証金の納付義務については、
すべて「免除」による運用をしていました。
しかし、近年一般競争入札方式や総合評価方式が拡大したことに伴い、その
条件整備の一環として、入札保証金(入札ボンド)の活用が位置づけられてい
たところです。
つまり、入札金額の5%程度の入札保証金あるいはそれに代わる保証を新たに
納付させることにすれば、経営基盤の弱体な企業の応札を防止することができ
るからです(これは与信枠の制約による応札者の絞り込みといわれる機能です)
要は、銀行などの与信枠を活用して経営基盤の脆弱な企業の入札参加を防止
することねらいとしたものです。
肝心のこの機能がねらい通りに働くのかについては、今後の試行結果をみてみ
なければなりません。
しかし、平成6年に工事完成保証人制度に代るものとして創設された、契約金額
の10%又は30%の付保を求めた契約保証金制度の際にも、与信枠の活用がその
大きなねらいとして挙げられていましたが、この点では、ほとんど効果は上がっ
ていない、つまり契約保証金あるいはこれに代わる担保の提供ができずに入札に
参加できない、あるいは契約を辞退をした建設業者はほとんど皆無とおもわれる
からです(工事完成保証人制度という人的保証の廃止効果は当然ありましたが)。
入札保証金制度については、今年度の試行結果をみて来年度の方針を検討する
ことになっていますから、今後の運用が注目されるところです。
■ Question 2
公共工事総合評価入札方式の中に、技術者のコミュニケーション能力とありま
すが、具体的にどのようなことを試されるのでしょうか。また、その能力を向上
させる方法はありますか。
■ Answer 2
配置予定技術者の能力について、ヒアリングという評価項目があります。
当該工事に関連した工事経験について、どんな立場でどのような施工管理をした
のかと質問されるものです。
また、施工方法について現場条件を考慮した変更案や問題点の指摘と対策などに
ついても試されます。
工事品質は最終的には管理する人であり、その人の知識と経験を審査するという
ものです。
この受け答えが不適切であると、いかに資格や実績があってもよい印象を与えら
れません。
ある実施例では、事前に想定質問をノートに書き、模範解答を作り、それを
見て読んでいたということがありました。
すると、コミュニケーション能力はゼロです。
現場は近隣や発注者などと協議する場が多くあり、変化に富んだ質問や変更が
生じてきます。
これを試しているのです。
ヒアリング能力評価は4点です。
加点の中の1割くらいの比率ですが、2,3点の差が入札に大きく影響すること
を考えると見逃せません。
そこでどのような訓練が必要かということです。
社内で質疑応答の訓練をすることです。
施工検討会や工事工程会議において指名された人に質問します。
「この工事の住民対策は?」、「大雨のときの安全対策は?」というような具体
的な質問です。
回答する人は技術の裏付けや自分の経験を日頃から意識して説明できるように
準備することが大切です。
これが効果的な能力向上に結びつきます。
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