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**ニッコン e-建設経営通信 【第215号】**
■ Question 1
当社はこれまで、行政側の指導のもとに起工測量、交通整理業務などを外部に委託するときは、下請負契約をして施工体制台帳を作成しておりました。
しかし、最近受注した公共工事において、施工に伴い実施することとなったコンクリート非破壊試験を外注したところ、発注者から非破壊検査は直接工事費に含まれる費目ではないので、一括下請負の承認及び施工体制台帳の作成には該当しない(起工測量、交通整理業務も同様である)と言われました。
非破壊検査が直接工事費に該当しないものとしても、間接工事費にある指定仮設の一括外注などは、建設業法上の一括下請負の禁止や施工体制台帳への記載義務はあると思うのですが、どのように理解して対応すればよいのでしょうか。
■ Answer 1
照会の内容には二つの論点があり、一つは施工体制台帳へ記載すべき工事とは何か、もう一つは一括下請負の禁止に関するものです。
いずれにしても「建設工事」とは何かという問題なのです。
建設業法24条の7 第1項に基づき作成される施工体制台帳に記載する必要があるのは、建設工事」の下請契約の限られます。
この点は、照会された方も理解されているように、法22条で禁止している一括下請負の対象となる「建設工事」と同様です。
ではこの「建設工事」にはどのようなものが含まれるかということですが、基本的には法24条に規定されているように、相当幅広く解することになっています(つまり、建設工事請負契約という名称のものだけでなく、その内容によっては、売買契約であっても、リース契約の名称であっても、建設業法上の「建設工事」の請負に該当することがあり得るということです)。
この点を踏まえて、個別に検討します。
1. 起工測量、交通整理業務、非破壊試験の外注
これらの業務については、基本的には建設工事の請負契約に該当しないものと思われます。
しかし、実際の契約内容及び作業の内容を契約ごとに判断する必要もありますから、疑問がある場合には、貴社の建設業許可行政庁などに契約書を示して、具体的に問い合わせてみてください。
ただし、照会にありましたように、これらは直接工事費に分類されない業務だから、台帳記入の必要がないのではなく、そもそも「請負工事」に該当しないために台帳記載を要しないとされているものです。
なお、工事現場の「警備業務」については、その重要性を考慮して、請負工事には該当しないものの施工体制台帳に記載するよう別途要請している公共工事発注者が見受けられます(例えば、国土交通省直轄工事)。
このような場合は、特記仕様書、現場説明書などで特に明示しています。
2. 指定仮設の外注
指定仮設は、積算上間接工事費に含まれていますが、工事の完成に不可欠な工事であり、現に「とび・土工・コンクリート」という業種もあるところですから、仮設工事発注は「建設工事」に該当します。
■ Question 2
前回、ISO9001の「6.2.2 力量、認識及び教育・訓練」にもとづいた若手技術者の育成について解説しましたが、他の要求事項でさらに教育訓練できるものがあれば教えて下さい。
■ Answer 2
ISOを現場内で定着化させるためにはISOがルーチンワークとして機能していなければなりません。
ISOを機能化させることは簡単なようで案外難しいという意見を多く耳にします。
それは中堅・中小建設業の場合、現場の施工管理業務とISOを別物として考えている現場代理人が多いからでしょう。
現場内でISO活動をふまえた教育訓練を行うには、まず、指導者自身がISOの目的及び内容をきちんと理解していなくてはいけません。
工事管理職の中には、自分に関係のない規定や要領書には目を通さない人がいたりしますが、このようなことでは管理職失格です。
ISOは全体的なシステムであり、工事も営業も管理部門も有機的につながっているので、まったく関係無いものはないはずです。
また、部下や後輩、および作業員にISOを指導するときには、ISOの要求していることや記録をとることの意味を十分に伝えることが重要です。
以下、現場においてISOを有効活用し、OJT指導にもつながるポイントを要求事項ごとに解説します。
(1)6.4 作業環境
ISOでは作業環境を物理的、社会的、心理的および環境的要因を含めた作業が行われる場の条件の集まりとしています。
OJTの場合、労働安全衛生に関する全般的な指導機会として活用すべきであると考えます。
(2)7.1 製品実現の計画
ISO上の施工プロセスを管理するための施工品質計画書を作成するにあたり、その作成過程の中でOJTを行う場面は多々あります。
特に施工検討会を実施している企業の場合、検討会において設計図書の内容および現場踏査の結果をふまえた施工品質計画書の作成を指導することがきわめて重要となります。
(4)7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー
現場は必ずしも発注者の設計書どおりの状態であるとは限りません。
「図面と現況が異なる」「設計数量が実際と違う」などの相違は起こりうることであるので、現場踏査の段階からそのような相違点を確認することをOJT指導しなければなりません。
(5)8.2.1 顧客満足
ISO9001 2000年規格では顧客要求事項を満足しているかどうかという点について、顧客がどのような受け止め方をしているか、その情報を監視することを求められています。
発注者による竣工検査での指摘事項を満足度のバロメータとしてOJT指導したいところです。
(6)8.2.2 内部監査
内部監査を単に監査として実施するのではなく、OJTの機会として捉え、形式に流れずに指導・育成の場面として活用していくことが重要です。
(7)8.2.4 製品の監視及び測定
施工プロジェクト内での各種の検査・試験がこれにあたり、適切な段階でのOJTの実施が重要となります。
これは検査・試験実施後に指導者が事の善し悪しを教えても遅いからです。
(8)8.5.3 予防処置
現場内での想定される不適合に対する予防処置の立案から実施に向けての方法論をOJT指導していきます。
どのような現場でも最低1つは実施すべきです。
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内部監査(internal audit)とは、「組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、これに基づいて意見を述べ、助言・勧告を行う監査業務、および特定の経営諸活動の支援を行う診断業務」がその本質とされるものである。
なお、監査役の監査および内部監査を総称して業務監査と呼ばれることがある。
ISOにおいては顧客要求事項を把握し満足度を高めて行く等を目的として内部監査を実施しPDCAサイクルを回し、スパイラルアップすることが必須の条件である。
また、内部監査の形骸化を防ぐため相互監査や改善提案などを行い、規格要求基準を順守維持するにとどまらず、将来の不具合の防止や潜在能力の発掘、利害関係者の要求満足工場など実効性のある内部監査を行うことが必要である。
両備のように土壌汚染付マイホームを買われた顧客から、刑事告訴や損害賠償請求裁判を起こされることを防止するのも役割の一つでしょう。
2011/1/30(日) 午前 11:58 [ 役に立つマネジメントシステムって ]