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**ニッコン e-建設経営通信 【第213号】**
■ Question 1
建設工事共同企業体で50:30:20の比率により民間工事を受注し、当社は2番手
で30%の出資比率でした。
ところが、施工後のJV運営委員会の協議が進むにつれて、この現場は大幅な赤字
工事であることが明らかになってきました。
そのため、当社は企業体の脱退を考えましたが、発注者等との関係でそのような措
置をとることは断念し、代わりにスポンサー会社と協議し、持分を30%から1%へ
変更してもらうこととしました。
この出資比率変更に当たっては、協定書上の割合は変更せず、構成員間での施工
協力協定書において、出資比率を変更したものです。
このような変更は、なにか問題があるのでしょうか。
■ Answer 1
発注者の承認を得ているJV協定書第8条の出資比率を構成員間の施工協力協
定で出資比率を実質的には変更することは、発注者とJVとの請負契約書に「請
負者がJVを結成している場合には、請負者は、別紙○○共同企業体協定書によ
り契約書記載の工事を共同連帯して請け負う。」とされている規定に明確に違反
しています。
さらに、このような処理方法は、税法上の問題を引き起こすおそれありと指摘
されているところです。
■ Question 2
金融機関から年間完成工事高の約半額の長期借入金がある土木会社です。
ここ10年程度しっかり返済していますが、最近、頻繁に「今後の受注見込み一
覧表と全ての実行予算書を提出して下さい」と言われるようになりました。
当社の信頼度が低くなったのでしょうか。
■ Answer 2
信頼度が低くなったというよりも、(借金返済の裏付け)確実性を求められてい
ると思われます。
公共投資が大幅に削減されていることは、金融機関も周知のことです。
加えて、金融機関に対する金融庁の監査も厳しくなっているようです。
金融機関は、今後受注がどれだけ見込めるかを「受注見込み一覧表」で押さえ、
「実行予算書」でコスト(粗利)を押さえます。
これにもう一つ、「月次試算表」が加われば数字は殆ど分ります。
常日頃から金融機関と友好的にお付き合いしていれば、そんなに目くじらを立て
ることはありませんが、受注確保のための策だけは戦略として持っていなければ
なりません。
「見込みが一つもありません」では企業としての存続も危うくなります。
上記3資料に、戦略を明確にした中期経営計画書(3〜5年程度)があれば金融
機関も安心すると思います。
蛇足ですが、財務情報に関しては、隠したがる傾向にあるようですので、そうい
う企業は良い機会ですので情報をオープンにして、金融機関の指導を仰いでいく
ことをお薦めします。
但し、情報をオープンするにあたってはご担当会計士にしっかり相談・打ち合わ
せすることをお忘れなく。
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